ザ・ゲーム(1979年作品)第10回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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「まあ、僕にまかせておきたまえ。僕はこの
局地戦を見ていてね、この久賀島での戦争ゲ
ームが子供の遊びだって事に気がついたんだ」
「ほう、偉いじ?ないか。それで」
「僕はこの島久我島を出て、傭兵部隊を作るよ。世
界を相手に商売をするよ。僕の。黄泉の軍隊を
使ってね」
「よ、傭兵部隊だって」
「七うさ、世界の軍隊を相手に戦争ができる
からね」
「それで、俺はどうすればいいのだ」
「そう、僕はなりは子供だからね、僕のビジネスに
は大人の君が必要なんだ。公の場所へ僕が行けば、
まとまる話もまとまらないだろう。だから大人の君。
協力者が必要なんだ
俺は考えていた。
「話はわかった。俺が総合案内所ってわけだな。
うIん、傭兵か、悪い話じ
?ない。探偵よりはもうかるだろうな」
俺の頭は極めて単純にできている。
「そりや、もうかるさ、100億単位さ」
「乗った。俺は七の話に乗った」
外では米軍が最初優位に立っていたが、ソ
連軍のロケ″卜弾発射筒RPG-7Gの「発
が数人のグリーンベレーをなぎ倒してから、
レイドビキが優位に立った。
`
数時間後、相方、一人ずつしか残っていな
かった。両軍とも死亡するか、かなりの重傷
を負ご?ていたのだ。
両軍の指揮官は同一の命令を受けていた。
もし南条則夫が敵の手に渡りそうならば、機
先を制して、則夫を殺せと。
意を決した二人は同時に立ちあがり、各々
のバズーカを拝所へ向けていた。
拝所はバラバラに吹き飛ん
だ。両軍の指揮官は「やった」と叫んだあと、一
同時に、相手の存在に気がついた。
ほんの数百分の一秒間、彼らはにらみあっ
ていたが、両者同時に拳銃を抜いた。ソ連兵
はPMからマカ’ロフ弾を、米兵はバイスタン
グートHDから、22口径弾を相手にめがけて
発射した。銃声は一発にしか聞こえなかった。
二人は。やはり同時に倒れた。
ホワイトハウス内の大統領執務室内に偵察
衛星からの映像が受信されていた。
「残念、引きわけに終ったか」
「もう少しの所でしたが」
「南条則夫の問題もうまく片づいたようだ」
「大統領、クレムリンからホ″卜=ラインが
入ってきておりますが」
「よし、でよう」
両首脳はお互いの軍の健闘を誉め称えた。
両国は暗黙の了解で南条則夫のことにはふれられ
なかった。そして、年に一回、このような模擬戦
闘を行う事を両国はとり決めた。
久賀島沖に一隻のヴィクター型ソ連潜水艦
が突然出現し、太平洋艦隊から離脱しょうと
していることにクレムリンは気づいていなか
った。それに七のヴィクター型潜水艦は登録
番号がなかった。
■
「私達二人だけにして下さい」
洋子は、心配
げなリ・Iマソ侯爵に向かって言った。
・洋子の部屋にはいる。洋子は俺にしなだれ
るように言った。
「西さん、話があるの」
「ほほ、又、子供が誘拐されたとでも言うの
かね」
「冗談を言っている場合じゃないわ」
「俺も冗談を言いたくはない。洋子、よくも
俺をだまして則夫のゲームにしてくれたね」
「南条財閥の半分でどう」
「何だって」
「私の義理の父は死んだわ。アメリカかソ連
の情報部、あるいは両方の計り事ですね」
「あの子を渡さなかったからかね」
「たぶんね、私の話わかるかしら。あの子ま
だ生きているんでしよ。それでなければ、あ
なたがここにいるわけはないわね」
「つまり、則夫を俺が殺せというわけかね」
「そう、そうよ。そうすれば、南条家の全財
産は私達のものよ」
【残念ながら、。俺は傭われているんだ。今雇用主がいるんだ】
「誰に、ひょっとして」
「そう、あんたんとこの南条則夫にね」
ザ・ゲーム(1979年作品)第10回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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