SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第8回 カド博士、情報省のチヒロ、超能力者少女ラミーは、地球をめざす。
消滅の光景 第8回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
「そうです」チヒロは言う。
カド博士は少し考えていたが、
「よし、彼女ラミーを連れていこう」
「こんな少女をですか」
「私の霊能力がそう告げているのだ」
「博士、急ぎましょう。先刻、2台のホーが逃げたのです。滅びの戦士たちは
ホーの記憶回路から、あなたが生きていたことを知るでしょう」
情報省の医療センターでカド博士は集中治療を受けていた。
体力の回復次第、地球へ出発と決定された。カド博士の周辺は充分な警
備が施されている。
助手であるアンドロイド=タクも常に博士の側にいた。
病室から出て来たタクに一人の兵士が近づく。
「タクさんですね、チヒロ中尉がお呼びです」
’「でも、私は博士の側から離れるわけにはいきません」
「至急、おこし下さいとの事です。,.大切な要件とのことです」
「そうですか、それなら」
兵士は先に立ち、通路を歩き始めた。しばらく歩いた後、タクが
尋ねる。
「遠いですね。どこにおられるのですか、チヒロ中尉は?」
「もうすぐです。この角を曲ったすぐの部屋です」
突然、背後から二人の兵士が近づき、タクの腕を取る。
「何をなさるのですか」
タクは腕を振り迫どこうとした。がそれより旱ぐ、一人の兵士は
タクの肩にある回路をレーザーで焼き吸っていた。
三人の兵士達はタクのボディを大きなストレッチャーに載せ、
いずこへと音もなく消えた。
一時間たった後、タクは博士の病室の前にいる自分に気づいた。
今まで自分が何をしていたか憶えていなかった。
■ 情報省の調査船エクスは、セクターの引力圏を離脱し、地球に向
い進みつつあった。直径三百m、エクスは小型の球形船であるが、
優秀な調査能力を装備している。
コックピットの中でチヒロは情報省からのデータを整理していた。
彼は今、ラミーのデータを再度読んでいる。
『ラミーーグリーン。15歳。超心理学者ギャリー=グリーンと歴史
学者エレノア=グリーンの間に生まれる。
両親は地球考古学調査隊に所属していたが、行方不明となる。
1人娘であ・った彼女はセクターに連れ戻され、
連邦優生児保護法によって、ロボットマザーの手により育てられる。
3歳位よリ超能力を有することがわかり、連
邦所属の超心理研究所に預けられる。現在はそこの所員である』
「15歳で超心理学研究所の所員か」
チヒロは独りごちた。彼女の両親は地球で行方不明になっている。
何か関係があるのだろうか。
カド博士は、タクの助けを借り、地球で行方不明になったと考え
られる人々のリストを克明に調査し七いた。情報省のコンピュータ
ー解析では、共通因子を発見できなかった。が、彼は彼なりに分析
することにした。
消滅の光景 第8回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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