2000~3000年の昔から存在し続ける山頂湿原。
山頂そのものが湿原になっている山はそんなに多くはない。
田代山湿原の歴史は尾瀬ヶ原よりずっと長くて古い。
そんな湿原のお花が見頃という情報で、田代山とその奥にある展望の山、帝釈山へ行ってきました。
ところで、この二つのお山。
ご存知ない方も多いのでは?
じつはアタシも知ったのは2~3年まえ。
しかも名前を聞いただけ(爆)
この2つの山は尾瀬国立公園に含まれています。
でも尾瀬といえば、燧ヶ岳や至仏山があまりにも有名。
そのメジャー山に隠れてしまっているような。
興味を持ったのはつい最近。
会津駒の帰りに寄った温泉にポスターがあって、そこにでかでかとステキな湿原の写真があったんです。
で、そういえばかなり前から隊長が行きたい~行きたい~行きたい~
って
しつこいくらいに言ってたなぁとやっと思い出したわけです。
登山口はお手軽に行くなら平成16年(だったかな?)にできたばかりの馬坂峠のほうが楽チンぽいですが、
初めての場所なのでクラシックに猿倉登山口から。
いろんな情報に登山口までは悪路って書いてありますが、それほどでもないです。
確かに舗装路部分は短いけど。
ただ落石は多そうなので、さっさと通過したほうがよさそう。
あと車高が低い車はダメかなぁ。。。
登山口手前の駐車場にトイレあり。
使用してないので状態は不明。
登山口にも数台停められるスペースがあるのでそっちに停めます。
車のなかで日焼け止め塗ったりしてたら窓をコンコンたたく音。
隊長が二ヘッと笑って見せたものは、
踵のソールが剥がれかかってる登山靴!
どーすんのよーーー((((;゜Д゜)))
久しぶりにしばらく履いてなかった登山靴を持ってきたらこの有り様。
本人いわく、ゲイターのバンドで抑えていけば大丈夫だよ。と。
えぇぇ?
疑わしげなワタシに、履いてきたスニーカーを予備に持っていくと。
隊長はふだんもモントレイルのアウトドライのスニーカーを履いてます。
こういうときに便利!

なわけで、いきなり不安を抱えてのスタートです。
なんとなーくなんの根拠もなしに、今日はゆる登山だぁって思い込んでたから、
意外と急な登りにヤられる。
歩きだしてすぐに水場。

標識からちょっと下りたとこにじゃんじゃん流れてるのが見えます。

最後の水場らしいけど、そもそも最初がどこだったのかわからず。。。
ホントに登山口からすぐなので、さすがにまだ補給の必要がなくてスルー。

ゴゼンタチバナ。

ギンリョウソウ。
薄暗い樹林帯をひたすら登る。

暑い!!!
風が吹き抜けてくれればいいんだけど、まったくの無風。
まだ早朝なのでなんとかなるけども。。。

そうそう。
数週間前に帝釈山ではオサバグサ祭りだったそうなんだけど
コッチ側には見当たらない。
今日はどっちかというとギンリョウソウ&ゴゼンタチバナ祭り。
すっごいたくさん咲いてます。
少しでもオサバグサ見られたらうれしいなぁ。

先々週の平標山のときは隊長の調子がいまいちで今日はワタシがどうしても調子が悪い。
交代で調子悪いなんて夏休みのテン泊どうすんのよ。。。
こんなに調子悪いならストック持ってくればよかった。

それでも振り返るとステキな景色が見えるようになって少しテンションアップ。
朝靄が漂っていてなんとも幻想的。

思ってたよりブヨが少ない。

だんだん目の前の木の背丈が低くなり見晴らしが良くなってくると小田代に到着。

モウセンゴケ。

コバイケイソウが多くてびっくり。

もうこうなると前へ進めません!


トキソウ。
尾瀬ケ原以外で会ったの初めてかな?


ワタスゲがふわっふわでかわいいー♪


シロバナニガナでいいのかな?


うっかりもうここで満足しそうになってしまった。
山頂はまだ先だった。

小田代を抜けて山頂まで最後の登り。
だんだん稜線歩きになってまわりに山々が見え始める。
気持ちいいなぁ♪

ブヨがいないのはうれしいんだけど
その分トンボが大量!
写真に写りこむ黒いのはトンボです。

オノエラン。
ずーっと再会したくて思いこがれてたけど
今年はいっぱい会えてうれしい♪
木道を登りきると、楽園があった。

それはもういきなり忽然と。
広~い空間にいきなりポンッと放り出されたような感覚。
吹き抜ける風まで今までと違う。
どこまでも爽やか。

下界は今日も猛暑の予報だったけど、ここは別世界。
風が体をなでてあっというまに汗を乾かしていく。

伸びやかに広がる湿原の向こうに堂々と佇む山は会津駒。

山頂の下あたりにはまだたっぷりの残雪。
夏道は出たのかな。

あそこには今年もう一回行きたいと思ってる。

尾瀬ヶ原より古くからある湿原はいまとても成熟していて、草木の高さも低くまるで田植えしたばかりの田んぼのよう。
湿原はどんどん乾燥が進み、草地になり大きな木が育って、いつか湿原は消滅してしまう。


足下には湿原らしい小さくて色とりどりな花が咲いてる。
サワランは濃いピンク。
タテヤマリンドウは淡い藍色を何層にも重ねたような色。

オノエランがあっちこっちに凛とした姿でたっている。


キンコウカはまだちょっと先。下の方から咲くんだね♪

ニッコウキスゲもこれからかな?
この湿原は一方通行で散策するようになっています。
残り半分の楽しみは帰りにとっておいて先へ進みます。


湿原を抜けて樹林帯のなかへ入っていくと避難小屋と立派なトイレがあります。

避難小屋は弘法大師を祀っているお堂なので避難小屋としての役割がオマケ。
でもお大師さまが鎮座されてるとこに一緒に寝るのはなんだかちょっと勇気がいるような。。。

で、ここの話題と言えばやっぱり去年できたばかりの超絶キレイなトイレでしょう!
管理人が常駐しない無人の小屋のトイレでこんなにキレイなとこ初めて!
どんなに掃除してあっても臭いは多少あったり、ハエの一匹や二匹は飛んでるとこが多いのに。
ここのトイレはドアを開けたら、まだ新しい木の匂いがした。

ハエも一匹もいない。
荷物置き場はあるし、個室もゆったり設計だし。
清潔さが維持されてるのは登山靴を脱いでスリッパに履き替えないといけないからというのもあるかも。

ちょっと面倒だけど、このキレイさを見たら汚したくないなぁと思うほうが優先する。
でも!<(`^´)>
自分を優先するひともいるわけで。
ワタシのあとに入った男性2人が入ったと思ったら割りとすぐに出てきて、
おかしいなぁとは思ってたんだけど。
隊長が入ったら、スリッパに泥がついてたそう。
もちろん靴を履いたままスリッパを履くシステムではなく、ちゃんと靴を脱ぐスペースがあります。
後の人のことを考えないモラルのない人がいるから汚れていくんだよね。

さて、隊長の靴底が歩くのに支障がありそうだったら、ここで引き返そうかと思ってたんだけど、
靴底はまだくっついてるようなので予定通りに帝釈山へ向かいます。
オサバグサ見られるかな。

見られた!(笑)
避難小屋の脇を通って帝釈山方面に足を踏み入れたらすぐそこに咲いてた。
やっぱりもうほとんど終わりで散った花びらが地面を白く染めてる。
ぜんぶ咲いてたときはきっとすごくキレイだったんだろうな。

薄暗い樹林帯の主役はオサバグサからギンリョウソウに替わっていて、あっちにもこっちにもプリプリした
元気のいいのがたくさんあった。

一応縦走なので結構下る。
あぁ、もったいない

ミツバオウレン。

トンボがホントにすごい!
ここまでいるか!

せっかくの景色にトンボが写りすぎだよ(T^T)
あぁ、でもブヨをエサにしてるトンボくんのおかげで今日は一か所もくわれてないのだ!
ありがとう!トンボくん!!!

最後のひと登りで山頂へ!

帝釈山の山頂は狭い。
山頂からはぐるっと絶景。尾瀬に日光の山々。

特徴的なてっぺんを持つ山は日光白根山。

「あれはどこだろう?至仏山~?」
なんて頼りない山座同定をしていたら救世主が!!
「至仏山は左だよ。そっちは平ヶ岳だねぇ。」
あはは~。また間違えちゃった!(照)
そうそう正面にそびえてるのは燧ケ岳です。
ご親切に教えてくださったその方は 、山を指差しながらいろいろ教えてくれる。
かなりマニアックな尾瀬の道などなど。
GPSがないと行けないとことかオススメしてくれる。
面白すぎて、この方いったいナニモノ?
なんと尾瀬国立公園のパトロールさんでした!
よく見れば腕章が。
さすがに尾瀬のことについて博識です。
ここで種明かし♪
今日のレポの最初に書いてあった湿原の生い立ちとかいろいろはみ~んなパトロールさんの受け売りです。
だっておかしいと思ったでしょ?
ワタシにそんな知識ないも~ん(*´ω`*)
長蔵さんの燧ヶ岳開山の逸話や小屋創設のときのお話。
最初の小屋をいまの場所に引っ越したときの驚きの話。
2011年の集中豪雨被害の話。
田代山に去年新しく出来たトイレの話とか。
なんとかかった費用は1億1000万円!
維持費だけでも毎年数百万円かかるのでは?と推察されてます。
もともとここにはポットン式のいわゆる悶絶しちゃうようなトイレがあったんですけど 、
田代山を国立公園にするかどうかという視察のときに
アノ!誰もが知ってるあの女性登山家さんが、
このトイレに入り、「こんなとこでお尻出せないわよー!」っていい放ったそうで。
そのコトバのおかげかどうか立派なトイレができました。
冗談はさておき、国立公園になったことで押し寄せる人もいきなり増えて
トイレ問題はかなり深刻だったとか。
せっかく作ってくれたこの超!衛生的なトイレを利用者がマナーを守って使用して、
きちんと利用料をお支払することでちゃんと設備が維持されて、湿原の自然が壊されないといいなぁと思います。
そうそう。
登ってくるときにも何気なく振り返って眺めていた田代山。

帝釈山から帰る途中で教えてもらいました。
斜面にかなり激しい崩落。
あの崩落は年々目に見えるスピードで進んでいるそう。

あと20年もしたら山頂に到達してしまうのではないかと
心配されています。
もしそうなったら湿原の水が流れ出て、乾燥化よりも早く湿原が消滅してしまうのではないかと心配されてるそうです。
そして消滅までは20年かかるかどうか。
まだ20年もある?
いや、たった20年しかないんです。
もちろん手をこまねいているだけではなく、二年前にはヘリで植物の種を撒いてみたり、
裾野のほうではこれ以上崩れないように工事をしたり努力はされているのですが、
なかなかコレといった目覚ましい成果がある方法というのが今のところ見つからないそうです。

豊かな湿原のあるうちに必ずまた見にきたい。
避難小屋まで戻ってきたところでベンチでごはんにしよう!
しつこいようだけどトイレの裏なのに臭わない!!!
パトロールさんとお別れしたので、またいつもの2人ごはん♪

またいつものようにベーコンを炒めて~♪

登山口で仕込んできたポルチーニ~♪

ほんとは生クリームとチーズでちゃんと作りたかったんだけど、
残念ながら途中のコンビニには生クリームが売ってなくて、見つけたのがこのレトルト!

レトルトだけでは味が。。。なので、ベーコンにポルチーニと牛乳も入れておいしさアップ♪
最後に黒胡椒で味を調えれば
ポルチーニのかんたんクリームパスタの出来上がり。

保冷剤で冷え冷えなオールフリーで乾杯っ!
ところでロング缶いつのまに出てたの?知らなかった(゜∀゜)
行くときにここを通ったときの気温は17℃でいまは23℃。
冷たいオールフリーがうまいわけだ~♪

食後はやっぱりここにも多いトンボと戯れる隊長。
この指と~まれ♪
でもね、隊長。

その指を無視して、ずーーーーーっと頭にとまって動かないトンボくんがいるんだよ。。。。

さて帰り道。
歩き残した湿原を楽しみましょう♪

清々しいというのがぴったりな場所。

百名山じゃないしぃ~って言って今まで来なかったのがホントにもったいなかった。

会津駒ともお別れ。

下山はあっというまだったけど、蒸し暑さとの戦い!
下りれば下りるほどサウナ状態。
もうすぐ駐車場なのにわざわざ「最後の水場」に寄り道して頭からザブザブ。
さっぱり涼しくなってから下山しました。お水おいしかった♪
スタート時に不安だった隊長の登山靴はつま先のぱっくり以上には進まず
無事に底がくっついたまま帰ってこれました。
なのに!

アタシのサンダルがぁぁ((((;゜Д゜)))
こっちはなんの前触れもなく、温泉に立ち寄ったときに何か変だなぁって足元を見たら、完全にパックリいってました。
5年近く履いてたから仕方ないね
そうそう。
温泉情報を忘れずに。
帰りに寄った温泉は、湯ノ花温泉という南会津町の共同浴場でたったの200円なり。
これだけでも格安なんだけど、なんと4ヵ所ある温泉全部に入れます。しかも1日何回でも出入りOK。
といっても、4つのうち2つは混浴。
シャワーがあるのは1ヵ所のみ。
ということで必然的に入れるのは1ヵ所、弘法の湯だけでした(笑)
むか~しからある共同浴場なので、施設っぽさはゼロ!
シャンプーとかドライヤーとか一切ありません。
コインロッカーもあったし、脱衣所にはちゃんとカゴがあってラッキーっていうくらいの心構えでいきましょう。
弘法の湯が一番温度が低いそうなんだけどそれでも湯温は45℃。
入浴券を買った商店のおばさんにお水足していいからね~って親切にいってもらえたので素直にどぼどぼ。
だ~れもいない貸し切り状態で壁越しに隊長とおしゃべり♪
さっぱりして気持ちよくなって帰りは道の駅たじまでソフトクリーム食べて野菜を買って帰りました♪

アスパラソフト♪
なぜか豆の味?ほんとはエダマメソフトだったりして(笑)

トマトソフト♪
こっちは野菜ジュースの味(笑)
あ、もちろん普通のバニラもあります。でもここの道の駅ではあえてコッチがおすすめ♪
おいしいですよ♪
そうそう。
温泉のスタンプノートみたいなのがあって、どんなとこがあるのかなぁって見てみたら
このまえ行った古町温泉ものってた。
そういえば、受付にノートあったな。こんなことならあのときペッタンコしてくればよかったなぁ。
まぁ、また行くからいいか♪
最後にオマケ。

ヒカリゴケ。
絶滅危惧種レッドデータに入っている種類。

他に登山者がいなかったもので、ヒカリゴケがあるんだよ~と教えていただきました。
猿倉から帝釈山のあいだに。
特定して場所はお教えできませんが、
自分で見つけるよ!というかたにはパトロールさんがおっしゃってた特別ヒントを!
「スケベじゃないと見つけられないねぇ」
山頂そのものが湿原になっている山はそんなに多くはない。
田代山湿原の歴史は尾瀬ヶ原よりずっと長くて古い。
そんな湿原のお花が見頃という情報で、田代山とその奥にある展望の山、帝釈山へ行ってきました。
ところで、この二つのお山。
ご存知ない方も多いのでは?
じつはアタシも知ったのは2~3年まえ。
しかも名前を聞いただけ(爆)
この2つの山は尾瀬国立公園に含まれています。
でも尾瀬といえば、燧ヶ岳や至仏山があまりにも有名。
そのメジャー山に隠れてしまっているような。
興味を持ったのはつい最近。
会津駒の帰りに寄った温泉にポスターがあって、そこにでかでかとステキな湿原の写真があったんです。
で、そういえばかなり前から隊長が行きたい~行きたい~行きたい~

しつこいくらいに言ってたなぁとやっと思い出したわけです。
登山口はお手軽に行くなら平成16年(だったかな?)にできたばかりの馬坂峠のほうが楽チンぽいですが、
初めての場所なのでクラシックに猿倉登山口から。
いろんな情報に登山口までは悪路って書いてありますが、それほどでもないです。
確かに舗装路部分は短いけど。
ただ落石は多そうなので、さっさと通過したほうがよさそう。
あと車高が低い車はダメかなぁ。。。
登山口手前の駐車場にトイレあり。
使用してないので状態は不明。
登山口にも数台停められるスペースがあるのでそっちに停めます。
車のなかで日焼け止め塗ったりしてたら窓をコンコンたたく音。
隊長が二ヘッと笑って見せたものは、
踵のソールが剥がれかかってる登山靴!
どーすんのよーーー((((;゜Д゜)))
久しぶりにしばらく履いてなかった登山靴を持ってきたらこの有り様。
本人いわく、ゲイターのバンドで抑えていけば大丈夫だよ。と。
えぇぇ?

疑わしげなワタシに、履いてきたスニーカーを予備に持っていくと。
隊長はふだんもモントレイルのアウトドライのスニーカーを履いてます。
こういうときに便利!

なわけで、いきなり不安を抱えてのスタートです。
なんとなーくなんの根拠もなしに、今日はゆる登山だぁって思い込んでたから、
意外と急な登りにヤられる。
歩きだしてすぐに水場。

標識からちょっと下りたとこにじゃんじゃん流れてるのが見えます。

最後の水場らしいけど、そもそも最初がどこだったのかわからず。。。
ホントに登山口からすぐなので、さすがにまだ補給の必要がなくてスルー。

ゴゼンタチバナ。

ギンリョウソウ。
薄暗い樹林帯をひたすら登る。

暑い!!!
風が吹き抜けてくれればいいんだけど、まったくの無風。
まだ早朝なのでなんとかなるけども。。。

そうそう。
数週間前に帝釈山ではオサバグサ祭りだったそうなんだけど
コッチ側には見当たらない。
今日はどっちかというとギンリョウソウ&ゴゼンタチバナ祭り。
すっごいたくさん咲いてます。
少しでもオサバグサ見られたらうれしいなぁ。

先々週の平標山のときは隊長の調子がいまいちで今日はワタシがどうしても調子が悪い。
交代で調子悪いなんて夏休みのテン泊どうすんのよ。。。
こんなに調子悪いならストック持ってくればよかった。

それでも振り返るとステキな景色が見えるようになって少しテンションアップ。
朝靄が漂っていてなんとも幻想的。

思ってたよりブヨが少ない。

だんだん目の前の木の背丈が低くなり見晴らしが良くなってくると小田代に到着。

モウセンゴケ。

コバイケイソウが多くてびっくり。

もうこうなると前へ進めません!


トキソウ。
尾瀬ケ原以外で会ったの初めてかな?


ワタスゲがふわっふわでかわいいー♪


シロバナニガナでいいのかな?


うっかりもうここで満足しそうになってしまった。
山頂はまだ先だった。

小田代を抜けて山頂まで最後の登り。
だんだん稜線歩きになってまわりに山々が見え始める。
気持ちいいなぁ♪

ブヨがいないのはうれしいんだけど
その分トンボが大量!
写真に写りこむ黒いのはトンボです。

オノエラン。
ずーっと再会したくて思いこがれてたけど
今年はいっぱい会えてうれしい♪
木道を登りきると、楽園があった。

それはもういきなり忽然と。
広~い空間にいきなりポンッと放り出されたような感覚。
吹き抜ける風まで今までと違う。
どこまでも爽やか。

下界は今日も猛暑の予報だったけど、ここは別世界。
風が体をなでてあっというまに汗を乾かしていく。

伸びやかに広がる湿原の向こうに堂々と佇む山は会津駒。

山頂の下あたりにはまだたっぷりの残雪。
夏道は出たのかな。

あそこには今年もう一回行きたいと思ってる。

尾瀬ヶ原より古くからある湿原はいまとても成熟していて、草木の高さも低くまるで田植えしたばかりの田んぼのよう。
湿原はどんどん乾燥が進み、草地になり大きな木が育って、いつか湿原は消滅してしまう。


足下には湿原らしい小さくて色とりどりな花が咲いてる。
サワランは濃いピンク。
タテヤマリンドウは淡い藍色を何層にも重ねたような色。

オノエランがあっちこっちに凛とした姿でたっている。


キンコウカはまだちょっと先。下の方から咲くんだね♪

ニッコウキスゲもこれからかな?
この湿原は一方通行で散策するようになっています。
残り半分の楽しみは帰りにとっておいて先へ進みます。


湿原を抜けて樹林帯のなかへ入っていくと避難小屋と立派なトイレがあります。

避難小屋は弘法大師を祀っているお堂なので避難小屋としての役割がオマケ。
でもお大師さまが鎮座されてるとこに一緒に寝るのはなんだかちょっと勇気がいるような。。。

で、ここの話題と言えばやっぱり去年できたばかりの超絶キレイなトイレでしょう!
管理人が常駐しない無人の小屋のトイレでこんなにキレイなとこ初めて!
どんなに掃除してあっても臭いは多少あったり、ハエの一匹や二匹は飛んでるとこが多いのに。
ここのトイレはドアを開けたら、まだ新しい木の匂いがした。

ハエも一匹もいない。
荷物置き場はあるし、個室もゆったり設計だし。
清潔さが維持されてるのは登山靴を脱いでスリッパに履き替えないといけないからというのもあるかも。

ちょっと面倒だけど、このキレイさを見たら汚したくないなぁと思うほうが優先する。
でも!<(`^´)>
自分を優先するひともいるわけで。
ワタシのあとに入った男性2人が入ったと思ったら割りとすぐに出てきて、
おかしいなぁとは思ってたんだけど。
隊長が入ったら、スリッパに泥がついてたそう。
もちろん靴を履いたままスリッパを履くシステムではなく、ちゃんと靴を脱ぐスペースがあります。
後の人のことを考えないモラルのない人がいるから汚れていくんだよね。

さて、隊長の靴底が歩くのに支障がありそうだったら、ここで引き返そうかと思ってたんだけど、
靴底はまだくっついてるようなので予定通りに帝釈山へ向かいます。
オサバグサ見られるかな。

見られた!(笑)
避難小屋の脇を通って帝釈山方面に足を踏み入れたらすぐそこに咲いてた。
やっぱりもうほとんど終わりで散った花びらが地面を白く染めてる。
ぜんぶ咲いてたときはきっとすごくキレイだったんだろうな。

薄暗い樹林帯の主役はオサバグサからギンリョウソウに替わっていて、あっちにもこっちにもプリプリした
元気のいいのがたくさんあった。

一応縦走なので結構下る。
あぁ、もったいない


ミツバオウレン。

トンボがホントにすごい!
ここまでいるか!

せっかくの景色にトンボが写りすぎだよ(T^T)
あぁ、でもブヨをエサにしてるトンボくんのおかげで今日は一か所もくわれてないのだ!
ありがとう!トンボくん!!!

最後のひと登りで山頂へ!

帝釈山の山頂は狭い。
山頂からはぐるっと絶景。尾瀬に日光の山々。

特徴的なてっぺんを持つ山は日光白根山。

「あれはどこだろう?至仏山~?」
なんて頼りない山座同定をしていたら救世主が!!
「至仏山は左だよ。そっちは平ヶ岳だねぇ。」
あはは~。また間違えちゃった!(照)
そうそう正面にそびえてるのは燧ケ岳です。
ご親切に教えてくださったその方は 、山を指差しながらいろいろ教えてくれる。
かなりマニアックな尾瀬の道などなど。
GPSがないと行けないとことかオススメしてくれる。
面白すぎて、この方いったいナニモノ?
なんと尾瀬国立公園のパトロールさんでした!
よく見れば腕章が。
さすがに尾瀬のことについて博識です。
ここで種明かし♪
今日のレポの最初に書いてあった湿原の生い立ちとかいろいろはみ~んなパトロールさんの受け売りです。
だっておかしいと思ったでしょ?
ワタシにそんな知識ないも~ん(*´ω`*)
長蔵さんの燧ヶ岳開山の逸話や小屋創設のときのお話。
最初の小屋をいまの場所に引っ越したときの驚きの話。
2011年の集中豪雨被害の話。
田代山に去年新しく出来たトイレの話とか。
なんとかかった費用は1億1000万円!
維持費だけでも毎年数百万円かかるのでは?と推察されてます。
もともとここにはポットン式のいわゆる悶絶しちゃうようなトイレがあったんですけど 、
田代山を国立公園にするかどうかという視察のときに
アノ!誰もが知ってるあの女性登山家さんが、
このトイレに入り、「こんなとこでお尻出せないわよー!」っていい放ったそうで。
そのコトバのおかげかどうか立派なトイレができました。
冗談はさておき、国立公園になったことで押し寄せる人もいきなり増えて
トイレ問題はかなり深刻だったとか。
せっかく作ってくれたこの超!衛生的なトイレを利用者がマナーを守って使用して、
きちんと利用料をお支払することでちゃんと設備が維持されて、湿原の自然が壊されないといいなぁと思います。
そうそう。
登ってくるときにも何気なく振り返って眺めていた田代山。

帝釈山から帰る途中で教えてもらいました。
斜面にかなり激しい崩落。
あの崩落は年々目に見えるスピードで進んでいるそう。

あと20年もしたら山頂に到達してしまうのではないかと
心配されています。
もしそうなったら湿原の水が流れ出て、乾燥化よりも早く湿原が消滅してしまうのではないかと心配されてるそうです。
そして消滅までは20年かかるかどうか。
まだ20年もある?
いや、たった20年しかないんです。
もちろん手をこまねいているだけではなく、二年前にはヘリで植物の種を撒いてみたり、
裾野のほうではこれ以上崩れないように工事をしたり努力はされているのですが、
なかなかコレといった目覚ましい成果がある方法というのが今のところ見つからないそうです。

豊かな湿原のあるうちに必ずまた見にきたい。
避難小屋まで戻ってきたところでベンチでごはんにしよう!
しつこいようだけどトイレの裏なのに臭わない!!!
パトロールさんとお別れしたので、またいつもの2人ごはん♪

またいつものようにベーコンを炒めて~♪

登山口で仕込んできたポルチーニ~♪

ほんとは生クリームとチーズでちゃんと作りたかったんだけど、
残念ながら途中のコンビニには生クリームが売ってなくて、見つけたのがこのレトルト!

レトルトだけでは味が。。。なので、ベーコンにポルチーニと牛乳も入れておいしさアップ♪
最後に黒胡椒で味を調えれば
ポルチーニのかんたんクリームパスタの出来上がり。

保冷剤で冷え冷えなオールフリーで乾杯っ!
ところでロング缶いつのまに出てたの?知らなかった(゜∀゜)
行くときにここを通ったときの気温は17℃でいまは23℃。
冷たいオールフリーがうまいわけだ~♪

食後はやっぱりここにも多いトンボと戯れる隊長。
この指と~まれ♪
でもね、隊長。

その指を無視して、ずーーーーーっと頭にとまって動かないトンボくんがいるんだよ。。。。

さて帰り道。
歩き残した湿原を楽しみましょう♪

清々しいというのがぴったりな場所。

百名山じゃないしぃ~って言って今まで来なかったのがホントにもったいなかった。

会津駒ともお別れ。

下山はあっというまだったけど、蒸し暑さとの戦い!
下りれば下りるほどサウナ状態。
もうすぐ駐車場なのにわざわざ「最後の水場」に寄り道して頭からザブザブ。
さっぱり涼しくなってから下山しました。お水おいしかった♪
スタート時に不安だった隊長の登山靴はつま先のぱっくり以上には進まず
無事に底がくっついたまま帰ってこれました。
なのに!

アタシのサンダルがぁぁ((((;゜Д゜)))
こっちはなんの前触れもなく、温泉に立ち寄ったときに何か変だなぁって足元を見たら、完全にパックリいってました。
5年近く履いてたから仕方ないね

そうそう。
温泉情報を忘れずに。
帰りに寄った温泉は、湯ノ花温泉という南会津町の共同浴場でたったの200円なり。
これだけでも格安なんだけど、なんと4ヵ所ある温泉全部に入れます。しかも1日何回でも出入りOK。
といっても、4つのうち2つは混浴。
シャワーがあるのは1ヵ所のみ。
ということで必然的に入れるのは1ヵ所、弘法の湯だけでした(笑)
むか~しからある共同浴場なので、施設っぽさはゼロ!
シャンプーとかドライヤーとか一切ありません。
コインロッカーもあったし、脱衣所にはちゃんとカゴがあってラッキーっていうくらいの心構えでいきましょう。
弘法の湯が一番温度が低いそうなんだけどそれでも湯温は45℃。
入浴券を買った商店のおばさんにお水足していいからね~って親切にいってもらえたので素直にどぼどぼ。
だ~れもいない貸し切り状態で壁越しに隊長とおしゃべり♪
さっぱりして気持ちよくなって帰りは道の駅たじまでソフトクリーム食べて野菜を買って帰りました♪

アスパラソフト♪
なぜか豆の味?ほんとはエダマメソフトだったりして(笑)

トマトソフト♪
こっちは野菜ジュースの味(笑)
あ、もちろん普通のバニラもあります。でもここの道の駅ではあえてコッチがおすすめ♪
おいしいですよ♪
そうそう。
温泉のスタンプノートみたいなのがあって、どんなとこがあるのかなぁって見てみたら
このまえ行った古町温泉ものってた。
そういえば、受付にノートあったな。こんなことならあのときペッタンコしてくればよかったなぁ。
まぁ、また行くからいいか♪
最後にオマケ。

ヒカリゴケ。
絶滅危惧種レッドデータに入っている種類。

他に登山者がいなかったもので、ヒカリゴケがあるんだよ~と教えていただきました。
猿倉から帝釈山のあいだに。
特定して場所はお教えできませんが、
自分で見つけるよ!というかたにはパトロールさんがおっしゃってた特別ヒントを!
「スケベじゃないと見つけられないねぇ」
なんか自然が”濃い!”って感じがしますね!
オノエランか~!実物見て見たいなぁ。
こんな素敵なお山、何度でも行きたくなりますね!
平日だからかもしれないけど、静かそうだし。隊長の帽子のトンボもかわいすぎるし(*^_^*)
くっきーさんのレポで色々勉強させてもらいました、ありがとざんです。
究極は・・・
>「スケベじゃないと見つけられないねぇ」
難しすぎるぜぇ~~(笑)
ワタスゲの写真に.....
すっごいきれい。 やっぱり、ワタスゲ大好きだな~。
尾瀬に行ったんだけれど、ワタスゲ少なかったです。
たくさんのワタスゲにmomoも会いたいわー。
とても参考になりました。
アプローチの道もまずまずそう。
我が家も6月の下旬位から会津駒ケ岳とセットで登る予定に入っていたのですがなかなか実行できません。
ワタスゲとコバイケイソウのコラボ、見事ですね。
でも、こ~~~んなに素敵だとは知りませんでした~~
くっきーさ~ん、素晴らしい情報をありがとうございます!
そして、こんな素敵な時期に訪れることが出来たくっきーさんが羨ましい
やばい。ココ行ったら絶対泣く!!w
それにしても、歩き始めたばかりで「最後の水場」って言われてもね~w
最後かヨッ!!て三村みたいにツッコミいれたいですw
そう、それからマナーについて
どこの山でもそうなんだろうけど、人の多い尾瀬や人気の山だと
マナーの悪い人をよく目にするよね。
許して貰えるならハリセンでぶっ叩きたいですヨ。w
尾瀬の木道で歩きタバコとかね。
トイレもみんなで綺麗に使いたいです。
綺麗になってくれるならチップじゃんじゃん払います!w
無事に帰ってこれてよかったぁ。
きっと波瀾万丈(?)な遠征レポ、楽しみにしてます。
さっすがぁ!ここの名前ご存知でしたか!
尾瀬ケ原ほど人が入ってないせいか
整備されすぎてない感じが自然ですごくよかったです。
(トイレの整備は尾瀬ケ原以上だけど!)
>くっきーさんのレポで色々勉強させてもらいました、ありがとざんです。
いやいやいや。
今回はステキな出会いがあったからこそで。
>難しすぎるぜぇ~~(笑)
マジすか?簡単かとおもった!(笑)
なんかねぇ、いろんな方のレポ見てると
今年の尾瀬ケ原はワタスゲ外れっぽいですよねぇ?
いつもはもっふもふなのに。。。
大丈夫ですよ~!また行けばいいんだもん♪
momoさんは三連休北岳だったんですね~。
仕事漬けなワタシにはきっと目の毒(笑)だと
思うけど絶景レポ楽しみにしてます♪
自然が相手だから、放っておいてもいつかは
止められなくて消滅してしまうものでも
少しでも長くあってほしいし、せめて汚さないようにするとか
簡単にできることはありますもんねぇ。
山登りが好きだからこそ、できることはやっていきたいですよね♪
なんちって!エラそーだ!!!
izumiさんたちはいつもワイルドな山もたくさん行ってるし
きっとこの道路も問題ないかと♪
でも帰るときには行きにはなかった落石があったり、
ちょっとこわいかもって思いました。
この時に会ったパトロールさんも翌日は会津駒だと
おっしゃってました。
セットにされる方が多いのかな♪
我が家もいつか会津駒に泊まりたーい!!!
三連休の山旅楽しまれましたかぁ?
レポ楽しみにしてますね~(*^_^*)
>田代山も帝釈山も知ってますとも~~
さっすがぁ2!
かわみんさん、尾瀬ファンですもんねぇ♪
ワタシなんてまだまだ俄かファンなもので。
知らないとこだらけ
普通に行ってたら、ステキだねぇ♪で終わってたのが
パトロールさんとの出会いのおかげで
ものすごく勉強になったし、奥深い山歩きになっちゃいました。
>最後かヨッ!!て三村みたいにツッコミいれたいですw
そうそうそう!
なんで?ここで?マジ?みたいな感じでした。
>許して貰えるならハリセンでぶっ叩きたいですヨ。w
こんどはザックに忍ばせて行くか。。。
>尾瀬の木道で歩きタバコとかね。
えええええ!
そこまでひどい人いるんですか!!!
あの狭い木道じゃタバコの煙よけられないじゃないですか!
それは絶対ハリセンもんです!!!
バシッ