2017年12月から2018年2月の現在まで、寒波が日本を覆う日が多く続き、今月2月には、福井県で56豪雪を上回る積雪を記録した。「56豪雪」とは、昭和56年の積雪。北陸地方では、この56豪雪以前に38豪雪(昭和38年の豪雪)がすごかったようだ。この38豪雪時には、2階まで雪が積もり、2階から出入りしていたようだ。
最近は、温暖化ということで、積雪が少なく、雪国の人々も、「あっ ここは雪国だったのだ。」と昔を思い起こしていると思う。
ところで、地球の歴史からすると、今はどんな時代なのだろう?
46億年前に地球が誕生してから、とんでもない大規模な変化を繰り返しながら、月が誕生(ジャイアント・インパクト)し、大陸が、そして海が誕生し、酸素が生成されはじめたりした。長い長い時間をかけて。
約24億年前と約7億年前には、「スノーボールアース(全球凍結)」の時期を迎えた。その後、氷河期と温暖な時代を繰り返す。しかし、圧倒的に氷河期が長い。
現在は、「第四紀」と呼ばれる氷河期にある。氷河期は、氷期と、わりと温暖な間氷期が交互にやってくる。
この現在に続く最後の氷河期は約258万年前にはじまり、今は、約11600年前から始まった間氷期の真っただ中です。
何故、258万年前から氷河期が始まったのか?
1926年、京都帝国大学(現京都大学)の松山基範教授が、兵庫県にある玄武洞の岩石を調査し、逆向きに磁化されていることを発見した。
つまり、地球の磁場が逆転したのです(北と南が逆転した。)。そして、77万年前まで逆転していた。この258万年前から77万年前までを「松山逆磁極期」とされている。
磁場の逆転がきっかけで、急激な寒冷化が起こり、氷河期となったようだ。
じゃー、77万年前からはどうなったの?
77万年前から現在までの期間は、ブリュンヌ正磁極期とされている(南北が現在のように戻った。)。1906年に論文を発表したベルナール・ブリュンヌの名から名づけられている。ただし、この期間について、証拠となった地層は、千葉県市原市田淵の養老川沿いの崖面(千葉セクション)とイタリアのモンテルバーノ・イオニコとヴィラ・デ・マルシェに存在する。昨年の2017年11月に国際地質科学連合の専門部会のメンバーによる1次審査の投票が実施され、日本が60%以上の票を集め、競合相手であるイタリアの2カ所を上回った。今年2018年に3段階の審査を経て正式に決定すれば「千葉時代」=チバニアン(ラテン語で千葉時代という意味)の名前がつく。話が長くなったが、第四紀の氷河期は、地質学的には、「更新世(258万年前から)」と現在に続く「完新世(1万1600年前から)」に区分されるが、この「更新世」はさらに「ジェラシアン」「カラブリアン」「中期=77万年前から12万6000年前」「後期」と区分されている。この地質時代の名称が「中期」から「チバニアン」に世界的に統一されることになる。
気候変動にある程度規則性があれば、予測できるようになるが、様々な要因で激変する地球の気候は予測不能だ。地球温暖化と言いながらも、私は寒冷化が心配だ。過去の地球史から、温暖化には限度があり、一方、一度寒冷化すれば、なかなか温暖になりにくいメカニズムがあるようだ。
現代のエネルギー資源とテクノロジーに感謝!
雪国に住んでる人々は、降り続く雪に氷期を体感する時間がある。これ以上降ったらどうなるの?と本気で心配になることがある。
電気があってよかった!!!と思う。暖房があるということは、素晴らしいことだ。もし、暖房がなければ、多くの人が命を奪われることになる。
暗い夜道を照らすイルミネーション。歩道も、車道と同じく、歩道用の除雪車が出動して、道を確保する。日常生活に支障のないようにする。ありがたい。
一度寒冷化になると、大きな地殻変動等の要因がなければ、なかなか温暖に戻らないようだが、この最後の氷期の時代に人類の祖先がすでに誕生して、生きていることになる。間氷期は1万1600年前からだが、現生人類は20万年前には出現している。
毎年2月に、町内の方々と近くの温泉に行くことにしている。雪を見ながら露天風呂に入っている。地球の歴史を考えてみると、恐ろしいことをしていると思えてくる。
参考
BLUE BACKS 人類と気候の10万年史 中川毅著
日本第四紀学会サイト
日本地質学会サイト
電子版日経新聞
ブリタニカ国際大百科事典