やいまの島々美しゃ・心美しゃ

 やいま(八重山)のブログへ、おーりとーり♪ タイトルは
「しまじまかいしゃ・きぅむかいしゃ」と読みます。

「ほ」からはじまる絵本2巡目

2023-05-06 | 読書

「ほ」は面白そうなのが多かったです。

気が付いたら、借りてきた3冊全部「ぼく・・・」でした(笑) 

 

ぼくはうさぎ 作・山下哲 絵・福田利之 あかね書房

ロップイヤーのうさぎさん。

飼い主のお友達が遊びに来たときに犬と間違えられて。。。

タイトルからすると「違う、ぼくはうさぎなんだ」という方向へいくのかと思いきや逆に犬になろうとするところが面白い(笑)

実際にはロップイヤーのうさぎと犬は間違うはずもないと思うのだけれど、キャラクターでは、サンリオのシナ〇ロールは最初見た時うさぎかな?と思ったのに実は犬だそうで(笑)

 

ぼくとたいようのふね nakaban BL出版

nakabanさんは旅と記憶を主題とする作家さん。

この作品でも、小さな自分を乗せた太陽のふねが旅をする。

夜の街を通り過ぎ、静かな朝。

「ふくらむあさ」という表現が良いですね。

まだまだ、旅は続く。雨の日も、晴れの日も。

 

ぼくはいしころ 坂本千明 岩崎書店

いしころのように声もなく、顧みられることのなかった野良猫が幸せになるストーリー。

猫好きさんならグッとくること間違いなしです。

真っ黒な、美しい目の黒猫のいろんな姿と表情がいっぱい。

 

次は「ま」からの3冊の2巡目です。














「へ」からはじまる絵本2巡目

2023-04-07 | 読書

「へ」の絵本は少ないかなと思いきや、結構あったので3冊借りてきました。

 

ペロのおしごと 樋勝朋巳 小学館

中日新聞の絵本コーナーで紹介されていた『クネクネさんのいちにち きょうはパーティーのひ』の作者さんによる絵本。

犬が主人公で、その犬がいろんなお仕事にトライしつつもうまくいかない、ということで否応がなく工藤ノリコさんの「ワンワンちゃん」のことを思い出してしまう(笑)

おかあさんの飼い犬ペロは、おかあさんにお世話されて散歩に行くときなどは首輪をつけてそして四本足だけれど、首輪を捨ててしっかりと腰にベルトを巻くと、二本足になって果敢にいろんなお仕事に挑戦する。

それはおかあさんにネックレスを買うため。

うまくいかなくてしょんぼりする顔もまたかわいい。

最後に昆布の仕事をするというのでまたそちらは賢治さんの『ペンネンネンネン・ネネムの伝記』を思い出した。

それにしてもこんなにペロに思われて、幸せなおかあさんだなあ。

 

ベルとブゥおやすみなさいのじかん マンディ・サトクリフ さく ひがしかずこ やく 岩崎書店

このシリーズの『おいしいいちにち』は2020年の7月に読みました。

女の子ベルとうさぎのブゥは仲良し。おやすみなさいのルーティンが描かれています。

毎日を締めくくるおやすみなさいの時間が幸せであれば、それは幸せな一日。

 

ぺーとぼく 文 やづきみちこ 絵 小川かなこ くもん出版

兄弟のように育った子供と動物(ペット)のお話はどうしても、動物の短い寿命という事実を突きつけられてしまう。

いたずらをしたり野良猫と喧嘩をしたりしていたぺーも、老猫になるとすっかり穏やかで動かなくなり・・・

生まれて10年や12年で、人間の場合は育ち盛りでどんどん活動的になっていくというのに、この対比がせつない。

そして別れ。

でも最後の「ぺーがいきていてもしんでいてもそんなのちっともかんけいない!」という一言が新鮮でした。

そう、いつまでも大好き、というこの思いは、愛するペットが生きていても死んでいても、関係ないのです。永遠に。

 

次は「ほ」の2巡目です。


「ふ」からはじまる絵本2巡目

2023-03-17 | 読書

2月下旬から3月初めにかけての、年に一度の図書館の蔵書整理による休館期間も終わりました。

この期間の分だけ、通常の2週間の貸出期間にプラスして借りることができたのは嬉しいです(笑)

 

「ふ」の2巡目は全部日本人作家さんの作品です。

 

ふたごのかがみピカルとヒカラ 作 高山なおみ 絵 つよしゆうこ あかね書房

作者の高山さんは料理家で、双子の兄がいるそうで、この作品のピカルとヒカラは自分と兄を描いたもののよう。ちっとも似ていない性格だけれど、お互いが、お互いを映し出す双子の鏡。つよしさんの絵もファンタジックで素敵。

 

ふしぎな月 富安陽子 文 吉田尚令 絵 理論社

表紙の絵に描かれた大きな満月。ぼうっとした柔らかな感じがとても良い。絵を担当した吉田さんは『漢字はうたう』『はるとあき』の絵を描いた人。明るい、でも優しい光がさす満月の夜というのは不思議な世界。最後のほうに出てくる、戦場の夜空の月と、がれきの町でその月を見上げている子供たちの絵が、ウクライナを思わせてとても切なくなった。この作品の初版は2021年8月なのでウクライナでの戦争の前なのだけれど。。。夜というのは確かにひっそりしている世界なのだけれど、それでもやっぱり、心が闇にのまれぬように、「光」を持っていたいと思う。

 

ふっと・・・ 文 内田麟太郎 絵 松成真理子 BL出版

文字少な目、でもしっかり味わい深い作品。奇想天外なところはちょっと長新太さんぽいかな。生きものだってビルだって、ふっとあんなこと・こんなことがしてみたくなる。自分の身の回りでそんな「ふっと」に想像をめぐらすとたのしい毎日になりそう。

 

次は「へ」の2巡目ですが、棚にあるのが少なかったら、「ほ」と合わせて3冊借りてくるかもしれません。














うさぎ年なので・・・『ウォーターシップダウンのうさぎたち』再読中

2023-02-22 | 読書

今日は本のレビューの話です

興味のない方はどうぞスルーしてくださいね。

 

今、この本を再読しています。

『ウォーターシップダウンのうさぎたち』 リチャード・アダムズ 神宮輝夫訳 評論社

もうね、後にも先にも、うさぎ文学(なんてあるのか?)の最高峰

私は買った本には買った日付を書いておくのですが、上巻は1988年4月19日、下巻は1988年4月23日、と書いてあります。

35年前に買ったとは

以来、何回か読みました。。。

実は去年の今頃にも、再読したいなーと思っていたのですが、去年の今頃はてびちゃんの介護をしていたので、てびちゃんの介護でただでさえ精神的に不安定だったりしたところへ、この物語の中で愛すべきうさぎたちがいろんな苦難にあう様子を読むということが、ちょっと耐えられなく。。。

満を持して?今年、うさぎ年でもありますので、再読することにしたのです。

 

いやあもう、最高

簡単に言うと、イギリスのとある田園地帯にすむアナウサギたち(日本に元からいるノウサギとは違います)が、それまで住んでいたwarren(うさぎの繁殖地)から新しい土地を目指していく、というものですが、題名にあるウォーターシップダウンには早い段階でたどり着きます。

ダウンというのはイギリスの丘陵地のことですね。

で、ウォーターシップダウンへたどり着くまでもハラハラドキドキの冒険があるのですが、むしろウォーターシップダウンに落ち着いてからが大変。

メスうさぎを他の繁殖地から連れてくるための大冒険、そして戦い。。。

今ちょうど、上巻を読み終えたところです。

細かいストーリー展開は忘れてしまっている部分も多いので、下巻を読むのが楽しみ~~

 

神宮輝夫さんは『ツバメ号とアマゾン号』シリーズの訳者さんでもあります。

素晴らしい訳です。

それにしてもうさぎたちの個性の豊かなことと言ったら。。。

群れのリーダーであるヘイズル、ヘイズルの弟で不思議な霊感を持つファイバー、荒っぽいけど強くて頼りになるビグウィグ、頭のいいブラックベリ、頼もしい戦士的なシルバー、優れた物語の語り手ダンディライアン、弱いけど純真なピプキン。。。

もう~どのうさぎもたまらなく好き(笑)

ヘイズルはビグウィグやシルバーほど力は強くないし、「策略」的なことを考えるときはブラックベリに相談します。

でもヘイズルこそ、群れの長(おさ)なのです。

彼の持つ勇気と、カリスマ性ゆえでしょう。

でもヘイズルがちょっと無謀にもナットハンガー農場に遠征して農場の飼いうさぎたちを仲間にしよう(特に、メスうさぎを連れてこよう)と思い立ったシーンでは、弟のファイバーの忠告に従ってやめておけば良いのに~と思わずにいられませんでした。

そう、ファイバーはいつも正しい(笑)

そしてヘイズルたちが農場の人間たちにつかまりそうになるところでは、「だめ~、人間にだけはつかまらないで~」と思いました。

千の敵をもつ野生のうさぎ。

キツネやテンなど、天敵にやられるなら仕方ないけど、人間にだけはつかまらないで。。。

って、自分自身、すばる君といううさぎを飼っているのにねえ(苦笑)←勝手な人間そのものです

ファイバーの霊感で、瀕死のヘイズルが見つかるシーンは本当に感動的。。。

それと、うさぎじゃないけど、忘れてはならない登場人物、キハール。

カモメなのですが、うさぎたちの強い味方です。

ロード・オブ・ザ・リングのグワイヒア(鷲)と言い、『冒険者たち』でガンバたちを助けてくれるカモメと言い、鳥さんたちはここぞという時に、地を這うことしかできない者に加勢してくれるのですね。

訛りの強い(ウサギ語がうまくしゃべれない)キハールがビグウィグを「ピグウィグさん」、ヘイズルを「エズルさん」と呼ぶのもまた良き。

 

これから読む下巻では「死守するビグウィグ」という章もあります。

すさまじい戦いが待っています。

きっと、読み終わったらしばらくは余韻にひたってしまうでしょう。

上下巻ですが、それぞれ、表紙と裏表紙がつながっています。

この表紙の、大きく目を開いたうさぎは。。。ファイバーかなあ。

この子より前を行くうさぎが、ヘイズルかな?

そして裏表紙の隅っこには、わらわらと後に続くうさぎたち。

かつら(ウィグ)が頭に乗ったようなビグウィグや、毛色がちょっと灰色っぽいシルバーなど、もっとビジュアル的に堪能したい気もします。

なので挿絵が全然ないのが残念。。。

 

ところでこの作品、英語版も持っています。

こちらは2001年1月28日に購入。

パラパラとめくっていたら、なんとスピンオフともいえる、Tales from watership down という作品があるのですね

早速アマゾンで注文しました。まだ届いていないので画像はお借りしました。

ひょっとして絶版になってたら手に入らないかも。。。と思いましたが、『ウォーターシップダウンのうさぎたち』そのものが名作で、今でもよく売れているようなので、こちらのスピンオフ作品も新品を注文できました。

届くのが楽しみだな~

なんで今まで買って読まなかったんだろう。。。

作者のリチャード・アダムズさん、すばらしい作品を本当にありがとうございます。

世の中のうさぎ好きさんたちには、この『ウォーターシップダウンのうさぎたち』は超絶お勧めです。

 

Tales from watership down と一緒に買った絵本。

「う」からはじまる絵本で紹介しましたが、あまりにも可愛いので購入(笑)

挿絵が全然ないウォーターシップダウンのうさぎたちと違い、こちらは思う存分、可愛いニコラス君の絵が楽しめます。

正方形バージョンと縦長バージョンがあって、さらに英語版のほうを買おうかとも思ったのですが、アマゾンのレビューによると英語版のほうはなぜか虫さんのシーンがないだの、正方形バージョンだと上の方の絵が切れてるだの、なんかよくわからなかったので日本語版の縦長バージョンを買いました。

意外と、英語版(原著のはずなのに)のほうがいい加減で、日本語版の体裁のほうがちゃんとしてたりするんですよね。。。(笑)

コメントお休みです。

こんなマニアックな記事、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「ひ」からはじまる絵本2巡目その②

2023-02-10 | 読書

「ひ」からはじまる絵本は、好みと言うか良さそうな作品が多かったので、2巡目のさらにその②です。

 

ひみつのさくせん ニコロ・カロッツィ さく 橋本あゆみ やく 化学同人

柔らかな雰囲気の絵ですが、ストーリーは、なかなか大胆なネズミたちが主役で、猫は脇役(笑)

文字がとても少なめな半面、それにしては動きのある展開なので、逆に文字が少ないことでじっくりと「絵」からその動きのあるストーリーを楽しめる感じがします。

 

ピヒュッティ 北極を風と歩く 文 荻田泰永 絵 井上奈奈 講談社

文の作者さんは北極探検家とのこと。

この絵本の文はまさにその実体験から生まれたものだけに、北極の風、動物たち、などはとてもリアルに感じられます。

たくさんのホッキョクウサギが身を寄せ合っている絵がありますが、一度TVなどの映像でその様子を見てみたい。。。

死と隣り合わせの世界でテントを張ってその中で眠る時、探検家に聞こえる北極の風にはいろんなものがとけあっている。

そして探検家は夜が明けた時、目覚める。

ピヒュッティというのは「雪の中を歩いて旅する男」という意味で、荻田さんがイヌイットの友人からもらったイヌイットネームだそう。

 

ヒョウのハチ ぶん・門田隆将 え・松成真理子 小学館

太平洋戦争の頃、中国で生まれ、日本の兵隊たちに保護されて日本へ渡ったヒョウの物語。

人間に慣れ、人間を信頼してくれた一頭のヒョウに愛情を寄せる優しい兵隊さんたち。

動物の命を慈しむという、時代を超えた尊い愛の物語でありながら、ハチの物語が展開されたのは人間同士がお互いに殺し合い、動物園の動物たちも毒殺された戦争の時代でもあったことがとても悲しく切ない。

ハチのはく製は今でも高知県の「オーテピア」の高知未来科学館で展示されているそうですが、そのウェブサイトに載っていた「人に愛され、人ともに生き、人を勇気づけ、そして人に命をうばわれたヒョウの「ハチ」」という説明がすべてを語っていますね。

痛みの激しかったハチのはく製は、2009年に多くの人の募金によって修復されたとのこと。

21世紀でも、この科学館の来場者さんたちがハチの物語に興味を持って、そしてハチが教えてくれる大切なことを忘れないでいてくれたらと思います。

いつまでも、ハチの姿を大事に展示し続けて欲しいです。高知県の皆さん。。。どうぞよろしくお願いします。

 

次は「ふ」の2巡目です。












「ひ」からはじまる絵本2巡目

2023-01-14 | 読書

1月4日、図書館の今年最初の開館日にお昼ごろに行ったのですが、すでに「本の福袋」は完売ならぬ完借でした(笑)

毎年、興味があるのだけれどなかなか借りられません。

まあ「本の福袋」で偶然出会う本に期待しなくても、今回も絵本以外にしっかり読みたい本を借りてきたから良いんですけどね。

 

「ひ」の絵本の2巡目は、良さそうなのがたくさんあって迷いました。

ひょっとすると次回も「ひ」を3冊借りるかもしれません。

 

ピヨピヨスーパーマーケット 工藤ノリコ 佼成出版社

ご存じ「ノラネコぐんだん」シリーズの作者、工藤ノリコさんによる絵本。

ピヨピヨシリーズはまさに純真無垢な子供の世界。

どの作品もその何の曇りもない幸せな子供たちの愛らしさに癒され、こちらも幸せになるのです。

お母さんと一緒にスーパーマーケットに来たピヨピヨ5きょうだいは、お菓子を買うことばかり考えているけどお母さんは買ってくれない。。。

でもちゃんとハッピーエンドでほっこりします。

ブタの兄弟たちとかくれんぼをしている見開きの絵では、ピヨピヨ5匹を真剣に探してしまいました(笑)

ピヨピヨ以外にも、ビーバーやクマの子供たちも、お菓子を買ってくれない親に駄々をこねているのが可愛い(笑)

 

ピンクいろのうさぎ たかおゆうこ 講談社

可愛いうさぎたちがたくさん登場する眼福な絵本です。

この作家さんの描くうさぎ、私の好みというか一匹でも可愛いのに、最初の見開きからいきなり白いうさぎだらけでまさに天国(笑)

主人公のピンクのウサギは自分と同じ色のうさぎを探しに旅に出る。。。

最後のシーンでは「うさぎの毛色でピンクはないからねえ」と現実的なことにとらわれていた自分の見方の狭さを一気にほぐされた感じです。

今の時代の「多様性」というようなことも連想してしまうけれど、そういう難しいことを考えずに味わいたい一冊。

 

100年たったら 文 石井睦美 絵 あべ弘士 アリス館

何百年も繰り返し、生まれ変わっては巡り合う、輪廻転生の深く壮大なストーリー。

人間に生まれ変われるならまだしも、ひなげしの花になったり雪のひとひらになったりしたら、その一生はとても短いだろうなあと思ったり。。。

私自身、輪廻転生を信じているからこの作品はかなり響くものがありましたが、まず最初にライオンとヨナキウグイスとが、別れなければならないシーンがとても切ないです。

 

いつもリアクションボタン押してくださる方、ありがとうございます












「は」からはじまる絵本2巡目

2022-12-14 | 読書

「は」の絵本はたくさんありましたが、絵があんまり好みでないものが多くて、選ぶのにちょっと苦労しました。

 

はじめまして 近藤薫美子 偕成社

同じに見える桜の花も実際にはみんな違う。だからはじめまして。

雪も、ふってくる雪のひとひらずつがみんなはじめまして。

活字以外に、作家さんが絵の中に書き込んだ虫や鳥たちのセリフもたくさんあります。

こういうのは多すぎるとうるさい感じになってしまうし、活字部分の言葉を味わう度合いが薄れてしまうので多用しすぎに注意だと思うのですが、森を遠目に見たようなページや初めて降った雪のひとひらが冬芽に舞い降りる絵のページでは虫たちの姿も見えないので手書きセリフがなく、そういうページも挿入されているのが良いですね。

 

花のすきなおおかみ きむらゆういち・文 葉祥明・絵 新日本出版社

作者さんはなぜおおかみを選んだのかな?

勇猛なイメージのおおかみだけど「おおかみのくせに」と馬鹿にされても花が好きなおおかみの女の子。

同じく花が好きな男のおおかみと知り合い、2人で花を大切に育て。。。

起承転結がきれいに流れるストーリー。「転」の部分はまさに暗転という感じで最後はどうなるのかと思ったけどハッピーエンド。

葉祥明さんの、爽やかな緑と青の絵がうまくストーリーに合っています。

 

はっぱのてがみ 文 西沢杏子 絵 山口まさよし 子どもの未来社

いわゆる森の動物もの。

登場するのはツキノワグマ、イノシシ、リス、うさぎ、タヌキ、ブッポウソウ。。。日本の森にいる動物で他にこの作品に出て来ない動物は主なところでは鹿、サル、キツネかな?

森の仲間・ぴょんぴょんという名前のうさぎの耳が垂れてしまった。何も知らずお見舞いに行ったり草をつんでぴょんぴょんを元気にしようとするツキノワグマやタヌキたちに対し、終始浮かない顔の、いのぶうという名前のイノシシ。

心を込めて書いた葉っぱの手紙をぴょんぴょんに渡すと。。。微笑ましいストーリーと、可愛い動物たちの絵にほっこりします。

 

絵本レビュー2巡目ももうハ行か~ 2023年は「ひ」からスタートです。












「の」からはじまる絵本2巡目

2022-11-23 | 読書

「の」の2巡目は3冊とも日本の作家さんのものを借りてきました。

 

のねずみもんのつくったものは 山崎香文子(やまざきかふみ)さく 福音館書店

作者さんについての紹介が載っていませんが、版画(と思われる)作風が温かみがあります。

隣の森から引っ越してきたばかりで友達がいないのねずみの「もん」。

あなぐまのおじさんからもらった大きな木材で友達を作ろうとかじり始める。。。

そこへリスときつつきも加わって、もんとリスは木をかじりまくり、キツツキは木をつつきまくり、そして最終的にできたものとは。。。

最後はほっこりするハッピーエンド。

 

のうじょうにすむねこ トラネコボンボンなかにしなちお 小学館

表紙の、灰色地に金色の枝や文字がおしゃれな感じ。

絵の作風も、外国語の文字が印刷されたものや楽譜などを貼り付けたいわゆるコラージュを活用してセンスの良さを感じます。

ストーリーは、農場に住む猫がいろんな生き物仲間を紹介するという単純なものだけれど、きっとこの猫は農場で幸せな毎日を送っているんだろうなと思います。

作者さんは「トラネコボンボン」を主宰する料理人だそう。他にも猫に関する著作がいくつかあるみたいです。猫好きさんなら要チェックかな!

 

のりかえの旅 長田真作 あすなろ書房

これは乗り物好きな子にはワクワクする嬉しい絵本でしょうね。

陸海空のいろんな乗り物を乗り換えて、その目的地は。。。 

力強い線と、青が目立つシンプルな絵はすっきりしていて気持ちが良いです。

 

次の「は」からはじまる絵本2巡目で、今年は終わりかな~












「ぬ」と「ね」からはじまる絵本2巡目

2022-10-23 | 読書

「ぬ」は予想通り少なく。。。いっそ、「ぬ」を飛ばして「ね」を3冊借りようかなと思いましたが、「ね」もあんまり好みのものがなかったんですよね。。。

なので「ぬ」を1冊、「ね」を2冊借りてきました。

 

ぬいぐるみおとまりかい 風木一人 作 岡田千晶 絵 岩崎書店

ぬいぐるみに図書館でのお泊りをさせる、というのは実際に開催されているのをTVで見たことがある気がします。

子供たちにとって自分の一部であるようなぬいぐるみを、一晩図書館でお泊りさせる。

自分自身がお泊りするわけではなくても、なんだかワクワクするような催しですね。

現実の世界とはちょっと違うのは、この作品ではぬいぐるみたちが動き出して遊び始めること。

その好き勝手やりたい放題な様子に笑ってしまいました(笑)

そして図書館の人たちに見つかってしまうところが面白い。

いいなあ、ただでさえ本だらけの図書館ではたらく人たちが羨ましいのに、夜の図書館でぬいぐるみたちと遊ぶのは楽しいに決まっています。

 

ねこのニャンルー どいかや 偕成社

物語は秋からはじまります。

きっと、秋の前にもニャンルーや双子のおとうとたちには春や夏に楽しい思い出があったのだろうなと思いました。

おばあちゃんからマフラーの編み方を教わるニャンルー。最後のまとめ方はほっこりしていてうまいですね。

シリーズものになっても良いかなと思うくらい、ニャンルーや家族たちが可愛いです。そしてこの作品はさしずめ『ニャンルーのマフラー』というタイトルだとぴったりかな?

どいかやさんの絵は、眺めているだけで癒しになるような優しい絵です。

 

ねむりどり イザベル・シムレール 作 河野万里子 訳 フレーベル館

『あおのじかん』で有名なイザベル・シムレールさんの作品。この作品でも青が基調です。

持ち物や服装を整え、それに「あんぜんのためのきまり」を守って探しに出かける生きものとは一体。。。

だんだん、読んでいくうちに心地よい眠りの世界に入っていけるかもしれない作品です。

ふわふわのねむりどりの背中で眠っている間、ねむりどりが優しく軽快に飛んでいるなら良い夢を、ねむりどりが嵐の中を必死に飛んでいるなら苦しい夢を、私たちは見るのかもしれないなあ、なんてふと考えてしまいました。

 

次は「の」の2巡目です。












「に」からはじまる絵本2巡目

2022-09-24 | 読書

「に」からはじまる絵本の二巡目です。

 

にゅるぺろりん 長新太 絵 谷川俊太郎 文 クレヨンハウス

長新太さんと谷川俊太郎さんの最強コンビ。

ペロペロキャンディーのようなものからにゅるっと伸びてきたものが「にゅわん」はイヌで「にょろぶー」は車、あたりはまだわかるけれど、「にょろぽわん」っていったい何ですか(笑)

理屈抜きで絵と言葉を味わうのが良し。。。

ただ、長さんの『どろにんげん』のレビューでも書いたように、あえて小難しいことを考えるならば、どろにんげんが「泥」と言うカオスから何かが生まれてきたという無意識や神話の世界に通じるものがあるのと同様、この『にゅるぺろりん』でもやはり、ペロペロキャンディーの「渦」というのは無意識の世界や古くからの神話・宗教のシンボルにも通じるものがあるような気がするのです。

 

にわのともだち おおのやよい 偕成社

作者のおおのさんは、美術大学などの出身の方ではなく、もともと植物がお好きで植物関係の仕事を経た後、現在はイラストレーターと造園家として活動していらっしゃるそう。

どうりで、この作品の主人公に「使われていない植木鉢」を選ぶという視点に納得。

ガーデニングが好きな人の庭には、おそらく100%、「使われていない植木鉢」があるはず。

うちにももちろんあります(笑)

でもそんな鉢でも、土が入っていれば勝手に草が生え、花が咲いたりするもの。。。

この物語も、「植木鉢」という小さな世界で育つ植物、そして虫や季節のお話。

シャッシャッとしたペン画的?な作風の絵も可愛いです。

 

庭にたねをまこう! ジョーン・G・ロビンソン 文・絵 こみやゆう 訳 朝日新聞社

絵本には珍しく目次がある! でも目次は気にせず読んでも大丈夫。

ガーデニングは大人の趣味とは限りませんね。子供たちも庭でいろんな作業をしていろんな経験を積んでいくのです。

ピンク、緑、茶色の3色のみ(表紙には黄色も)の絵がレトロな感じ。

こみやゆうさんは、『ねこのオーランドー たのしい日々』や『ロージーのひよこはどこ?』の訳者さんです。

 

さて次は「ぬ」ですが、少ないかも。。。「ね」と合同の可能性大です。


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