花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

遠い日

2020年03月25日 09時50分10秒 | 日記

照手桃の花暖かな日が続いたので花が開いてきました
濃いピンク色の花は裏庭を明るくしています




ハナズオウのつぼみがふくらみ少し色がピンクになってきました




チューリップを少し植えていますお昼間にはそれぞれが大きく花開きます




海棠桜のつぼみもう開く頃かしら






昔の遠い日のこと
父の出征の日のことをときどき思い出すのです
多くの出征兵士が集いそれぞれ見送りの家族たちと別れを惜しんでいる風景で
そんな時父は私を遊んでくれたのです
私は幼稚園児だったのです
何をして遊んだかといえば
その日に着ていた洋服のボタンを父と投げ合って
そんな単純な動作の繰り返しが嬉々とした声を出して喜べる幼い年代だったのです
その洋服もしっかり覚えています
母はいつもそうでしたが
子供服といえども誂えていたので
そんな誂えた子供服はスカラップの白い二重襟がかかり
ヨークかざりになっていてす
ボタンも一つ一つ丁寧に造られた小さなバラの造花がついていたのです
そんな大切な日なのにそのバラの花の飾り牡丹が一つ落ちてしまい
その落ちたボタンで父とキャッチボールのように投げ合って遊んだのです
今思えばそんな日にボタンが落ちなくてもいいのに
父は戦死したのです だから
それが父親をみた最後の日になって仕舞いました
母はどんなにかお別れ前に父と話しておきたい大切な話があったでしょうに
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