2021年7月16日(金)晴れ 暑い。30℃。
マルトリートメント
この言葉は1980年代からアメリカなどで広まった表現です。日本語では「不適切な養育」と訳されています。
具体的には、体罰・暴言・無視・夫婦げんかなどですが、子どもの健全な発育を妨げます。さらにエスカレートすると虐待になります。
過酷な育児を夫婦二人きりで行うと決めたなら、覚悟がいります。子供を育てることを簡単に考えていたら、間違いが起きます。
脳が深刻なダメージを受ける!
赤ちゃんから10歳ころまでに、人間の体はまず脳を飛躍的に発達させる大切な期間なので、環境要因に大きな影響を受けやすい。
不適切な養育が脳にどんなダメージを与えるのか?CTで検証したそうだ。
例:体罰
前頭前野に19%の萎縮があった。この部分は、犯罪抑制力にかかわる箇所とされ、うつ病や気分障害にもつながる。
神経ネットワークがうまく形成できず、不要になった神経ネットワークもうまく整理できなくなる。
例:暴言
聴覚野の一部が14%肥大していた。
聴覚野は耳の近くにあり、言葉の理解力が弱くなる。コミュニケーションにかかわる部分なので対人関係に支障が出る。
幼少期のつらい経験が、その後も何度もよみがえり脳が深刻なダメージを受ける。
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赤ちゃんをやさしく見つめてあげることは大切な親の行為なのだが、最近はスマホばかり見て赤ちゃんを見ない親が増えてるそうだ。
不適切な養育=マルトリートメントに共通して言えることは、愛情障害になるということ。感情が不安定になる。安心を感じることなく育つことになるからだ。
親の愛情とともに居ることは、子供が安心して探検にでかけていくことができるということ。ちょっと危険を冒していろんな体験をして成長できるということ。
脳がダメージを受けるということ
脳の免疫細胞にミクログリアがある。当然、敵の侵入を食い止め脳を守る。そして、神経ネットワークの修復も行ってくれる。
しかし、不適切な養育により、強いストレスがミクログリアの過剰な活性化を引き起こし、炎症性サイトカインを放出し、正常な細胞まで攻撃するようになる。 様々な精神疾患につながる。
一度傷を負った脳を、もとに戻すことは容易ではない。子供の目をちゃんと見て、たっぷりの愛情をそそぎ、抱きしめてあげてほしい。
爺さんばあさんにもできるぞ!