庭のムラサキシキブがほぼ終わりかけてきた。毎年のことだが、この花が咲き終わるとわが家の庭は寂しくなる。ザクロの葉と一緒に、散った紫の小さな玉を今朝は掃いている。
そんなことを思っていたら、連想ゲームではないが、平安時代の紫式部に頭の中は移っていった。そして、琵琶湖の石山寺へ。
その琵琶湖といえば、源氏物語の紫式部との他に、奥の細道の松尾芭蕉を思い出す。1000年前と300年前に生きた二人がこの琵琶湖の片隅で時代こそ違え、同じ湖面をきっと眺めていたに違いないだろうと。
日本文学の最高頂にいるこの二人が、もし同じ時代に生きたとしたら、どんな会話を交わしたであろうか。
考えただけでわくわくする。
仮定ができるから歴史は面白い。
絶対にありえないから、ますます面白い。
「つれづれ(81)紫式部と松尾芭蕉が同じ時代に生きていたら」