whitebleach's diary

旅と写真に憧れつつ

素晴らしき休日

2013-04-28 13:07:08 | 散歩


連休初日。
天気も良く、新たに調達したニュー散歩カメラを持って試し撮り…の筈だった。

が、知人の子供とその友達を連れて上野にパンダを見に行く羽目になり、「えーい、どうせパンダは白黒でい!」と半ば自棄にモノクロフィルムを詰めて件のカメラも持ち出したものの、子供達のアテンドでとても撮影どころではなく(彼女らはiPhoneで好き勝手に撮りまくっていたが)、結局一枚も撮れなかったうえ、夕飯に特選黒豚とんかつ定食まで食べさせて、親元に送り届けて一日が終わった。

ところでこの定食、たかだかトンカツの分際で破廉恥に高く、入る店を間違えたと言えばそれまでだが、一人前で件のニュー散歩カメラが3台買える計算になる。それが都合3人分。ニュー散歩カメラ9台分(笑)。

まことに素晴らしい一日であった。ヽ(`Д´)ノ ウワアアアン!!


というわけで、写真は今回の連休とは関係なく、かつて戦前の二眼レフを近所に持ち出して試した時のもの。
75年以上前のカメラとは思えない写りにも驚いたが、古いカメラで現代を撮る場合、どこかに懐かしさを感じる風景を選ぶ無意識が働いているように思った。





@Fujisawa, Japan

Carl Zeiss Jena Triotar 1:3.5 f=7.5cm, Rolleicord II (1937)

営みのスケール

2013-04-21 14:48:57 | 旅行


人の営みの、何と小さいことか。

土地がどうの、島がどうの、聖なる岩やら山やらがどうの。

先人が血を流して引いた線が、この風景のどこかに残っているとでも言うのか。


@Petra, Jordan

Mamiya G 1:4 f=50mmL (1989), New Mamiya 6 MF

現代は常に現代

2013-04-21 13:08:21 | 旅行


息を切らせて登った崖の上に、民族服の男性がいた。

断崖の踊り場のように作られた磨崖墓を見ようとここまで登ってくる観光客を相手に、彼は地面に布一枚を広げ、小さな土産物を並べていた。

崖の下の土産物屋の連中と異なり客引きらしいこともせず、雄大な見晴らしのなか、暇そうに、つまらなそうに、きっと今日も昨日と変わらない時間を潰し、明日もまた今日と変わらない時間を潰すのであろうと思われるような動きで、踊り場のこちらからあちらへ行って佇み、またあちらからこちらに戻っては佇んでいた。

ひとしきり往還を繰り返し、動物園の熊あたりであれば退屈して寝に入るであろう頃、彼は断崖の縁に移動し、やおら携帯電話で話し始めた。

悠久の時を超えた風景であっても、それもまた現代の風景なのであった。


@Petra, Jordan

Mamiya G 1:4 f=50mmL (1989), New Mamiya 6 MF

旧市街の光景

2013-04-20 21:37:45 | 旅行


エルサレム旧市街・ムスリム地区のメインストリート。
軍が警察活動を行っているのだろうか、2人のイスラエル軍人が、脇に立ち通りを眺めていた。
通行規制用のフェンスで小さく自らを囲うのは、アラブ世界との間に感覚的な「結界」を設け、不必要に存在感を意識させないようにするためだろうか。

旧市街を含む東エルサレムは、イスラエルが「実効支配」しているに過ぎないのであり、不安定な安定下にあることを感じた。


@Jerusalem, Israel/Palestine

Mamiya G 1:4 f=50mmL (1989), New Mamiya 6 MF

陰鬱な男達

2013-04-20 20:30:41 | 旅行


旧市街の路地にあったマクハー(=カフェ)で休んだ。

入る時にちょっと逡巡したのだが、とにかく暗い。
採光のこともあるけれど、人がどうにも明るくない。

知り合い同士で話している様子もあまりなく、どちらかというと、やることながくて手持ち無沙汰のあまり来てしまった、うらぶれた男達の溜り場という感じ。

これまでに訪ねたよその街、よその国では、開けたところではカップルや女性同士でシーシャ(水タバコ)とお茶と会話を楽しんでいたり、田舎では男性客オンリーになることが多くても、そこは地域の社交場のように会話がなされ、通りがかりの旅行者にも話しかけてきたりすることが多かった。
百歩譲って、水タバコを加えたまま微動だにせず、生きているのか死んでいるのと眺めていると、しばらく経って煙を吐いて、やっと生きていることが証明されるような、そんなお年寄りの日中の居場所のようになっている場所でも、その表情は些か哲学的な趣こそあれ、暗さを感じさせるようなものではなかった。

ミントティーとともに出てきた水タバコも、「タンバック」などと呼ばれる素のままのキツいタバコの葉に炭火を直接乗せたもので、普段喫煙しない身には、水を通してもクラクラする。
周囲の客を見回しても皆同じものを吸っており、どうやら他のカフェでは普通置いている、フレーバーのついた葉はないらしい。

顔をしかめてすぐに席を立つのも癪なので、我慢して他人並みのところまで吸ったら、店を出る頃にはフラフラと足取りがおぼつかなくなっており、どこかでフレッシュジュースでも飲んで休みたいと思っても既にミントティーでお腹はタポタポ、明るさに欠ける街を明るさに欠ける表情で、ゆっくりと歩くしかなかった。


@Jerusalem, Israel/Palestine

Mamiya G 1:4 f=50mmL (1989), New Mamiya 6 MF