猫の額と思うほどの庭の草取りをした。10月としては異常なほどの暑さだったので汗をかいた。30度近くもあればそれも納得できる。
草取りをする本人はへばりぎみなのに、この雑草たちは背すじをシャキッと伸ばして立っている。
雑草を辞書でひくと「人間の意図にかかわらず自然に繁殖する植物」とある。どうやら雑草という名の草花はないらしい。正式な名称がそれぞれに付いているが、人はそれらをまとめて雑草と呼んでいる。
雑草と呼ぶものと花と呼ぶものの境界線は微妙で、ただ単に見かけだけでそう呼んで区別しているのだろうとも思ってしまう。
雑草にも命がある。この世に生まれてきて雑草という仮名が付いて、ほんとうの名前を呼ばれずに散っていくのはかわいそうかななどと思ってみた。
かやつり草やねこじゃらしなどの身を思ってみる。そしてたんぽぽはどうなのだろうかと案じながら考えてみる。
雑草と聞くと負のイメージを連想するのが一般的だが、雑草魂という言葉もある。
「雑草の歌」という美空ひばりさんの歌を思い浮かべてみた。
「季節の花(66)雑草という名の草花は存在しない」