私の中の彼へー青き騎士ー第2回青き騎士(1992年)より作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 まわりは荒野だった。それも血みどろの荒野だった。改造された彼・翔しょうの視覚機能は、風景を人間とは異なる視点からながめることができた。零の力で見ることができる。 翔の乗る、人工頭脳装甲機・「零レイ」の電子のグリッドが、彼、翔の眼の前に拡がっている。 軍務についた最初は、希望にみちあふれていた。若さと . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第2回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所第2回 僕は、いま 1975年ー昭和50年ーの思い出の中にいる。 正直にいうと実は、「なみだ石」を一つ持っているのだ。 東京へでてからの僕は人づきあいの悪い人間だった。特異な風貌、まるで禁欲的な僧侶にみえた。なみはずれた長身、それにどことなく体から発する毅然たる態度。 こんな僕でも恋はする。 その彼女、香月和 . . . 本文を読む
「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第1回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 僕達2人は、乗りごこちの悪いローカル線に乗っている。列車は。僕の故郷に向かっていた。故郷といってもあまり記憶はない。親戚もいない。僕は都会の中で一人、孤独で何年も住んでいた。あるきっかけで故郷へ帰ろうと思った。 奈良県、和歌山県、三重県の3県の県境にあるふるさと。ふるさとといっても本当に伺のとりえもない山間 . . . 本文を読む
私の中の彼へー青き騎士ー第1回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 もう、かなり昔の事だ。私,沙織さおりは、まさか彼,翔しょうが、私の探し求めていた「青き騎士」だとは、その時は、気がつかなかった。若気のいたりというものだろう。もし、あの時……。いや、もうやめておこう。 時間は、2度と戻ってこない。シーン2「恐い子だよ」その時、私は何をしていたのだろう、記憶はなかった。「何しろ、この子の頭の中 . . . 本文を読む
封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第11回●●作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 http://www.yamada-kikaku.com/本が風化するのと同時に、コードの中の,北の詩人の体も消滅した。アー・ヘプンはその一瞬、産声を聞いたような気がした。その機械共生体も、外気にふれて腐触し、機械パネルははじけ飛び、粉々に分解していく。が本 . . . 本文を読む
アイランド■第4回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 ザ=タワーでは処理におおわらわだった。機動兵の隊長エリエット=クレア大将が、地球連邦首相室に呼びだされていた。 首相室には、他に一人の男がいることに、クレア大将は気づいた。「クレア、どういう管理体制をひいているのかね。君は、ここザタワーは地球最高の要塞だとは言わなかったかね。それが何んてざまなのだ。アリスファームは死体の山だ。おまけに、 . . . 本文を読む
ロボサムライ駆ける■第43回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikku.com/ ■第五章 機械城(6)「ともかく、一隊は大天守閣へ向かうのじゃ」 天守の城眼から、数百の弓矢が放たれた。力士ロボットたちが、その銃眼を目指し、城壁を欠き砕き、石を投げ付ける。「我々にとって必要なものを手に入れておかねはなりませんな」主水がいった。「生命液と洗 . . . 本文を読む
源義経黄金伝説■第15回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所おなじころ、奈良東大寺。焼け落ちた大仏の鋳造も終わり、これからは大仏殿の建築にとりかかろうとしている時である。 治承四年(1180)平重衡の手で東大寺をはじめ興福寺の伽藍が焼かれ大仏が焼けた折、京都の貴族はこの世の終わりと思ったものだが、、重源ちょうげんの一団、勧進聖の手で、東亜においての黄金国日本の象徴である東大寺大仏は、その姿を . . . 本文を読む
源義経黄金伝説■第14回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所広野から見えるその山は、荒錆びた様子で噴煙をあげている。富士山である。「おうおう、何か今の時代を表わしているような…」 一人の旅装の僧が、目の前の風景に嘆息をしている。心のうちから言葉が吹き出していた。その歌を書き留めている。詩想が頭の中を襲っている。湧き上がる溢れんばかりの想い。僧は、もとは武士だったのか屈強な体つきである。 勢 . . . 本文を読む
遙かなる絆-ランナー第7回●地球防衛機構(EDO)シリーズ飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」マコトは爆発の瞬間、無意識の内に、テレポートしていた。彼の体はムーン=ウェイ・ルートの軌道内にあった。軌道内は余り損傷を受けていないようだった。爆風は、シャトルトレインの前後に吹き荒れたようだった。シヤトルトレインは原型をとどめていない。軌道内には空気が . . . 本文を読む
義経黄金伝説■第13回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所★漫画通信教育「マンガ家になる塾」★you tube「マンガ家になる塾」 桟敷の中央にいる源頼朝が、急に立ち上がった。「あの白拍子めが。この期に及んで、ましてやわが鎌倉が舞台で、この頼朝が面前で、義経への恋歌を歌うとは、どういう心根だ。この頼朝を嘲笑しているとしか思われぬ」 頼朝は毒づいた。それ . . . 本文を読む
封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第10回●作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」アー・ヘブンが立ち去った後、しばらくして,北の詩人は意識をとり戻す。大球と小球を結ぶコードは揺れていた。北の詩人は振動するコードの中で,はいつくばりながら、事の始まりを思いかこしていた。北の詩人は、古代に生きていた男の実体化であった。詩人は自分白身のデータを情報 . . . 本文を読む
アイランド■第3回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 機動兵サージャント(連邦軍軍曹)、マイケル・ブレナンが、命令を下す。屈強の機動兵を前に。 「キャノン、どこに侵入者がいるか、早くピックアップしろ」 キャノンニ等兵は、生動体スキャナーで、アリスフアーム全体をサーチする。 「ちぇっ、皆、同じ顔をしてやがる」キャノンは毒づいた。 バイオノイド=ママ、アリスは確かにステロタイプだ。アリスファー . . . 本文を読む
源義経黄金伝説■第12回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所大江広元おおえひろもとは、これから奥州平泉を攻めようとする頼朝にとっては勝利を確約する、いわば勝利の女神であった。なぜなら、大江広元の曾祖父は、奥州攻略を成功させた八幡太郎はちまんたろうの知恵袋だった。占いの専門職。占いはこの時期の総合科学である。しかし、今、その広元は恐怖を感じて、青ざめていた。このままでは、会場の武士を味方にして . . . 本文を読む
ロボサムライ駆ける■第42回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikku.com/ MangakaData.net ■第五章 機械城(5) 「皆様方、これは千載一隅のチャンスじゃ。ロセンデールのライオン丸が沈んだ今となっては、水野も斎藤も弱気になっでいよう。この勢いを持って、機械城を打ち賊ぼぞうぞ」 山本が装甲車の上に立って、反乱ロボットたち・に叫んでい . . . 本文を読む