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「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第5回

2015年08月10日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第5回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」   第5回  バスのとびちった部品の影に、滝が倒れていた。 「滝,しっかりしろ」  滝は目をあけた。 服がやぶれ、血がにじんでいた。すこし焼けこげてもいた。 一、二度、頭を振って、滝は上体をおこした。 . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第4回

2015年08月06日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第4回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」   第4回  「ええ」僕は答える。  「そうですか.僕、この路線走るのは始めてですねん。ふだんでも,このバスは,ほとんど頭屋村までいかんのですわ。 最近は、客が、よういってるようだけど。本当は、これよ . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第3回

2015年08月01日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第3回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 第3回 そうそう,僕、日待明の道ずれについて話すのをわすれていた。 知り合いといっても最近知り合ったばかり。 彼。名前は滝光一郎という。いわゆるフリーターだと本人は言っている。 知り合いになった理由は、 . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第2回

2015年08月01日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第2回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 第2回  正直にいうと実は、「なみだ石」を一つ持っているのだ。  東京へでてからの僕は人づきあいの悪い人間だった。 特異な風貌、まるで禁欲的な僧侶にみえた。 なみはずれた長身、それにどことなく体から発 . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第1回

2015年07月30日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第1回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」  僕達2人は、乗りごこちの悪いローカル線に乗っている。 列車は。僕の故郷に向かっていた。 故郷といってもあまり記憶はない。親戚もいない。 僕は都会の中で一人、孤独で何年も住んでいた。 あるきっかけで故郷へ帰ろうと思った。         奈良県、和歌 . . . 本文を読む

「なみだ石を探して」第6回

2015年04月28日 | 「なみだ石を探して」
「なみだ石を探して」第6回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」   第6回   人々の悲しみの涙を集めた涙岩が、粉粉になる。 その涙岩のかけら、「なみだ石」が、緑色、瑠璃色の光を放ちながら、 漆黒の闇の中へ、消えていくはずなのだ。 今日がその日だ。         「君も芝居がうまいね、 . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第8回

2013年12月06日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第8回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」  第8回ー最終回 私が目をあけると、ヘリはすべて夜空から消えていた。 残滓が飛び散っていた。 滝は、滝であった生物は、緑色の光を櫛びた物質に変化していた。 私は草原に腰をおろし、涙岩をながめていた。 . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第7回

2013年12月06日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第7回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」   第7回 「私が、代表者です。名前はリーラです」  それから、ゆっくりと僕の存在をわかり、みつめ、悲しそうな顔をした。 「やっばり、来てしまったわね。ミユー。間違いだったわ、あなたに会ったのは。これで . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第6回

2013年12月05日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第6回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」   第6回   人々の悲しみの涙を集めた涙岩が、粉粉になる。 その涙岩のかけら、「なみだ石」が、緑色、瑠璃色の光を放ちながら、 漆黒の闇の中へ、消えていくはずなのだ。 今日がその日だ。         . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第5回

2013年12月03日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第5回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」   第5回  バスのとびちった部品の影に、滝が倒れていた。 「滝,しっかりしろ」  滝は目をあけた。 服がやぶれ、血がにじんでいた。すこし焼けこげてもいた。 一、二度、頭を振って、滝は上体をおこした。 . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第4回

2013年12月02日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第4回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」   第4回  「ええ」僕は答える。  「そうですか.僕、この路線走るのは始めてですねん。ふだんでも,このバスは,ほとんど頭屋村までいかんのですわ。 最近は、客が、よういってるようだけど。本当は、これ . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第3回

2013年12月01日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第3回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 第3回 そうそう,僕、日待明の道ずれについて話すのをわすれていた。 知り合いといっても最近知り合ったばかり。 彼。名前は滝光一郎という。いわゆるフリーターだと本人は言っている。 知り合いになった理由は . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第2回

2013年11月30日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第2回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 第2回  正直にいうと実は、「なみだ石」を一つ持っているのだ。  東京へでてからの僕は人づきあいの悪い人間だった。 特異な風貌、まるで禁欲的な僧侶にみえた。 なみはずれた長身、それにどことなく体から . . . 本文を読む

「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第1回

2013年11月28日 | 「なみだ石を探して」
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第1回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」  僕達2人は、乗りごこちの悪いローカル線に乗っている。 列車は。僕の故郷に向かっていた。 故郷といってもあまり記憶はない。親戚もいない。 僕は都会の中で一人、孤独で何年も住んでいた。 あるきっかけで故郷へ帰ろうと思った。         奈良県、和 . . . 本文を読む

「なみだ石を探して」第8回

2013年03月23日 | 「なみだ石を探して」
「なみだ石を探して」第8回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」  第8回ー最終回 私が目をあけると、ヘリはすべて夜空から消えていた。 残滓が飛び散っていた。 滝は、滝であった生物は、緑色の光を櫛びた物質に変化していた。 私は草原に腰をおろし、涙岩をながめていた。 手になみだ石をにぎり . . . 本文を読む