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封印惑星)第10回北の詩人は「情報ユニット」を使う「イメージコーダー」を発明。数百年後「イメージコーダー」は地球軍のビッグコンピュータとリンク、大球の「機械共生体」の中心に。

2019年11月29日 | 封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)

CP封印惑星・封印された新地球で、情報収集端子である一角獣・新機類は、天空の光矢を見る。 それは新地球の解放者、世界樹の出現する予兆であった

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封印惑星)第10回北の詩人は「情報ユニット」を使う「イメージコーダー」を発明。数百年後「イメージコーダー」は地球軍のビッグコンピュータとリンク、大球の「機械共生体」の中心に。

封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第10回●

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

山田企画事務所「マンガ家になる塾」

 

 

 

アー・ヘブンが立ち去った後、しばらくして,北の詩人は意識をとり戻す。

 

大球と小球を結ぶコードは揺れていた。

 

北の詩人は振動するコードの中で,はいつくばりながら、事の始まりを思いかこしていた。

 

北の詩人は、古代に生きていた男の実体化であった。

 

彼は自分白身のデータを情報ユニットとして残していたのだ。

 

北の詩人は、詩人であると共に、優秀な技術者でもあった。

 

彼の画期的な発明が「イメージコーダー」てあった。

 

 「情報ユニット」を「イメージコーダー」にセットすれば、それが実体化されるのだ。

 

ただしわずかな時間だったが。

 

 北の詩人は、その発明のパテント代で億万長者となり、死後、巨大な地下ピラミッドに埋葬された。

 

 もちろん納宮室には、「イメージコーダー」と、彼の大好きだった「情報ユニット」

 

のコレクションが収納された。

 

 数百年後、このピラミッド近くに建築された、地球連邦軍のビッグコンピュータとリンクして、

 

「イメージコーダー」が「機械共生体」の中心になるとは想像だにしなかった。

 

 彼の地下ピラミッドの上には、樫の樹林が果てしなく広がっていた。

 

その中の樫の木一本に、北の詩人が若い時、ナイフで刻みつけたフレーズが残っていた。

 

『私の夢は・・・・:』

 

 

 

● たどり着いたシャフトの内部を見て、アー・ヘブンは驚く。

 

ここは古代の遺跡なのだろうか。

 

 

 触手をのはしてみる。情報ユニット群にふれる。情報ユニットはやはり、

アー・ヘブンと同じ植物繊維からできている。

 

 さらに、情報これらの一つ一つは繊維のシートの集合体だった。

 

 各シートの表面には、この星の旧生物が使用していた記号が、多量に刻み込まれている。

 

 記号をシート上に刻み込むことを「印刷」といったらしい。

 

 その記号を、この星の生物は古代より「文字」と呼んでいた。

 

この一枚一枚のシートから或る情報ユニットは″本″と呼ぱれていたのだ。

 

この本の集合体が、データベースであり、この星の住民は、視覚を通じて脳に入力していたのだ。

 

 

この情報ユニット″本″が数十万、いや数百万ユニット、シャフトの中心部内壁に埋め込まれている。

 

 

しかし、アー・ヘブンが鉄表を破って潜入し、密閉されたシャフト内に外気が侵入したことにより、シート=紙が変質し崩れ始めた。

 

粒子となり飛び散り出す。

 

 何千年の夢だろう。

 

数えきれない程の、多数のこの星の住民の知恵が、虚空ヘチリとなって消え去っていく。

 

 この星の文明遺産の消失であった。

 

 膨大な本という「ペーパー情報集合体」が消え去り、その後に古い機械が姿を現わす。

 

機械共生体であった。

 

 

(続く)

●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第10回●(1987年作品) 

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

山田企画事務所「マンガ家になる塾」



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