AVGO1062.9us$ 24/1/11木BX120.07$ MCHP84.17$

米国株BX119.62us$ AVGO1065us$ MCHP84.06(24/1/10水:現在

24/11/8金11:51[153.25]EV電池発火10の疑問、TeslaのEVトラック消火に19万リットルの水

2024-11-08 11:51:40 | 米国株

EV電池発火10の疑問、TeslaのEVトラック消火に19万リットルの水久米 秀尚様記事抜粋<リチウムイオン電池はなぜ燃え、危険性をどう封じ込めばいいのか――。専門家に「10の疑問」をぶつける記事の後編

自動車メーカーの技術者や車載電池の品質・安全試験を手掛ける企業などに取材し、電池の安全性向上について整理する。電池業界に35年以上身を置く米24M TechnologiesでPresident&最高経営責任者(CEO)の太田直樹氏には、発火防止の要となる次世代セパレーターについて聞いた

Q6:燃えてしまったら?

 「熱暴走したらもう、手が付けられない」。こう話すのは、電気自動車(EV)用電池の開発を担当する日系自動車メーカーの技術者だ。前編でも説明したが、電池は短絡(ショート)すると発熱し、その発熱によって正極が熱分解される。すると、正極が蓄えていた酸素(O2)は放出され、燃焼を促進させてしまう。

 短絡を防ぐ根本的な方策は「Q9」「Q10」で解説するが、その前段階として燃えてしまった単体の電池セルの影響を抑え込むことが喫緊の課題となっている。

 熱伝播(でんぱ)をどう抑えるか――。発火した電池セルの熱をすぐ隣のセルに伝わらないようにするのは「相当難しい」(電池試験を手掛けるエスペックの執行役員兼テストコンサルティング本部長の渕田健二氏)。熱伝播を抑制する技術のニーズは高まっており、セル間に難燃性の発泡材料を充填したりセルの温度変化を緩やかにする蓄熱材を配置したりする提案がある。

 

Q7:消火技術は?

 基本的には「火が消えるまで待つしかない」(24Mの太田氏)。米Tesla(テスラ)のEVトラック「Semi」が高速道路で炎上した事故では、5万ガロン(約19万リットル)もの水を放水して消火した

米カリフォルニア州の高速道路で燃えた米Tesla(テスラ)のEVトラック「Semi」
米カリフォルニア州の高速道路で燃えた米Tesla(テスラ)のEVトラック「Semi」
2024年8月に道路からの逸脱事故を起こし、交通標識や木などに衝突した。この衝撃で電池から発火。消火には5万ガロン(約19万リットル)の水を使用したという。写真:NTSB)[画像のクリックで拡大表示]

強制的に消火するなら、O2を遮断することが必要になる。一案が、発火したEVをまるごとプールに沈めること。欧州などでは、水をためたコンテナにEVを漬ける方法が採用されている。研究所や試験場など閉鎖空間をつくれる場所では、「窒素(NO2)を充満させる方法がある」(エスペックテストコンサルティング本部試験部長の青木雄一氏)。ただ、液体窒素を噴霧するこのやり方はコストがかかる。

 より手軽な方法として、カナダFull Circle Lithium(FCL)はリチウムイオン電池の火災に向けた消火剤「FCL-X」を開発した。製品の外観は、見慣れた消化器そのもの。同社によると、EVメーカーが米ジョージア州に構える車両生産工場に導入されることが決まっているという。

 リチウムイオン電池の火災は、火が消えたからといって万事解決にはならない。電池内部に熱が残り、再燃する可能性があるからだ。EV用電池は気密性が高く、火災時に電池へ放水しても水はセルに到達していないのでセルを冷却できない。こうした点から、米UL Research Institutes(ULRI)は「電池の設計を見直して構造を変更すべきだ」(同社Electrochemical Safety Research Instituteでexecutive directorを務めるJudy Jeevarajan氏)と主張する。同氏が提案するのは、開閉可能なバルブを備えた電池パック。消火活動の際にはバルブを開け、電池セルに水を直接かけることを想定する。

Q8:韓国では規制の動きがあるが?

 結論から言えば、「根本解決にならない」(太田氏)。韓国では、電池の性能や材料を制限する動きがある

以下の記事は有料会員限定です



最新の画像もっと見る

コメントを投稿