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新人類戦記第三章聖域第13回英領ポートモレスビー港停泊中ソビエト船ノブゴロドフ号に アメリカCIA部隊は、ソビエト超能力戦士部隊を壊滅させるため 攻撃をかける。

2021年03月16日 | 新人類戦記第3章
新人類戦記第3章聖域南西アフリカ、紛争地域ビサゴスを抜け、ジョバ川をさかのぼり、悪魔の山アコンカグワを目指す2人の姿があった。
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新人類戦記第三章聖域第13回英領ポートモレスビー港停泊中ソビエト船ノブゴロドフ号に アメリカCIA部隊は、ソビエト超能力戦士部隊を壊滅させるため 攻撃をかける。
 

新人類戦記 第三章 聖域 第13回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)

 

 

■英領南西アフリカ・ポートモレスビー

 

 英領南西アフリカ、ポートモレスビーにお

 

けるCIA本部はピザゴス共和国へはいる船の監視、監督をも任

 

務の一つとしていた。

 

 アランはポートモレスビーのCIAのエー

 

ジエージェトの一人であったが、昨日から行方不

 

明となり、他のエージエージェトは彼の行方をさ

 

がしていた。

 

 ダブル=ジエージェトのリフから呼びださ

 

れていた事がつきとめられた。リフは目をつ

 

けられていた。リフの居場所が突きとめられ、

 

二人のCIAエージェント、クリフォードとシモンズ

 

が、リフのベンツが港の方へ向かうのを発

 

見していた。

 

「クリフォード。見ろ、あれはリフだぞ。アランをつれている」

 

「どうやらそのようだな」 とシモンズ。

 

「どうする。すぐ助け出すか」

 

「待て、待て、彼らの行き先を確かめよう。

 

行き先によってはCIA本部から増援部隊を呼ばな

 

ければならんかもしれんぞ」

 

 二人の乗った車リンカーンの前を、ジフの乗ったペ

 

ソツが止まり、四人がソ連の商船ノブゴロドフ号に乗り込むのを見届けた。

 

 

「ソビエト船ノブゴロドフ号だ。いかん、応援を呼ぼう」

 

 クリフォードは言った。

 

「どうするつもりだ」

 

「あの船を攻撃しなければならんな。あの船

 

の事は君も聞いているだろう。ソ連のビザゴ

 

ス解放戦線向けの超能力戦隊が乗り込んで

 

いるという情報があった」

 

「事故にみせかけて、あの船を沈めよう」

 

「そうだな。いささか強行手段だが。あとの

 

事を考えれば、それが最善だろう」

 

「アランをどうする」

 

「しかたがない。犠牲になってもらおう」

 

■英領南西アフリカ・ポートモレスビー湾内

 

ソビエト船ノブゴロドフ号

 

 

 

「シュチェフキン大尉、どうやら相手のCIAの方からやってきてくれたようだ」

 

 ノプゴロドフ号でダレルがつぶやいた。

 

「CIAの連中か」

 

「そうだ。CIAのポートモレスビー支部の全員がノプゴロドフ号を炎上させようと集ま

 

ってきているよ」

 

「ありがたいことではないですか。我々の力を発揮できるとはね」

 

 ベトナム人ルンが言った。

 

 重装火器や爆薬を満載したバンや車がクリフォードとシモンズの車のとなりに次々と到

 

着した。

 

 

「よし、上空のシコルスキー=ヘリからエアゾール爆弾を落下するように連絡しろ」

 

 クリフォードは言った。

 

 エアゾール爆弾は一名、気体爆弾ともいう液体のエチレン=オキサイドがつまった箱が

 

落下され、壊れる。中のそれは気化し、蒸気の雲をつくりあげる。たちこめたそれを点火

 

すれば、TNT火薬の何倍もの威力を持つ破壊力が発揮される。やけどと酸素不足でその

 

近辺にいる者も死亡する。

 

 

 

 シコルスキーヘリは、夜空にまぎれて、箱を落下した。気体はゆっくりと充分にノブ

 

ゴロドフ号を被った。

 

「発射!」

 

 クリフォードが命令した。車の陰から、数十名のCIAエージエン卜が、擲弾筒を次々

 

に発射した。

 

 

 

 全員が車体の下へ身をふせた。当然、強力な爆発音と爆風が襲ってくるはずだった。

 

 が、何も起らない。点火されないのだ。

 

「なぜだ。なぜなんだ」

 

「もう一度やってみよう」

 

 ノプゴロドフ号は奇妙に静かであった。物音一つしなかった。

 

 再び、彼らは発射した。が結果は同じだっ宍いにわっ、ジモンズ、見ろ」

 

 それは信じられない光景だった。

 

 ノブゴロドフ号を被っていたはずのエチレン・オキサイドの気体群がまるで生き物のよ

 

うに、彼らの方へ恐るべきスピードで近づいてきた。彼らは逃げだそうと車に乗った。プ

 

ラグの火が引火した。

 

 そして、大音響と、強力な光の開放がその埠頭全体を襲った

 

 しかし、その爆発の中で、ノブゴロドフ号はただ一隻、完全と静止状態の中にあった。

 

まるでそこだけが異空間のようにも見えた。

 

 

 

新人類戦記 第三章 聖域 第13回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)


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