二週間くらい前、庭の朝顔が今年も元気に顔を見せてくれた。
「おかえりなさい」と言ったら、少しだけわかったのか、チラッと揺れたような気がした。
今はちょうどお天道様が真上の時刻。この日差しにバテたのか、早めに顔を隠してしまったのは惜しまれる。
夏休みの絵日記用として、今でも子どもたちに人気があるのか実は気にしている。花を見ても楽しくないから、他のモノに興味を移してしまっているのではないだろうかと。
朝顔は中国やヒマラヤ山麓が原産だという。わが国には奈良時代に中国から入ってきたらしい。らしいというのは、その時を誰も見ていないので、私にはそう言うしかできない。
もっとも万葉集に出てくるその頃の朝顔は、キキョウやムクゲを指すというのが一般的な説のようである。はっきり観賞用として栽培されるようになったのは江戸時代からとのこと。
花期は7〜9月で、昼頃には萎んでしまうから朝顔と呼ぶらしい。 何とも不思議なのは、俳句の世界では、歳時記でれっきとした秋の季語である。萎む姿が何となくうら悲しそうだからなのだろうか。たとえそうであっても、、やはり朝顔は夏休みの子どもたちの宿題に似合う気がしてならない。
「来年もまた帰ってくるんだよ」
9月も終ったら、思いを込めてその種子にいってあげるつもりだ。
「季節の花(28)朝顔」