ぷらっと自転車で何気に出かけてみた。小川のほとりの道路脇に、ススキの群を見つけた。毎年決まってこのあたりに顔をのぞかせるのはわかっていたのだが。
日本各地の山野で普通に見られる、耐寒性宿根草。8~10月頃、茎の先に長さ15~30cmくらいの花の穂をつける。穂には長さ5~7cmくらいの小穂がつき、その基部は白毛が密生し、先端にはススキがある。
草丈1~2mにもなる、姿のわりには意外と丈夫で、わりと強い。葉の縁で手を切ったおぼえがある。それほど強い、ガラス質のやっかいな刺が付いている。
秋の七草の一つで、万葉集には尾花と詠まれているのは、ススキの古名である。
穂が獣の尾みたいだから、月見では豊作を祈り、稲穂に見立てて月見団子などとともに飾られる。月見のススキは切り口が魔除けになるとも。
わが家ではもう何年も十五夜はやってない。今年もうっかり忘れてしまったが、息子にやらないのかと聞かれて、返答に困った場面があった。漢字で薄と書くが、芒とも書く。
折りとりてはらりとおもき芒かな
飯田蛇笏
「季節の花(64)薄」