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whitebleach's diary

旅と写真に憧れつつ

記憶が彷徨う道

2013-05-26 10:25:04 | 散歩

駅の南北を繋ぐ地下道。

路面はタイル、壁面は化粧板に覆われた小ぎれいな姿で、道行く人々もきっとそれが当たり前と思っているだろう。

子供の頃、左側の壁際にはいつも白装束の傷痍軍人が二人座って、一人はアコーディオンを弾き、一人はハーモニカを吹いていた。

いつの間にか、傷痍軍人はいなくなり、その前を通る私の手を引いていた祖母も他界し、駅向こうのデパートからは大食堂や屋上遊園地が消え、駅のこちら側のスロープには手すりが取り付けられていた。

時は倦まずに流れ、人の記憶はいよいよ刹那的・属人的になる。

現在の前に、現在に繋がるどのような時代があり、それがどのような光景であったか、それを記憶しているのはもう、人よりも街でしかないのかもしれない。



<写真をクリックすると拡大します>


@Fujisawa, Japan

Ricoh GR Lens f=5.9mm 1:2.4, Ricoh GR Digital II (2007)

素晴らしき休日

2013-04-28 13:07:08 | 散歩


連休初日。
天気も良く、新たに調達したニュー散歩カメラを持って試し撮り…の筈だった。

が、知人の子供とその友達を連れて上野にパンダを見に行く羽目になり、「えーい、どうせパンダは白黒でい!」と半ば自棄にモノクロフィルムを詰めて件のカメラも持ち出したものの、子供達のアテンドでとても撮影どころではなく(彼女らはiPhoneで好き勝手に撮りまくっていたが)、結局一枚も撮れなかったうえ、夕飯に特選黒豚とんかつ定食まで食べさせて、親元に送り届けて一日が終わった。

ところでこの定食、たかだかトンカツの分際で破廉恥に高く、入る店を間違えたと言えばそれまでだが、一人前で件のニュー散歩カメラが3台買える計算になる。それが都合3人分。ニュー散歩カメラ9台分(笑)。

まことに素晴らしい一日であった。ヽ(`Д´)ノ ウワアアアン!!


というわけで、写真は今回の連休とは関係なく、かつて戦前の二眼レフを近所に持ち出して試した時のもの。
75年以上前のカメラとは思えない写りにも驚いたが、古いカメラで現代を撮る場合、どこかに懐かしさを感じる風景を選ぶ無意識が働いているように思った。





@Fujisawa, Japan

Carl Zeiss Jena Triotar 1:3.5 f=7.5cm, Rolleicord II (1937)