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インザダスト第8回■D25は自分の計画と上の世界への復讐の思いを私シオンに告げて逝った。すべて上の世界からの命令を受けたゼルフィンの攻撃によるものだ。そして影の男。彼は私を驚かせた。

2020年12月18日 | インザダスト
IDインザダスト■私Z88は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。しかしそこは階級社会であった。
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インザダスト第8回■D25は自分の計画と上の世界への復讐の思いを私シオンに告げて逝った。すべて上の世界からの命令を受けたゼルフィンの攻撃によるものだ。そして影の男。彼は私を驚かせた。
 

インザダスト第8回(1986年)SF同人誌・星群発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

D25はゼルフィンに言った。

「そう、俺が穀物に細菌を添付したのだ」

 

「それで、お前はそれに対する治僚薬も考え出したのだろりな」

 D25はゼルフィンの方へ体を向け、ほほから血をしたたらせなが

ら、例のにやり笑いを見せた。

 

「残念だが、ない」一言しゃべる度に口から血がしたたり落ちる。

 

「何だと」怒ったゼルフィンがD25の下腹をけり上げた。D25は床

に血ヘドを吐く。

 

「下の世界にしか存在しない病原体た。上の世界では手の施しよう

かあるまい」

 

「きさま、老人ではないな」ゼルフィンが絶叫した。顔か紅潮して

いる。

 

影の男か言った。

「きさまのおかげで、何人もの若人が死んでいるんだぞ。何も感じ

ないのか」

 

「思わないね。これは俺の、この社会ンステムヘの復讐だからな」

 

「復讐たと」

 

「この社会システムのおかげて多くの友人達か、下の世界に絶望して死

んでいったんだ。それに俺の恋人も、、、」

 

 私シオンは、彼D25の部屋で見た写真を思い出していた。

 

 「それは彼らの可能性が消滅したからさ」

 

 「違うそ。ポテンンャルかある者もダスト=ンュートヘほおり込ま

れた。マザーに対する危険分子としてな」D25は泣いていた。

 

 「こんな所で時間をくっているわけにはいかん。病原菌について、

彼のラボのコンピューターからデータを収集しょう。それから対策

をねろう」ゼルフィンが言った。

 

 「このD25はどうします」影の男が言った。

 

 「もうこの男D25に用はない。処分しろ」

 

 「待て」私は思わず叫び、レイ=ガンを腰だめにして管制室へ飛び

込んでいた。

 

 影の男がこちらへ顔を向けた。

 

 「お前は」

 

その男は、私と同じ顔をしていた。

 

 「私は君たよ」その男は静かに言った。

 

 「………」

 

 横からゼルフィンが口を出した。

 

 「驚いたかね。シオン。この男もシオンなのだ。

 

シオン=ダッシュと言った方かいいか。

 

この下の世界へ降下する前、高級市民最高幹部会の依

頼を受ける前に君はかなり悩んだはずだ。

 

君はマザーに対して疑問を感じていたからね。

 

苦しみ夢をも見たはずだ。それが君の家の個

人コンピューター回路がリレーして、

マザーに伝えられたのだ。

君の思考を読みとったマザーは自己自衛機構を作動させた。マザーに

対しての君の思想の危険性をチュックし、それから推論した」

 

 目の片隅でD25がゆっくり動いているのがわかった。

 

彼は床の下にある小さなレッド=ボタンを押した。

 

長弁舌をふるっているゼルフィンは気かつかない。

 

「それゆえ、マザーは君の部屋にあった皮膚の一片からクローン人

間を造りあげたのだ。彼がそれだ。このシオン=ダッシュは上と下

の世界の秩序を保全しようと努力している。彼シオン=ダッシュは私を助けるために

この世界へ私と共に降りて来ていたんだ」

 

 「近よると、射つぞ」私は叫ぶ。

 

 「ほう、射ってみたまえ。君にこの私か射てるのかね」

 

シオン=ダッシュが冷たく言った。もちろん、私に彼枝が射てるはずがない。

 

 2入の対決に気をとられていたゼルフィンにD25が死力をつくし

て飛びかかった。

 

 「Z88、逃げろ、このタワーから逃がれるんだ。自爆装置のスイ″

チをいれた。こいつらには病原体の事は探り出せないんだ」

 D25は叫んだ。

 

ゼルフィンはD25ともみあっている内に銃を放った。

D25はうめいた。肉のこげる臭いがした。D25の右肩が完全に

炭化している。その時、私シオンの銃をシオン=ダッシュがたたき落とし

た。

 D25はわずかに頭を持ち上げた。

 

「無念だ。Z88。過奈良津この下の世界を楽園にシてくれ。頼む、、、」

D25ha私にそう言い残して逝った。

 

「残念だな。シオン。それじゅあ俺達と一緒に上の世界に戻ってもらおうか。時間が

ないのだ」

 エレベーターで降下しながら、私はゼルフィンに尋ねた。口にす

るのも恐るべき事だが。

 

「ゼルフィン、お前、下の世界から老人を一掃するつもりではない

たろうな」

 

 ゼルフィンは鼻で笑った。

「ふふ。よく感ずいたな。その通りさ。そう最高幹部会とマザーに

提案する。これより先、下の世界では老人を使わない」

 

「それじゃ、老人はダスト=ノュートからどこへ投げ出されるのだ」

 

「回収不能の宇宙空間へだ」

 

「くそっ、老人を皆殺しにする気か」

 

「我々、上の世界が生き残っていくには、切々捨てる事も必要だ」

 

「それじゃ、食糧の確保はどうするつもりだ」

 

「原住民の頭脳をもっと進化させる。それにロボットを補助させれ

ば、事は足りるはすだ。さあ、もうわかっただろう。もう君が手を

出す段階ではないのだ」

 

 タワーの下に軍用ホーバーぞフフトかやってきていた。原住民の

姿は消えていた。

 

「この世界の見収めになるだろう。よく見てかけ」

 

 後から二台の武装ホーバーぞフフトか続く。内には戦闘ロボット

を満載している。

 

 大きな爆発音と閃光が襲ってきた。

 

 

インザダスト第8回(1986年)SF同人誌・星群発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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