国道4号線をずいぶん走って右折し、県道を少し行くとスターバックスの看板がフロントガラス越しに見えてきた。左手のそのシャレたお店でひと休みする。時間調整の意味を含めてのことだけれど。
評判の良いという、ある農家を訪ねる理由で車を北へ走らせての途中。つい2週間前に地元で買った果物や野菜の販売員に話をうかがい、「これはその農家に行ってみなくては」という冒険心から思い立ったドライブ。
朝その農家に電話をしたら「あと3日くらいは梨で忙しくてパートさんも使ってる状態。帰ったとしてもおそらく昼ご飯ぐらいしか家にはいない」とのこと。どうりでここ数日間、昼間に電話をかけ続けてもいないはずだと納得する。
了解のもとでその農家にとりあえず勝手に向かってみた。
案の定、12時に着いたが、広い屋敷と庭には誰もいない。蝉がただ鳴いているだけ。
30分ほど待たせてもらったが戻られないようなので、庭前のパッションフルーツ、ブルーベリー、すいか、メロン、柿の木などに目をやって、出迎えてくれた蝉にもお別れをする。
見せていただくことは留守でも事前了解していただいていたので、中威張りくらいでの冒険。
帰りはその農家さんの出展する店でパッションフルーツ、梨、ピーマンを買う。2週間前に訪ねたときに購入した桃はもう姿を消していた。が、ピーマンの11個で100円(税込)は安い。梨の5個で300円(税込)にも、その値段にびっくりした。
昼ご飯は先々週と同じ観光やな場で鮎料理にする。今度は鮎のおにぎりや川えびの唐揚げにも挑戦してみる。パリパリと音をたてて、うまい味にさずかる。
前回帰りがけに写真を撮るのを忘れてしまった鳳仙花も、今日はしっかり撮影させてもらった。それに何年ぶりかで女将さんの姿を見られた。忙しそうなので声をかけずに、その繁盛ぶりに心でそっと拍手をおくった。
土曜日のためか、やな場も、その店内も、駐車場もかなりの人出。ほとんどがリピーターだとすぐわかる。今どきクーラーもない飲食店で、こんな大きいスペースが満員で、レジが並んでいるなんて見ようと思ってもなかなか都会ではお目にかかれない。
もう25年以上もこの店に来ているが、何十年も夏は自分の居場所としている先輩もきっといるだろうなと思ってみる。
リピーターの多い店はうれしい。
求めているものは個人によって多少は違うかもしれないが、やはり良いものは良い。
今日訪ねた親切な農家もどうやらリピーターになりそうな予感がする。昨夜は郵便受けのメモをきっと読んでくれただろう。
この農家さんと出会えたのも神様の恵みなどと思ってみる。
「つれづれ(116)ドライブがてら、その親切な農家を訪ねてみる」