2023年7月10日(月)夜に降った雨も朝から上がり、くもり空の一日となる。気温が急上昇し蒸し暑いことこの上なかった。
認知症のカテゴリー の中でアルツハイマー病についてさぐっているけど、炎症の面から探ってみる。これは脳の血管に関係する。
まず、アミロイドβの結晶ができてくるとミクログリア細胞が結晶を取り囲み、炎症性サイトカインが作られる。
この多くのミクログリアの細胞内にはIL(インターロイキン)ー1が存在していることが発見されていて炎症状態にあることが証明されている。
実際にこの炎症性サイトカインが血中で増加しているアルツハイマー型患者の認知機能は、炎症が認められない患者に比べてはるかに認知機能の低下が認められている。
そこで、抗炎症剤を用いた臨床治験も現在進行中となっている。
脳には血管が密集している。脳の血流量は体全体の15%程度ある。細かい毛細血管も網の目のように張り巡らされている。
認知機能が低下している患者の血管を調べてみると、毛細血管が切れていたり血流が悪くなっていたりする。
これでは、脳の神経細胞に酸素や栄養を運ぶことができなくなる。そして、血管の壁にアミロイドβが溜まってくる。若い人でもアミロイドβが作られるけど、うまく排出されるから疾病にならない。
血管の中や血管の壁の中でもアミロイドβが排出されるようになっていることが発見されている。
ところが老化で血管の壁が硬くなり収縮しなくなると、ここに流れるはずのアミロイドβが流れずに溜まっていくことも明らかになっている。
高齢者も歳だから仕方がないとあきらめずに、血管がいつまでもしなやかに動くように努力しないといけない。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、不眠症にならないように気を付けることが大切だ。アミロイドβは睡眠中に流れ出るようだから、質の良い睡眠も大切だ。
現在、超音波で脳の血管を刺激して血管を修復する研究もされている。「低出力パルス波超音波(LIPUS)」という。これも治験中でもうすぐ第3段階に入るらしい。
参考