ヨコシマな備忘録

レディコミ・オカルト・サッカーあたりをうろうろしている
漫画家の横嶋やよいです! 

芸人交換日記初日感想。

2011年08月06日 06時22分00秒 | 音楽やライブ
結局朝までかかっちゃいましたyellow22

長いので折りたたみます。
微妙なネタバレもあります。

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グローブ座に着いたのが6時過ぎ。
エントランス近くで入場待ちしている人多数。
やっぱり女性が多い。
でも一人で来ている男性もぽつりぽつりと居ましたよ。
当日券目当ての人たちも抽選するために整列していました。
こちらもけっこうな人数がいましたよ。

開場。
もともとホールが狭いので、パンフレット売り場や
書籍売り場に人が並んで入口辺りがごった返してました。
なんとかパンフレットとポストカードをゲット。
販売員さんたちが売上を「正」の字で”アナログ”カウントしていました。
次の公演の為の売上資料になるんだろうか。
けっこうな勢いでパンフレットが売れてましたよ。

どっさり渡されたチラシの中には、
「芸人交換日記DVD化決定!」のチラシが!
東京公演は全部で5回あるけど、どの公演が収録されるのかなぁ。
あ、大阪もあるのか。
やっぱり要望が多かったんだろうねぇ。
とにかく嬉しいお知らせでした。

私が座った席はA席。
絶対S席じゃチケット取れないと思ったので、
最初からA席ねらいだったんだけど、当たった座席は思っていたより
ずっと遠かった…。
せっかくの舞台なので、細かい表情も見たいなと思って
オペラグラスを持っていきました!

舞台セットの前の段には田中の部屋・甲本の部屋で二分割。
甲本の部屋はいかにも同棲カップルの部屋らしい
かわいらしいベッドやテーブル、田中の部屋は地味な畳部屋で、
これまた地味な色の布団のベッドとちゃぶ台がありました。
2人の部屋のちょうど間に新聞受け用のポストがあって、
ここで日記を受け渡します。
日にちの経過は甲本部屋のTV画面で表示。
後の段にはTSUTAYAやBARにもなるカウンターと
公園のベンチ、のちに病室となるカーテンの仕切り。
漫才をやるときは公園ベンチの前に設置された38マイクで。
うしろのスクリーンでは、ノートが何冊目かが映されます。
こんなセットの中で2人のやりとりがあります。

テーマ曲は、フジファブリックの「若者のすべて」。
この曲を作ったボーカルの人も志半ば、夢の途中で
急逝してしまったんだよね…。
OP・ED共に流れてました。

ということでここから舞台感想。
ちなみに私は原作本は未読です。

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「芸人交換日記」舞台
結成11年たってもいまだ売れてないお笑いコンビ「イエローハーツ」。
後輩たちがどんどん自分たちを追い越していくのを、ただ悔しがるだけだった。
それを打開するために始めた交換日記。
その交換日記を通じてケンカしたり・謝ったり・けなしたり・
秘密を告白したり・褒めあったり…。
田中と甲本が人間としても芸人としても葛藤していく様を描く物語。

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観客はもちろん、演じている役者3人も泣きに泣いた舞台でした。
そう、あの能面芸で有名な若林もお芝居で号泣していたのです!
まさか若林の号泣が見られるなんて!!

ゲネプロなどの感想をネットなどで拾って読んでみたら、
みんながみんな「泣く」と書いてあったので、
「そんなに簡単に泣きたくない」と斜に構えていた私でしたが、
まんまと泣いてしまいましたよ。
くそう。

お芝居の最大の見せ場は演者3人のそれぞれの独白。
甲本の独白・甲本娘の独白、そして最後に田中の独白。
こんなの3連続で叩き込まれちゃ泣かざるをえないですよ!
しかも演じている人がみんな泣いてるんだもん!
若林なんかまさに号泣。
鼻水ダラダラ流してたよ。

その時のBGMは会場中からの鼻すすりの音でした。
グローブ座は観客席の音もキチンと響くもんなんだね~。


とにかく、田中圭くんの演技力がハンパじゃないんですよ。
すごい、あの人。
あんなほよよんとした顔なのに。
たぶん若林の2倍… いや2.5倍くらいのセリフをしゃべっていた。
早口で大声でテンポよく。
本当に”芸人らしい芸人”になってました。
またその甲本がかわいいんですよ。
後輩が売れていくことにゴロゴロ転がって嫉妬したり、
同棲している彼女(久美)にふにゃふにゃ甘えたり…。
本当に魅力的な人物になっていました。

この前のANNで若林が
「芸人の演技は人格の拡大だけど、俳優は0から生み出している」
っていってたけど、本当に芸人要素0だった人がここまで仕上げちゃうのは
さすがに”本業:役者”だなぁ~と感心しましたよ。

久美役の伊勢佳世さんは絵に描いたような”清楚”を体現していました。
娘役での独白シーンではさすがの演技力でしたよ。
甲本が芸人を辞めるときに、そっと背中を抱きしめて言った
「お疲れ様でした」が素晴らしかった。

でもって、若林です。

ハッキリ言っちゃうと、この芸人交換日記は
若林ありきの舞台だったと思います。
他の芸人じゃない、オードリーの若林じゃないとダメだった作品だと思う。
結成してからずっと売れてないコンビは多々いるんだろうけど、
そこから抜け出して爆発的に売れたオードリーの若林だからこそ、
最後の独白が生きてくるわけで…。
なによりオードリーは仲のいいコンビとしても有名だし、
「夢を諦めなかったコンビ」代表でもあるわけだから。

物語の始め、若林の声が硬いような気がしました。
硬いっていうかちょっと”棒”っていうのか。
圭くんがペラペラと流れるようにしゃべるのと対照的に、
まるで”字を読んでいる”感じの若林。
やっぱりいきなり役者として舞台に立つっていうのは難しいのかなと
ちょっと心配していましたが、しかしそれは”演出”でした。
あれは交換日記に対する抵抗感、心の閉じ方を表現してたのか。
気付けなくてごめんね若林。
ノートの冊数が進む(=漫才がうまくいきだす)ごとに
若林のしゃべりが流暢になってきます。
そしてこのしゃべりこそが、最後の田中の感情の開放の
前振りになっていたのです。

最後の田中の独白…。
自分のために夢を諦めてくれた甲本へ、自分の心中を吐露します。

「オマエと漫才をしたいよ」

心から搾り出すような声でした。

このセリフはかつて相方・春日にも言ったことのある言葉だけに、
ファンとしてはただただ滂沱…。
やっぱりここが一番鼻すすり音が大きかったです。
若林がここまで演じることが出来るとは…。
ファンながら驚きました。

最後の最後にはイエローハーツの漫才を披露!
劇中では最初のツカミしかやってなかったんですよ。
”天国”漫才です。
言葉の通り、天国での漫才。
田中の号泣独白の直後だったので、圭くんの鼻には鼻水がキラリ。
もらい泣きだろうな、きっと。
若林も鼻水キラリでW鼻水コンビです。
演技的には圭君にイニシアティブをとられていたけど、
ここはさすがに本業です。
若林が圭くんのトチリをみごとに回収しましたよ。

すごく幸せそうな笑顔で漫才をする2人。
本当にニッコニコの笑顔でネタをする2人ですよ。
すすり泣いていた観客席にまた笑いが戻ってきました。

漫才の終わりがこの舞台の終わり。
見事な〆方でした。

3人の挨拶が終わっても鳴り止まない拍手。
結局三回出てきてくれました。
その三回目には会場中がスタンディングオベーション。
一段と大きな拍手が3人に送られました。

壮絶なチケット争奪戦を潜り抜けただけでも嬉しかったのに、
この内容・この演技…。
本当に満足した舞台でした。

あ、2人はところどころ噛んじゃったところもあったけど、
大きなトチリなどはなかったですよ。

他の見所は
・最後のスーツ(漫才戦闘服)着替え 
 (ここ、すごくかっこいいです!)
・後姿でのわちゃわちゃサイレント漫才
・甲本と久美のセ○クスシーン
などなど。

そういやセリフの中で突然「亀頭」とかでてきてびっくりしちゃったよ。
部位の名前は生々しすぎます。
せめて ちんこ にしてください。
ちんこならANNで慣れてます!yellow18

観る前は「コンビ愛の舞台だし、きっと春日の存在がぷんぷん
におう舞台になるんだろうな」と思っていたけど、
思っていたより薄かったです。
それはひとえに甲本役の田中圭くんの力だと思います。
この舞台ではオードリーじゃなくてイエローハーツの
田中・甲本というコンビがちゃんと存在していたから。

…でも、お芝居が終了した直後に
「春日にこの舞台を見た感想をものすごく聞きたい」とは
思っちゃいましたけどね。
きっと若林も問い詰めたいだろうね。

大阪を含めると公演はあと7回か…。
その7回とも若林は号泣するのだろうか。
7回とも号泣したらすごいよなぁ…。
「この舞台で売れなかった頃の自分を葬る」って言ってたけど、
7回も号泣していたらかえって新しいトラウマを植えつけちゃうかも?
大丈夫なんですかねyellow22

とにかく、残り7公演を観に行く方!
期待していてください!
いい舞台ですよ!


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追記
友人のご厚意で千秋楽も見に行くことが出来ました。
そちらも合わせてご覧下さい!
初日との違いや初日より詳しいネタバレがあります。