国家機密研究室の地下では奇跡の少女を実験用モルモットとして、放射線抗体のメカニズムを解明し、抗体ワクチンを開発するのに躍起だった。
研究者は、検体の通称「エンジェル」を解剖して徹底的に解明する意見が多数を占めているが、ただ一人、白い割烹着に身を包むハルだけが反対だった。
研究者が、白衣を着る中で、割烹着は彼女の先祖から代々受け継がれた生命への強い意志が伺える。
ハルは、放射能を体内で浄化し、除去する特異なDNAを持つ少女に特別な未来への光のコンパスのように思えてならなかった。
「かけがえのないあなた 皆にとって大切な人なの?」
問いかけても答えない。
生命への冒涜。
先祖も命を冒涜した汚名を背負い、数十年後にその功績が認められた。
だが、その汚名のまま名誉を聞くことなく命を絶っていた。
地上の未来の景色に追いついた、終わらない空。
その青い空を羽ばたく、少女の夢を何度も繰り返し何度も見た。
光の羅針盤でゆく明日は この胸に 何を標すだろう?
螺旋の軌道に憧れて 舞い上がる空から何が見えるのだろう。
それは、明るい未来へと通じる羅針盤だと信じたい。
やはり、脱水症状を起こしている。
抗生物質による治療と同じで、脱水症状の改善とは無関係なのか、Vibrio choleraeの菌体数を減らし、毒素産生を減らす。
点滴治療と組み合わせて使うことも実験した。
テトラサイクリン系抗生物質やクロラムフェニコールなど、考え付くことはすべて試した。
未知の領域であるテトラサイクリン系抗生物質及びクロラムフェニコールに対するVibrio choleraeの耐性株は分子生物学的にはまだ一株も確認されていない。
文献によれば、フェニックスは世界にたった一匹しか存在せず、いつもはアラビアに棲息しているとの伝説があるらしい。
全身は紫色と黄金に輝き、尾は青くて薔薇色の羽毛が混じっているという。
炎の中に身を投じ、灰になりその灰から新たなフェニックスに蘇生する。
不死鳥と呼ばれるのもそのせいだ。
フェニックスを実際に見たという記録もいくつか残っていて、タキトゥスは西暦34年、ティベリウス帝の時にフェニックスが現れたとの記述もある。
同じく博物学者のソリヌスもローマ建国800年にやはりこのフェニックスが出現したという記録を残こしてる。
そして、フェニックスは千年に1個、黄金に輝く卵を産むという。
その卵が孵化したものは誰も見たことも無く、実在するのかも伝説でしかない。
現在の抗体ワクチンは、ワクチン製造用のウイルスを「発育鶏卵」を孵化するまでの発育途上の状態の卵に接種して増殖させる。
そこに漿尿液(しょうにょうえき)から精製、濃縮したウイルスをエーテルで分解し、更にホルマリンで不活化したものだ。
しかし・・・これまで鶏卵から精製するのを今回に限り、黄金に光り輝くフェニックスの卵だというのだから・・・。
様々なフェニックスに関する伝説や記述をこの数日間で、読み漁ったが全てにおいて非科学的だ。
それよりも驚くのは、不死鳥なるものが実在していたことに驚きを隠せない。
どこからこのようなものを・・・。
一切機密事項として、ハルには培養を任されていた。
このエンジェルと呼ばれる少女に人体実験を繰り返して、辿り着いた最後の希望が、フェニックスの卵から精製したワクチンを奇跡の少女に接種することだ。
少女の体内で培養した血液を基に作り上げるという。
学会にどんな論文を書けば信じてもらえるのか笑い者になるのは、先祖も同じ体験をしたと祖母からも聞いていた。
少女の意識は戻っているが、一言も話そうとない。
驚くべきは、背中。
これが、秘密裏に行われている実験であることでなければ、世界中が注目するに違いない。
あらかじめ定められた運命に導かれているだけなのだろうかとさせ感じる。
でなければ、説明のつかない変化が起きている。
透き通る白い肌よりも白い羽が、まるで孵化した蝶のようにみるみる大きくなっている。
ハルは、何が正義なのか何もかも邪魔になる
愛すること以外は。
少女が、光り輝く未来へと導く羅針盤と信じて。

※これは、光の羅針盤の楽曲と無関係のストーリーになっています。
そして、僕らは・・・。(On Your Mark)へ続く・・・。
スピンオフ番外編(ハル・再生)
研究者は、検体の通称「エンジェル」を解剖して徹底的に解明する意見が多数を占めているが、ただ一人、白い割烹着に身を包むハルだけが反対だった。
研究者が、白衣を着る中で、割烹着は彼女の先祖から代々受け継がれた生命への強い意志が伺える。
ハルは、放射能を体内で浄化し、除去する特異なDNAを持つ少女に特別な未来への光のコンパスのように思えてならなかった。
「かけがえのないあなた 皆にとって大切な人なの?」
問いかけても答えない。
生命への冒涜。
先祖も命を冒涜した汚名を背負い、数十年後にその功績が認められた。
だが、その汚名のまま名誉を聞くことなく命を絶っていた。
地上の未来の景色に追いついた、終わらない空。
その青い空を羽ばたく、少女の夢を何度も繰り返し何度も見た。
光の羅針盤でゆく明日は この胸に 何を標すだろう?
螺旋の軌道に憧れて 舞い上がる空から何が見えるのだろう。
それは、明るい未来へと通じる羅針盤だと信じたい。
やはり、脱水症状を起こしている。
抗生物質による治療と同じで、脱水症状の改善とは無関係なのか、Vibrio choleraeの菌体数を減らし、毒素産生を減らす。
点滴治療と組み合わせて使うことも実験した。
テトラサイクリン系抗生物質やクロラムフェニコールなど、考え付くことはすべて試した。
未知の領域であるテトラサイクリン系抗生物質及びクロラムフェニコールに対するVibrio choleraeの耐性株は分子生物学的にはまだ一株も確認されていない。
文献によれば、フェニックスは世界にたった一匹しか存在せず、いつもはアラビアに棲息しているとの伝説があるらしい。
全身は紫色と黄金に輝き、尾は青くて薔薇色の羽毛が混じっているという。
炎の中に身を投じ、灰になりその灰から新たなフェニックスに蘇生する。
不死鳥と呼ばれるのもそのせいだ。
フェニックスを実際に見たという記録もいくつか残っていて、タキトゥスは西暦34年、ティベリウス帝の時にフェニックスが現れたとの記述もある。
同じく博物学者のソリヌスもローマ建国800年にやはりこのフェニックスが出現したという記録を残こしてる。
そして、フェニックスは千年に1個、黄金に輝く卵を産むという。
その卵が孵化したものは誰も見たことも無く、実在するのかも伝説でしかない。
現在の抗体ワクチンは、ワクチン製造用のウイルスを「発育鶏卵」を孵化するまでの発育途上の状態の卵に接種して増殖させる。
そこに漿尿液(しょうにょうえき)から精製、濃縮したウイルスをエーテルで分解し、更にホルマリンで不活化したものだ。
しかし・・・これまで鶏卵から精製するのを今回に限り、黄金に光り輝くフェニックスの卵だというのだから・・・。
様々なフェニックスに関する伝説や記述をこの数日間で、読み漁ったが全てにおいて非科学的だ。
それよりも驚くのは、不死鳥なるものが実在していたことに驚きを隠せない。
どこからこのようなものを・・・。
一切機密事項として、ハルには培養を任されていた。
このエンジェルと呼ばれる少女に人体実験を繰り返して、辿り着いた最後の希望が、フェニックスの卵から精製したワクチンを奇跡の少女に接種することだ。
少女の体内で培養した血液を基に作り上げるという。
学会にどんな論文を書けば信じてもらえるのか笑い者になるのは、先祖も同じ体験をしたと祖母からも聞いていた。
少女の意識は戻っているが、一言も話そうとない。
驚くべきは、背中。
これが、秘密裏に行われている実験であることでなければ、世界中が注目するに違いない。
あらかじめ定められた運命に導かれているだけなのだろうかとさせ感じる。
でなければ、説明のつかない変化が起きている。
透き通る白い肌よりも白い羽が、まるで孵化した蝶のようにみるみる大きくなっている。
ハルは、何が正義なのか何もかも邪魔になる
愛すること以外は。
少女が、光り輝く未来へと導く羅針盤と信じて。

※これは、光の羅針盤の楽曲と無関係のストーリーになっています。
そして、僕らは・・・。(On Your Mark)へ続く・・・。
スピンオフ番外編(ハル・再生)