2010年に発表された論文によると、社会的なゲームをプレイした場合、そうでないゲームをプレイした時よりも社交的になり、相手の不幸を喜ぶシャーデンフロイデの傾向も低下したという。
また攻撃的なゲームをプレイした場合、そうでないゲームをプレイした時よりも攻撃的になったという報告から、おそらく人間には直前にプレイしたゲームの方向性に性格特性が引っ張られる性質があると思われる。
筆者はこれを、直前に覚えた数値に認知が引っ張られ、判断された数値が覚えた数値に近くなるアンカリングと呼ばれる現象に近いものではないかと推測している。直前に得たゲームキャラの行動と素行を記憶し、認知がその記憶に係留され、強調された性格特性が表に出るような、そんなイメージだ。
なお、向社会的な効果も攻撃的な効果も非常に短期的なものであり、ゲームプレイが長期的な習慣にならない限りは特筆すべき事項ではないらしい。
ーーー「奴は暴力的なゲームを小さいころからやってきたんだ!」
「そんな奴が先日暴力沙汰を起こした!」
「これは間違いなくゲームによって性格が捻じ曲げられたせいだ!」
……それたぶん、その子はもともと暴力的なものを好むまでに攻撃的だっただけでは?
参考文献
Greitemeyer, T., Osswald, S et al. (2010) Playing prosocial video games increases empathy and decreases schadenfreude.
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