2014年に発表された論文によると、SNSの利用はうつ病の直接的な原因にはなりえず、羨望などの感情を介することで間接的に影響を与えるが、その効果量はさほど大きくないという。
SNSはその構造上他人の好感触な経験や成功体験が目に入りやすく、並んだ情報が人間の羨望を掻き立て、その掻き立てられた羨望がうつ病に影響を与える、という仕組みらしい。
この羨望が掻き立てられる仕組みは、SNSの投稿に(法に触れるような度合いも含む)暴言を書いてしまう自己正当化の欲求にやや似ている。羨望もしくは妬みといった感情は、自尊心が揺らいだことで、自分の存在意義が危うくなったと自認することで発生するからだ。
ちなみに、SNSが羨望を介してうつ病の原因になるということは、羨望が介入しないような使い方であればSNSがうつ病の原因になりえないということでもある。
今回取り上げた論文にも「監視利用(他人の活動を追跡し、自身と見比べるような使い方)のみが予測した」とある通り、SNSの投稿を純粋なコンテンツとして扱うような使い方であれば、精神衛生的には恐らく問題ないとのこと。
ーーー「SNSなんかに夢中になってないで、ほらはやくやることやりなさい!」
そのつぶやきが、対象をよりSNSに没頭させる一番の要因になってそうで。
参考文献
Edson C.Tandoc Jr. Patrick Ferrucci et al. (2014) Facebook use, envy, and depression among college students: Is facebooking depressing?