節約の達人が「地元の信用金庫」あえて使う理由 年金は受給開始になったら即座にもらおう
2025/01/29 16:00林望様記事抜粋<
お金をおろすときは3万4千円」「クレジットカードは2枚だけ」「年金は受給開始になったら即座にもらう」――。
12万部超えのベストセラーとなった『節約の王道』の著者・林望さん。15年ぶりに上梓した『節約を楽しむ』では、林さんが日々実践している節約術が紹介されています。
その中身は、意外にも時代の流れに逆行するものが多くあります。林さんに、その真意を聞きました
年金は受給開始になったら即座にもらう
年金にしても、我々はいったいどのように運用されているのかわからない。自分のお金がいったいどこへ投資されているのかは知りようもない。そうしたことを考えても、年金について一番大事なことは、政府を信用しないということでありましょう。
たとえば、「65歳から貰えます。でも、それを70歳まで待つと支払額が多くなります」という、年金を受け取る時期を遅らせる「繰下げ受給」という制度。仮に70歳まで遅らせると、82歳近くなると生涯受給額が逆転するようになっていますね。
だから、できるだけ遅く貰い出すほど1か月に受給する金額は多くなるはずですが、そこでみなさん忘れているのは、自分が何歳まで生きられるかわからないということです。
それで、「75歳からにしておいて95歳まで受給すれば、1か月にこれだけ貰える」などは、捕らぬ狸の皮算用もいいところ。95歳まで生きる保証なんてありますか。年金は死んだら丸損なんですから。
私は以前まだ年金受給開始年齢が60歳だった頃、60歳になると同時に、即座に受給を開始しました。今75歳ですから、すでに15年分、それは1円も使わずにすべて近所の信用金庫に貯金しておいてあります。そうするとその間、私は着々と働いてきちんと自分の働いたお金で生活できていますから、その信用金庫の貯金は、まるまる残っています
こうして、ともかくちゃんと働いてお金を稼げる間は、年金には手を付けないでおけば、とても心強い老後資金になって溜っていきます。いずれにしても、何歳まで生きるか分からない以上、年金が受給できる年齢になったら、即座に貰ったほうがいいと私は思っています。
私は運用している政府を一切信用していませんから。年金はさっさと受け取って、すべては現金として手許に留保する、これが私のやりかたです。
支給された年金は地元の信用金庫へ
さて、支給された年金は一銭も使わず、地元の信用金庫に定期預金の形にして預けている、と申しました。なぜ銀行でなくて信用金庫かというと、信用金庫は地元でお金を回しているから、割合にお金の回り先が明白で、地元の商店や中小企業の資金として活用されます。それだけ世の為人の為という感じが、そこはかとなくするのです。
そして、手続きなどをしに信用金庫に出向くと、心ばかりですが、袋菓子などをくれたりと、サービスもどこか人間的です。あまり待たされることもありません。
こうして、自分に収入があるうちは全額貯金しておけば、80歳くらいまでには相当な金額になるわけです。
で、いよいよもうリタイアだとなったら、その20年間くらい貯めた年金と老後に備えておいた銀行預金、あるいは郵便貯金などを少しずつ取り崩して暮せば95歳まで安泰で暮らせます
地元の信用金庫は、だいたい住んでいるところから一番近い場所にあります。また、たとえば城南信用金庫のように、世のため人のためを標榜しているようなところもあるわけです。実際に行ってみた感じでは、やはり信用金庫のほうが親しみが持てて、銀行よりもずっと感じがいい。
こうして、65歳でなお生活可能な収入がある人は、受給を繰り下げるのではなく、その年金分を貯金に回す。そうすると着実に貯まっていく。それを投資に回そうなんて思わないことです。投資に回したとて、実際に儲けているのは投資会社で、出資者はそのほんのおこぼれをいただいているにすぎないのです。
いかに投資、NISAにすると何%の利回りがあるといっても、定期預金より多少ましというくらいなもの。元本が1億円くらいあればよいかもしれませんが、少額投資のチマチマした余得よりも、せいぜい節約して冗費を省く心がけのほうが上等確実です。
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