kira kiraな☆しあわせ ~多発性海綿状血管奇形・心因性非てんかん性発作(PNES)と共に~

病気があるからこそ今いる私。楽しいことも悲しいことも、すべてがkira kiraの思い出になると信じて‥☆

入院日記 その2

2006-02-28 19:20:13 | 病気と障害と私の生活
~入院7日目~

リハビリを午前と午後の2回にしてくれた。PTのお姉さんが「午前中も来ていいよどうせいつも部屋から出ないで閉じこもっているんでしょう??」と言ってくれたので・・
・・そうなのか、歩行器を拒否したと思ったらその日の夕方の回診には発言を撤回して、もっと歩きたいと言ってみたり、先生とPTのお姉さんが考えてくれたのかな・・と思う。

送り迎えをしてくれるスタッフの方とも、往復するエレベーターの中でお話ができたので、部屋から出るし誰かと会話ができるし、本当にとても楽しみな時間が増えた 学校の話をしたり、夏に行った実習の話をしたり、家族の話をしたり、音楽の話をしたり、昨日のテレビの話をしたり・・友だちと話すようなことを話してくれる相手がいるのは嬉しかったです  

だけど、リハビリの時間は自分と向きあう機会でもあった。
「歩行器」をかたくなに拒否した私。その気持ちがなかなか自分でわからなかった・・。
「使ってみる??」という提案を、とにかく拒否!
それを使うことで、病棟に戻ってもナースコールしないで一人で動けるし、中庭にお散歩行ったり、ちょっと雑誌買いに行ったりとかできるし・・
それはとてもいいことなのに、望んでいることなのに・・。でも嫌だった

「ずっと使うわけじゃないよ。怪我をした人も一時的に杖を使ったりするよね?それと同じことなんだよ
言われてることは分かるんだけど、自分の中でちゃんと理解できない
外来で、杖歩行をしている人を見ていて「私も・・なることがあるのかなぁ・・?」と何となく考えたことがありました。そう考えると悲しくなった。そういう人を否定するわけではなくて、自分がそうなることが怖かった・・。誰だってそうなることを望んでなんかいないけど・・。
だから、歩行器や杖を使うと、自分が恐れていたことが現実になってしまう・・。たとえ一時的であっても、私にはとても受け容れがたいことでした。

福祉を勉強してるクセにそんな考え(歩行器なんて使えない!!)をしてること、今の自分の状況を受け容れようとしていないのはよくわかること、いろんなことで歩行器を使えない自分がすごくすごく嫌だった。

自分の前に立ちはだかるモノ・・。それにどうしていいか分からなくなるから苦しい。
でもそういうことがないと自分とは向き合わないから・・いい機会なんだろう

後々、友だちの力を借りて「なるほど・・☆」と思ったこと。
歩行器や杖というものは、そのときの状態の自分を嫌でも知ることになる・気づかされるもの。だから、それが分かるから逃げたくなるのでは??
というような話だった。車椅子を押してもらうのはいいけど自分で操作できなかったように・・。
もともと恐れを抱いていたような、「こういう状態」である自分を自分と認められなかったし、そんな自分から逃げたい表れだったのかなと思います。


この日は、午後のリハビリが終わってから母と売店にお買い物
お菓子大好きな私がお菓子を食べないなんて、その方が「病気」っていうくらい!! 毎日、学校や家にいるときは、欠かさず間食をしていたから(笑)
冷蔵庫に入れてるチョコレートを、朝出るキライな牛乳のあとに食べるくらいで、同室の糖尿病のおばさんに悪いから控えてたけど、チョコレートがなくなってごはんしか食べれないのはイライラ・・

検査に必要な物を買いに行くついでに、お菓子を買って母とお茶をすることにした
母が来る日はそれができるから楽しみ

なのに・・ ルンルンお買い物から戻ったところで先生につかまってしまった。忙しいからねつかまえてもらわないと、こちらからじゃ全然つかまらないから良かったよ
検査説明に呼び止められ、「あぁ・・アイスが溶ける

パパッと紙に絵をかいて細かく説明してくれて・・
でもその絵が私の笑いのツボにはまる一歩手前くらいの絵で・・危うく笑うとこ
血管造影のことも、少し話してくれたガンマナイフ治療のことも、とてもよく理解できました 
分かりやすく話してくれたから、特に何も疑問が沸かなかったけど。「(検査のときカテーテルを入れるのが)たぶん脚から・・」と言われて、腕からと脚から、何が違うの?と思ったけど、まぁいいかどっちでもと思っちゃって、退院してからNsの友だちの家で見た教科書だったか、何かで見て知った。
薬の量も被爆量も多いと・・・
だから「あ!?」と思ったときに聞けばよかったのに。聞いて何か変わるものでもないけど・・。

「痛いのは麻酔をするときだけ」そう聞いたし、あと私がすることなんて何もないわけだから、ラクだなぁ~って、心配している親ほど何も考えていなかった。「楽観的」って私のこと言うんだと・・あとで思う。

「検査の前に来た方がいいのかなぁ」とか、
えったかがこれくらいのことで??と思っちゃうけど、親とはそういうものなのでしょうか・・。
「行ってらっしゃーいって見送れるだけですよ」
と先生に言われて、納得したようです。

夜は「眠れなかったら薬出せるからね」と言われたけど、そんなものとは無縁なくらい、ぐぅぐぅ寝ました笑 ホントにのん気です・・



~入院8日目~

朝食は半分。薬を飲む水も少しだけ。
それで午前のリハビリに行ったら・・相当おなかがすいた

リハビリの途中で、水色エプロンNsが「今すぐじゃないとダメなんだってーごめんね」と採血に来た。すごく急いでて、わざわざ来てもらっちゃって悪いなぁ・・と思いつつ、これ以上おなかがすいた身体から何も出ていってほしくないなぁ・・とも思ったり笑 
それくらい空腹だった 

早めに部屋に戻ったけど、ご飯が食べられないから、それはそれでヒマだしみんなのご飯のいい匂いでさらにつらい

検査着に着替え、「あれ?会ったことあったっけ??」と思う先生が点滴入れてくれて、2時半頃ハートピアスのNsと一緒にストレッチャーで出発

ピンク衣の検査室Ns、とても明るくて、とてもてきぱき
「音楽なにがいいかなぁ~??」と有線音楽を選んで、ちゃっちゃと準備をしていく。
えー それもこれももう脱いじゃうの
と、あっと言う間にタオルと布・・
到着したばっかりだけど、やだ。早く終わって帰りたい・・


消毒されて・・
「あ゛ぁそろそろくるー
頭は固定されて動かないし、脚の付け根のところで見えないし、麻酔をする瞬間がドキドキだった 声をかけられてから刺さるまでの間が怖い。ビビリ・・
痛くないわけないんだけど、やっぱり痛い
麻酔が効いてるかどうか確認されるのも、痛いような痛くないような・・?
カテーテルを入れるときに痛かったら怖いし。「痛い??」と聞かれて、よくわからいけどたぶん・・
「うーーん・・痛い・・(と思う)」みたいな返事をしていた。
それを察知したと思われる先生は何も聞かなくなりました
表情で判断したんだろうと思う。針を刺しても反応しなくなったんだろうなぁ・・。

確かに・・脚の付け根のところからカテーテルが入るのは痛くはないけど、気持ち悪い。経験したことない感覚が・・当たり前かぁ
 でも、だんだん室内の適度な暖かさに眠くなってきて、あんなに寝たのにこんなときでも眠いなんてどんだけだと突っ込みたくなる。
「起きてたほうがいいのかな?」と思いながら、ぼぉ~っとしていると、
「?!だ、大丈夫??」と放射線科の先生。
え??なんで?・・眠いだけなんだけど

とすかさず、「眠いんだよね(笑)寝ちゃっていいよ
さすが主治医☆ なんでこんなに、よくわかってるんだろう・・
 そんな嬉しいこと言ってくれるから じゃぁ、お言葉に甘えます
と思ったけど。造影剤が入ったところから地獄でした。

朝の回診のときに、ステキ声の先生に「検査がんばってね」と言われて、「??私は何をがんばればいいのかしら??」と疑問だったけど、とにかく耐えるのに必死

「造影剤を入れるときに熱く感じるかもしれないけど・・」
をちょっと甘く考えてた。「温かい」じゃなくて、「熱い」って言ったとおり。
今まで経験した造影剤の温かさと桁違いって感じだった
熱いと言うより痛くて、撮影の間は場所によってホント焼かれるかと思った 敷いてあった布(紙)をぐしゃって掴んで我慢(この「熱い」の感じ方は、薬の浸透圧がどうとかで、かなり個人差があるみたいです・・)

あの明るいてきぱきNsは、「つらかったら途中で先生に言っていいんだよ」と言ってたけど、いつかやらないと終わらないし、途中でやめたら痛い思いをして入れた薬がもったいない!!とか考えてて、これは言えないと思いました。

そう思いながらも、「ごめんねもう少しがんばれるね」と放射線科の先生がさらに追加で用意した薬を入れる時は、「もう追加とかいいから・・やめて」って・・思った

悲しいとか悔しいとかではよく泣くけど・・こういう痛い!っていうので泣いたのは久ぁ~しぶりじゃないかな 涙がボロボロ出てきて、終わった時には、握ってた布はビリビリに破けてた


止血してもらっている間、先生がたくさん話をふってくれました
学校で勉強していること、将来なりたいMSWのこと・・。
苦手だった先生が、私にとって近い存在に感じられるようになって、好きな先生に変わっていきました。


また、このとき病院のソーシャルワークについてを話してくれて、とても考えさせられました。

病院のソーシャルワーカーは、たった数人で何百人もの相談を受けなければならない。もちろん、病院を利用しているすべての患者さんがソーシャルワーカーを必要としているわけではないけど、人数だけで単純に考えたらそういうこと。
困っている人の問題というのは、お金がなくて解決できないことは多い。例えば生活保護を受給している方とか。そうじゃなくても、入院すると医療費は高額になるから、その間の家計だってきっと困ってる人は多いはず。施設に移るとしても、お金を払えばすぐ入れる施設なら、どんどん出来ている・・。
だから、お金持ちならあっという間に、お金で解決できてしまうようなことが、解決できない人はたくさんいて、そういう問題はたくさんあるということ。
それを、どうやって解決しようか。ソーシャルワーカーはいつもいろんなとこに飛び回ってでも考える。そして、医者の悪口を言いたい人とか、苦情係みたいな役割も大きいんだそう。


これを聞いて、「大変だなぁ」と言うよりは、「やっぱりもっと必要な存在なんじゃないか」という想いを強く持ちました
(MSWに対する想いは「医療ソーシャルワーカーになりたい」へ!!)

病院のソーシャルワーカーの話というのは、入院中、PTのお姉さんからも病棟Nsからも、送り迎えしてくれるリハビリ助手の方からも聞いていて、MSWがかかわっている場面を部屋でこっそり聞いてたりもして(笑)
小学生のころの通院暦も入れれば13/21年、病院を利用する中で考えたり感じることがいっぱいあって・・。 
私がこの職業に興味を持ち、「こんなMSWに・・」と空想し、それを目指そうとするのは全部、こんな病院での体験があったからこそです。


検査が終わるくらいの時間に、友だちが来てくれることになっていました もしこの検査で異常がみつからなければ次の日に退院するという話もあったし、病院まで近くないし、検査の後は4時間ベッドで安静だし・・ 来てもらうのは申し訳なかったけど、それでも友だちは「今日会いたいんだからいいの」「逆に、急にごめんね」と言ってくれた。すごくすごく嬉しかった私は毎日、友だちに会いたいから早く学校に行きたいと思っていた。
こんな友だちがいることを、本当に心からしあわせだと思った
やさしい友だち・・

ゆきだるまのキャンドルを持って来てくれた友だちと、りんごを持って来てくれた友だち☆ 2人が隣りにいるということだけで、ニヤニヤしちゃう
さっきの検査がつらかったことなんかどこかに飛んで行ってた
同室の方には悪かったけど、くだらないことでもいっぱい笑った!!
その日の夕飯のうどんを見て、「今日のごはん、フォー??」て言ったボケボケな友だち、手紙を書いてきてくれた友だち。
一緒に過ごしたあの数時間は、さっきまで泣いてた私に友だちがくれた、大切な時間でした 
ありがとう☆の気持ちでいっぱい

とにかく動けないので、夕飯を食べるのにしっくりくるようにセットしてもらうところまで友だちに付き合ってもらって・・
7時ごろにバイバイ すっかり長居させてしまった

2人が帰った後、左手の微妙な位置に点滴が入っていて痛くて器が持てないのと、脚を動かせないから、ベッドの角度を変えても枕を腰に入れても、つらい体勢だったのと・・そのせいで、食べたいけどごはんが食べられない
それでもがんばったんだけど
回診に来た先生が「あれごはん食べないの」と
まさかぁ!!やっと、この日まともなごはんにありつけたんだからでも結局、そんなくらいしか食べられないで終わってしまいました

本題は、この検査で異常が見つからなければ退院と言われていて、異常は見つからなかったけど、でも「どうしたい?」ということ。
 ここではPTの先生がついてくれるけど、家に帰ってどうしたらいいの?と思ったり、すごく行きたいけど、まだちゃんと歩けないのに遠い学校に行けるか不安だったり、もう少しここでリハビリをしてから帰りたい・・と思いました。
それを伝えると、この気持ちを酌んでくれて、週末は病院にいてもすることがないから外泊、週が明けたら戻ってくることになりました
私の気持ちを酌んでくれた先生に、とても感謝です

・・と言うのも、私も社会福祉を勉強しているので、「病院の機能」というものを考えていました。この病院は急性期の病院。「リハビリをするための」病院ではないのです。
だから、「リハビリをしたい」なら、どこか別のそういう機能の医療機関に移るもの。そうじゃないと、本当に急性期の病院でしかできないような医療を必要としている人が困ってしまうから。
だけど、慣れた病院、お医者さんや看護師さん、リハビリの先生・・
そこを離れて、またすべてが「はじめまして」になるのは、私は嫌だった。
初めての場所、人・・。慣れなくちゃいけないし、ここが好きだから比べてしまいそう・・・

転院せざるを得ないときって、こんな気持ちなのかなぁ・・。
居られないという病院側の言い分と、ここに居たい。でも・・という自分のいろんな気持ちに挟まれるのかな??



~入院9日目~

外泊に向けてのリハビリ
電車で帰るので、階段を昇ったり降りたり。
ちゃんと外に出られるように(笑)中庭を歩いてみたり
「家で出来たこと、出来なかったことをこっそり左手で書いてくる
それが外泊の宿題

お昼ごはんは病院で食べて、母と帰り支度
ハートピアスNsが、外泊中の薬を丁寧に小さく切った封筒に分けて入れておいてくれたのを受け取って、スタッフステーションにいた顔見知りのNsに見送ってもらって、1週間ぶりに帰宅
いつもうんざりするほど乗ってるのに、電車もワクワク 「家に帰って何しよう??」って楽しみでした。











2 Comments

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えーっと (腐乱)
2006-03-05 23:33:57
日記をある程度見返して、正直最初は少々驚きましたw

只ですね、普通の人が経験できない事をしているので、それは貴女にとって大いなる強みかと思われます。

色々な意味で、希有なMSWさんになれると良いですね。

さー週明けだ。。。。。。。。。日記にもある様に、今週何人と話すんだろーww

鬱だ、鬱w
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書き込みありがとうございます☆ (kira)
2006-03-08 01:45:50
腐乱さんへ☆



>普通の人が経験できない事をしているので・・



そう思ってがんばります!!

ただ、MSWという仕事に就いたときに、客観性が持てなくなってしまわないよう、そんなふうに相手とかかわらないように・・ これからも自分と向き合っていくことを続けなくちゃと思います







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