思うようには、いかないもんだな・・・(PRIDE)
もう何日さまよい続けただろう。
毎夜毎夜のことで、頭がおかしくなりそうだ。
いったい何が起きているのか、記憶が途切れ途切れで自分が誰なのかさえ曖昧になってきた。
俺は、どこに向かおうとしていたのか、それさえも今は定かではない。
夢に出てくる情景は、日ごとに鮮明にまるで映画を観ているような錯覚にさえ思える。
それよりも、あの悲しい声が耳から離れない。
足に鉛でも巻き付いているのか、自分の足に鎖が繋がれているかのごとく重い。
今日も太陽が、異常なまでも照りつける。
昼間でも幻聴が聴こえてくるようになってきた。
それにしても、不思議なことが身の周りに起きているのは何故だ。
俺は、ろくに学校にも行っていないのに。
あまりの暑さに国立図書館へ逃げ込んだところ、耳鳴りと共に夢にも出てくる囁くような声が、耳ではなく脳に直接訴える。
そのあとの記憶がない。
ただ、図書館をあとにした時、見たこともない外国の文字なのにその意味が理解できた。
それに見たことも無い蜂の巣のような原子記号の配列さえ、その意味を読み解けた。
俺は、暑さのせいで幻覚や幻聴まで・・脳が侵されてるんだろうか。
また昨日も歩いた道のりを歩き、古びたアパートに夜明け前に辿り着く。
ギシギシと不調和音を奏でる階段を一歩、また一歩と昇ることに何の意味があるのだろう。
探しているモノさえ定かではないのに、何をここまで突き動かすのか。
自分を動かす原動力が、夢の中の霧に包まれたままだと言う事に疑問すら湧かなくなっている。
思うようには、いかないもんだな・・・・。
呟きながら重い足を引きずり3階までの階段を昇った。
部屋のドアには、昨日の新聞が、無造作に差し込まれていた。
新聞なんか読む気にもなれない。
ドアノブに伸ばした手で、ついでに新聞を引き抜いた。
何かが落ちた。
ピンクの花柄の封筒だった。
それを拾い上げて、部屋に入ると、そのまま安物のシングルベットに背中から倒れこんだ。
ギシギシと嫌な音だが、今はもうどうでもいい。
眠るとまた悪夢が俺を襲い支配するのは解っていても逆らうことも出来ないまでの疲労に勝てなかった。
―――助けて・・・私は・・・ここよ――
―――眩しい光が糸のように差し込む――
―――光の陰にマリアか天使が囁く―――
―――さよなら・・さよなら―――
夢から覚めると、涙で瞼が重い。
ふと我に返り、ピンクの封筒を見た。
差出人が、書かれていないピンクの封筒を開封した。
「助けて、私を見つけて・・」
見覚えのない文字。
そして、小さなハート型があしらわれた鍵。
それを見た途端、強烈な頭痛に見舞われた。
頭の奥で、共鳴する声。
―――助けて・・・私は・・・ここよ――
少女が、助けを求めている。
夢に出てくる少女。
手紙の主は、この少女と間違いようのない心が安らぐような声。
頭をカミナリが直撃したような電流が走った。
俺は、知らぬはずの名前を呼んでいた。
―――今いく! イブ !―――
―――助けて・・アダム・私はここよ――
これは幻聴や幻覚なんかじゃない!
テレパシーというものなのか・・・。
すでに軍用車両と軍のヘリがアパートを包囲していた。
※これは、楽曲と無関係のストーリーになっています。
そして、僕らは・・・。(On Your Mark)へ続く・・・。
スピンオフ番外編
もう何日さまよい続けただろう。
毎夜毎夜のことで、頭がおかしくなりそうだ。
いったい何が起きているのか、記憶が途切れ途切れで自分が誰なのかさえ曖昧になってきた。
俺は、どこに向かおうとしていたのか、それさえも今は定かではない。
夢に出てくる情景は、日ごとに鮮明にまるで映画を観ているような錯覚にさえ思える。
それよりも、あの悲しい声が耳から離れない。
足に鉛でも巻き付いているのか、自分の足に鎖が繋がれているかのごとく重い。
今日も太陽が、異常なまでも照りつける。
昼間でも幻聴が聴こえてくるようになってきた。
それにしても、不思議なことが身の周りに起きているのは何故だ。
俺は、ろくに学校にも行っていないのに。
あまりの暑さに国立図書館へ逃げ込んだところ、耳鳴りと共に夢にも出てくる囁くような声が、耳ではなく脳に直接訴える。
そのあとの記憶がない。
ただ、図書館をあとにした時、見たこともない外国の文字なのにその意味が理解できた。
それに見たことも無い蜂の巣のような原子記号の配列さえ、その意味を読み解けた。
俺は、暑さのせいで幻覚や幻聴まで・・脳が侵されてるんだろうか。
また昨日も歩いた道のりを歩き、古びたアパートに夜明け前に辿り着く。
ギシギシと不調和音を奏でる階段を一歩、また一歩と昇ることに何の意味があるのだろう。
探しているモノさえ定かではないのに、何をここまで突き動かすのか。
自分を動かす原動力が、夢の中の霧に包まれたままだと言う事に疑問すら湧かなくなっている。
思うようには、いかないもんだな・・・・。
呟きながら重い足を引きずり3階までの階段を昇った。
部屋のドアには、昨日の新聞が、無造作に差し込まれていた。
新聞なんか読む気にもなれない。
ドアノブに伸ばした手で、ついでに新聞を引き抜いた。
何かが落ちた。
ピンクの花柄の封筒だった。
それを拾い上げて、部屋に入ると、そのまま安物のシングルベットに背中から倒れこんだ。
ギシギシと嫌な音だが、今はもうどうでもいい。
眠るとまた悪夢が俺を襲い支配するのは解っていても逆らうことも出来ないまでの疲労に勝てなかった。
―――助けて・・・私は・・・ここよ――
―――眩しい光が糸のように差し込む――
―――光の陰にマリアか天使が囁く―――
―――さよなら・・さよなら―――
夢から覚めると、涙で瞼が重い。
ふと我に返り、ピンクの封筒を見た。
差出人が、書かれていないピンクの封筒を開封した。
「助けて、私を見つけて・・」
見覚えのない文字。
そして、小さなハート型があしらわれた鍵。
それを見た途端、強烈な頭痛に見舞われた。
頭の奥で、共鳴する声。
―――助けて・・・私は・・・ここよ――
少女が、助けを求めている。
夢に出てくる少女。
手紙の主は、この少女と間違いようのない心が安らぐような声。
頭をカミナリが直撃したような電流が走った。
俺は、知らぬはずの名前を呼んでいた。
―――今いく! イブ !―――
―――助けて・・アダム・私はここよ――
これは幻聴や幻覚なんかじゃない!
テレパシーというものなのか・・・。
すでに軍用車両と軍のヘリがアパートを包囲していた。
※これは、楽曲と無関係のストーリーになっています。
そして、僕らは・・・。(On Your Mark)へ続く・・・。
スピンオフ番外編