「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第5回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第5回
バスのとびちった部品の影に、滝が倒れていた。
「滝,しっかりしろ」
滝は目をあけた。
服がやぶれ、血がにじんでいた。すこし焼けこげてもいた。
一、二度、頭を振って、滝は上体をおこした。 . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第4回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第4回
「ええ」僕は答える。
「そうですか.僕、この路線走るのは始めてですねん。ふだんでも,このバスは,ほとんど頭屋村までいかんのですわ。
最近は、客が、よういってるようだけど。本当は、これよ . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第3回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第3回
そうそう,僕、日待明の道ずれについて話すのをわすれていた。
知り合いといっても最近知り合ったばかり。
彼。名前は滝光一郎という。いわゆるフリーターだと本人は言っている。
知り合いになった理由は、 . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第2回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第2回
正直にいうと実は、「なみだ石」を一つ持っているのだ。
東京へでてからの僕は人づきあいの悪い人間だった。
特異な風貌、まるで禁欲的な僧侶にみえた。
なみはずれた長身、それにどことなく体から発 . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第1回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
僕達2人は、乗りごこちの悪いローカル線に乗っている。
列車は。僕の故郷に向かっていた。
故郷といってもあまり記憶はない。親戚もいない。
僕は都会の中で一人、孤独で何年も住んでいた。
あるきっかけで故郷へ帰ろうと思った。
奈良県、和歌 . . . 本文を読む
「なみだ石を探して」第6回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第6回
人々の悲しみの涙を集めた涙岩が、粉粉になる。
その涙岩のかけら、「なみだ石」が、緑色、瑠璃色の光を放ちながら、
漆黒の闇の中へ、消えていくはずなのだ。
今日がその日だ。
「君も芝居がうまいね、 . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第8回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第8回ー最終回
私が目をあけると、ヘリはすべて夜空から消えていた。
残滓が飛び散っていた。
滝は、滝であった生物は、緑色の光を櫛びた物質に変化していた。
私は草原に腰をおろし、涙岩をながめていた。
. . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第7回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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第7回
「私が、代表者です。名前はリーラです」
それから、ゆっくりと僕の存在をわかり、みつめ、悲しそうな顔をした。
「やっばり、来てしまったわね。ミユー。間違いだったわ、あなたに会ったのは。これで . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第6回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第6回
人々の悲しみの涙を集めた涙岩が、粉粉になる。
その涙岩のかけら、「なみだ石」が、緑色、瑠璃色の光を放ちながら、
漆黒の闇の中へ、消えていくはずなのだ。
今日がその日だ。
. . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第5回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第5回
バスのとびちった部品の影に、滝が倒れていた。
「滝,しっかりしろ」
滝は目をあけた。
服がやぶれ、血がにじんでいた。すこし焼けこげてもいた。
一、二度、頭を振って、滝は上体をおこした。 . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第4回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第4回
「ええ」僕は答える。
「そうですか.僕、この路線走るのは始めてですねん。ふだんでも,このバスは,ほとんど頭屋村までいかんのですわ。
最近は、客が、よういってるようだけど。本当は、これ . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第3回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第3回
そうそう,僕、日待明の道ずれについて話すのをわすれていた。
知り合いといっても最近知り合ったばかり。
彼。名前は滝光一郎という。いわゆるフリーターだと本人は言っている。
知り合いになった理由は . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第2回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第2回
正直にいうと実は、「なみだ石」を一つ持っているのだ。
東京へでてからの僕は人づきあいの悪い人間だった。
特異な風貌、まるで禁欲的な僧侶にみえた。
なみはずれた長身、それにどことなく体から . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第1回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
僕達2人は、乗りごこちの悪いローカル線に乗っている。
列車は。僕の故郷に向かっていた。
故郷といってもあまり記憶はない。親戚もいない。
僕は都会の中で一人、孤独で何年も住んでいた。
あるきっかけで故郷へ帰ろうと思った。
奈良県、和 . . . 本文を読む
「なみだ石を探して」第8回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
第8回ー最終回
私が目をあけると、ヘリはすべて夜空から消えていた。
残滓が飛び散っていた。
滝は、滝であった生物は、緑色の光を櫛びた物質に変化していた。
私は草原に腰をおろし、涙岩をながめていた。
手になみだ石をにぎり . . . 本文を読む