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消滅の光景 第19回 チヒロ中尉 カド博士 少女ラミーは、この現実を突きつけられて、ミレニアム信仰が事実と認識。少しづつ周りの事象が消滅していく。

2020年11月13日 | 消滅の光景
SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第19回 チヒロ中尉 カド博士 少女ラミーは、この現実を突きつけられて、ミレニアム信仰が事実と認識。少しづつ周りの事象が消滅していく。
 

消滅の光景 第19回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

「そして、その声がチヒロ中尉についていき、地球へ行けといったわけ

だな」霊科学者カド博士が冷静にいった。

 

 「博士、今の言葉は本当なのでしょうか。私達が、新しい世界を開

くための種子になるということは」セクター連邦軍情報部チヒロ中尉がたづねた。 

 

 「同時に古い世界が滅びるのだ」カド博士が再び冷静にいった。

 

 「古い世界?」チヒロ中尉が首をかしげる。

 

 「そうだ、私達のセクター連邦が滅びるのだ」

 

 「それじゃ、まったくミレニアム信仰と同じになってしまうじゃあり

ませんか」チヒロ中尉が再びたづねた。

 

 「ミレニアム信仰は真実だったのよ」

 若い まだ少女であるラミーの冷え切った声が付け加えた。

 

 「新しい世界を生む種子が、何世代もの間、遺伝子の中に組み込ま

れていたのよ。それが偶然、表に聊われることだってあるわ。皆、

無意識のうちにこの事実を知っていたのよ。いつか、このセクター

連邦が滅びることをね」超能力少女ラミーが続けた。

 

 「滅びの戦士が私達を裏切り者と呼んだのは」超能力少女ラミーが疑問を投げた。

 

 

 「本当だったのだ」カド博士が答える。

 

 「新しい世界を生む種子は、つまり旧世界を滅ぼす病菌だったわけ

だ」   

 

 「彼ら滅びの戦士はより強く、我々の世界が滅びることを知っていたのだ。よ

りはっきりと知っていればこそ、それを覆そうとしたのだ。そして

彼らも地球の塔の存在を知り、攻撃を仕掛けてきたのに違いない」カド博士が続けた。

 

 「彼らは、祖先霊の助けを得ていためよ」超能力少女ラミーが話をつなぐ。

 

 「調査船エクスで祖先霊が我々を襲ったのもそのためだったのです

ね」チヒロ中尉がいう。

 

カドは首肯した。

 

「セクターで、私を襲ったのも、そのためだ」

 

「じゃあ、私はなぜ、セクターで滅びの戦士に襲われなかったのかし

ら」ラミーが尋ねた。

 

「君は、セクターの超心理研究所にいた。あそこは超能力者の砦だ

からな。彼らも迂閥には手を出せなかったわけだ」

 

 「今だに信じられない話です」チヒロ中尉がつぶやく。

 

 「だが、真実なのだ」カド博士が答える。

 

 「しかし、博士、種子というのはどういう役目なのでしょう」

 

 「それは塔に行って見るしかない」カド博士がはっきりと答える。

 

 

 彼ら三人は塔に向って歩き始める。駐屯本部の外へ出たラミーが

声をあげた。

 「チヒロ中尉、見て、空港の方よ」ラミーが指さす。

 

 さっきまで空港に充満していた宇宙船の残骸や老朽飛行船がなく

なっていた。

 

 「塔の力によって消えているのだよ」カド博士がつぶやく。

 「ええ」ラミーが答える。

 

 「塔が、不用となった旧世界の物質をどんどん消去しているのだよ」

 

 滅びめ戦士の攻撃を受けて生き残っていたミレニアム信徒達も、徐

徐に消え去っていく。

 

 セクター連邦軍の男達も灰になって行く。

 

 エア・カーも消え去っていく。

 

 三人は町並を出て、塔を見上げる荒地に再び立っていた。

 

 塔は先刻より、輝きを増していへるようであった。

 

 突如、静けさを破り、上空から轟音が響いてきた。空に小さな点

が見え始め、やがて点は拡大し、巨大な宇宙船の群れとなった。

 

消滅の光景 第19回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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