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夢王たちの宴■第24回■ゴルゴダシティのマリクは導師デルガに反乱を起こす。がデルガの 口からはこの夢世界、そしてドラッグウォー以前の、各人の本当の姿とジェイの秘密が語られる。

2021年10月20日 | 夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー
 
YK夢王たちの饗宴--(ドリームドラッグ・ウオーの跡)夢世界の入り組んだ異世界、最高の夢王は、だれなのか? なぜ、この夢世界はできたのか?ドリームドラッグ・ウオーとは?
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夢王たちの宴■第24回■ゴルゴダシティのマリクは導師デルガに反乱を起こす。がデルガの 口からはこの夢世界、そしてドラッグウォー以前の、各人の本当の姿とジェイの秘密が語られる。
 

夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第24回■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube

 

■第24回■

 

ゴルゴダシティの 移動宮殿「フォトン」の内部では動揺がおこっていた。

 

 モーター達が反乱をおこしたのだ。

 

きっかけは「ハルフォードの稲妻」第2楽草だった。

 

 モーター達の胴体を包んでいたチューブはひぴわれた。

 

一気に地下部から彼らは舞台の方へかけあがっていく。

 

モーター達の首に埋められていろ電極のコントロールは効かなくなっている。

 

フォトンは振動し始めていた。

 

コントロールルームはすでに叛乱のモーター達により破壊されていた。

 

ジェイのビブラフォーンの演奏を聞いているというより、すでに、ジェイ

 

とビブラフォーンによって作りあげられた感覚世界に酔っている観

 

客に何も気づいていない。

 

 バルコニーの所にいるデルガに、モーターの叛乱が知らされた。

 

「何だと」デルガは顔色を変えた。

 

「マリク、早く、叛乱をおさえるのだ」

 

 マリクは返事をしなかった。

 

「マリク、どうしたのだ」デルガが不思議な顔をした。

 

「そうか、お前だったのか」

 

 マリクは、デルガの顔を見てニヤリと笑う。

 

 

「残念ながら、そのようですな。

 

さあデルガ、私にこのゴルゴダシアイの大導師の地位を禅譲していただきたい。

 

ここで宣言して下さい。

 

 

 

さいわい、観客はジェイのビブラフォーンの演奏で気づいていない」

 

 

「マリクよ、お前はまだ気づいていないのか」

 

「何をだ」

 

マリクは、デルガが笑っているのに驚いた。

 

絶体絶命の危機にあるというのになせだ。

 

「私に対して叛乱をおこすことなどなかったのだよ、マリク」

 

デルガはすっきりした表情でいう。

 

「どういう事なのだ、言ってくれ」

 

マリクは不思議に思った。

 

「私がジェイに『ハルフォードの稲妻』を演奏してくれと面会した時から

 

、ここゴルゴダシティは消え去る事は決定されたのだ」

 

 

「デルガ、、あなたはわかっていたのだな。

 

ジェイがジェイ・ボラード、神の手を持つ男だと」

 

「後で気付いたのだ。あの『ハルフォードの稲妻』

が普通の人間には、演奏できるわけではない。

 

ジェイ・ポラードの集早く動く神の手でなければ、はだめなのだ。

 

道化師マリク、いや、ついでに前の夢世界での名前を言ってやろう」

 

 

デルガはにこやかな表情だ。

 

道化師マリクはたじろぐ。

 

いや、そんなはずはない。前の夢世界での名前だと、これはだれかの夢世界なのか。

 

「ドクター・シュッカ、君はまだ気づいていないようだな」

 

ドクター・シュッカという前の夢世界の名前で呼ばれた、、、

 

道化師マリクの顔はまっ青になっている。

 

「君は、この幾重にも重なる夢世界。

 

ドラッグウオー後の夢世界。私の夢世界でコルゴダシティの1部分なのだ。

 

私、デルガの夢世界が崩壊すれば、君自身、道化師マリクも無論、消えてなくなるのだ」

 

「信じられん」

 

 マリクはしばらく考え、やがてある事に気づき、デルガの方に指をむけた、

 

「あなたは、、、スプローギン大佐だな、あなたは」

 

マリクは、前の世界の名前「スプローギン大佐」で、デルガを呼ぶ。

 

 デルガは笑っている。

 

「そうだ。が、、少し違う。

 

私はあのポーランド、ワルシャワ条約軍にいるスプローギン大佐自身ではない。

 

 

スプローギンという男の作った「夢世界」の彼自身の投影なのだ。

 

ドラッグウオーの引き金を引いた男のね」

 

「それじゃ、あのビブラフォーンは」

 

 マリクは、今にも目玉が飛び出しそうな表情だ。

 

「そう、気づいたかね。

 

あのビブラフォーンは、ジェイ・ボラードの恋人、「アイラ」の変化した姿なのだ」

 

20141126改訂(続く)

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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