6月になり、一週間が過ぎた。
この季節になると見たくなる花が二つある。それは花菖蒲と紫陽花。紫陽花は近所を歩けばけっこう見ることはできるが、花菖蒲は公園などの管理された場所に行かないと近頃はあまりお目にかかれない。
5月に咲くあやめの花はほぼ終わったけれど、花菖蒲は今が盛りと咲いている。そんな思いで車を走らせてみる。
厳密に申せば、あやめが咲いて、それから花菖蒲が咲き、そしてそれから少し遅れて紫陽花の季節になる。だから今年は花菖蒲は5ヵ所ばかり出かけたが、紫陽花は今のところはまだゼロのままだ。
以前にもこのブログにわが家に咲く花菖蒲やあやめを記したような気がするが、今年もまた思いを新たに書いている。
昔は菖蒲をあやめとも呼んでいた。
別名として「あやめ」「あやめぐさ」と万葉集の注釈にも載っている。いつ頃から「菖蒲」と「あやめ」を区別し呼ぶようになったのか。はっきりとはわからない。
ただここで注意しなければならないのは、当時のあやめは今日のような美しい花を咲かせるアヤメ科のあやめとはまったく違い、葉の形は似ているものの現代のあやめの花とはおよそほど遠い。葉の穂先状の地味なサトイモ科の菖蒲をさしていたらしい。
花菖蒲は水辺に生える多年草だが、現在のあやめは水辺ではなく、咲く月も、花や葉も花菖蒲とは多少違う。
花菖蒲もあやめも私は好きだ。
でもどちらがより好きかと聞かれると、勝負はもう目に見えている。やはり菖蒲と即座に答えてしまう。
「季節の花(43)菖蒲の花は美しい」