『琅玕筠庭録 翡二十三』が出版されました。
本書には、作品タイトルとして
「蕭白」
「テロ戦争」
「プッサン」
「京都/前後編/リライト方針」
「タンカ」
「ラロックの聖母」
が集録されています。それぞれのタイトルには
調査記録、およびコラムが付帯しております。
「蕭白」は異質な画家、曾我蕭白を扱った作品。
余りに個性的な画風と表現のために、鑑賞者を
不愉快にさせる、とも評されることがあります。
しかし、蕭白が主な題材としていたのは所謂
仙人たちでした。仙人は、この世のあらゆる秩序と
価値を超越しているので、仙人の本質により
忠実であろうした蕭白の表現に市井の者達は
不快を表明することもあったわけです。
「プッサン」で扱われている画家プッサンもまた
蕭白のように非世俗的なテーマを扱った画家で
した。
画家プッサン自身が、自分の作品について言及
した言葉には、彼の作品は「読み解くもの」
であるという謎の発言があります。
本作はプッサンの謎と、設定された状況における
キャラクターたちが必死に格闘する別の「謎」
とを重ねて表現することで、よりプッサンの謎
の性格を浮かび上がらせることを実現しました。
「タンカ」
および
「ラロックの聖母」についても
テーマとなっている表現や伝承、背景となる
文化や時代が、作品によって読み解かれていく
構成となっております。
本作に於いても、アムルタート様によるご助力を頂いて
出版に至ったことをここに明記し、感謝いたします。
また新たなプラットホームからの書籍選択も
できるようになりました。