ガーディアンルポ02「人間樹の星」第10回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/
ガーディアンのクリスは盲めっぽぅにナーダ77のフライングキャッスル操作室の
パネルを破壊し始めた。
「やめろ、やめてくれ」急に声が響いた。そして 声は哀願した。
「頼む、やめてくれ。体を破壊するのはやめてぐれ。それは私の神経システムの中枢なの
だ」
「お前は誰なのだ」
クリスは手を止めて尋ねた。
「私か。私が、フライングキャッスル自体がナーダ77の領主なのだ」
フライング・キャッスル がそれ自体一つの生奇体だったのだ。そして領主だった。
「しばらくの間、言うことをきいてもらえるかね。そうすれば私も乱暴は働か斤いよ、ご領主あ
なだの体にはね」
「わかった。か、お前の思う通りにする。しばらくはお前の勝ちだ」
声はとぎれた。
ガーディアンのクリスは、フライング・キャッスル をガーディアンの相棒ヘルムの頭上に停止させた。地上すれすれた。
スキャッグ達、地虫は、ある入物の指令により攻撃を開始していた。地下トンネルのあ
ちらこちらから勢いよく飛び出した。樹園の方なから火災放射罫による火が燃えあがってくる。
有翼人は地虫を見つけ、反撃を始める。
ガーディアンのヘルムは、思いきり跳躍し、フライング・キャッスルの底部にとりついた、クリスに合図をテレパシーでかくる。クリスは急速にフライング・キャッスルを上昇させた。
このガーディアンの任務は失敗に終わりそうだ。目標の人物、人間樹のグレイをどうしても県つけなければとヘルムはあせった。
ヘルムは、フライング・キャッスルの底部にいるのが自分だけでないことに気がついた。
小さな子供だった。
ビッグだ。
ビッグは何とかヘルムに助けられ、フライング・キャッスルの下部ハッチから内へ人った。
ハッチはクリスが開けてくれた。
有翼入はあらわれなかった。クリスがフライング・キャッスルの中枢、操縦室を押さえているので、うかつに手を出せないのだ。
ヘルムは少年に尋ねた。
「お前は?名前は」
「僕はビッグ、人間樹の番人さ。おじさん、グレイさんを捜しにきたんだろう」
『そうだ、なぜ、それを知っている』
ヘルムはテレパシーでビッグに尋ねた。
「昨日、有翼入からグレイさんを檜えかえるように言われたからさ。植え替えなんてあんなことは初めてだからね。これは何かあると思ったんだ」
「それじゃ、お前はグレイが今植えられている所を知っているんだな」
「そうだよヽ僕が植え変えたんだからね」
「ビッグくん、すまんか、さっそくそこへ連れて行ってもらえんか」
「その前に、一つ頼みがあるんだよ」
「何だ、言ってみろ」
ビッグはポケットから小型の箱をとりだす。
「おっとヽ無理やり、僕の頭からその場所をテレパシーで探ろうとしてもダメだよ。そんなことをすればグレイさんは死んでしまうよ。グレイさんの足もとに小型爆弾を埋めてあるんだ。このスイッを押せば総て終わりさ」
「チェッ、おまえは、悪賢いガキだ。わかった早く言え」
「僕も地球に連れていって分くれよ」
「何、人間樹の番人のお前をか。ナーダ77の人間樹の番人!」
ヘルムはビッグの姿を見まわす。
「そうだ。僕はナーダ77で小さい時から育った。たから一度も地球を昆た事がない。地球の事はグレイさんから色な聞いた。行ってみたいんだ。お願い、連れて行ってくれよ」
ヘルムは少し考えて
「わかったよ。連れていってやる。早く、グレイの居場所を教えてくれ。人間樹林に火がまわってくるそ」
「本当に、地球に連れていってくれるんだね。まちがいないね」
「ああ、だから早く教えてくれ」
フフイング・キャッスルの窓からビッグは指さした。
「あすこだよ。あそこにみえるあの番人小屋の近くだよ。早く、このフライング・キャッスル を横偏に降ろしてよ」
フライング・キャッスルは番人小屋の真上で静止した。
クリスも操縦室から出てきて、ガーディアン2人とビッグ三人でフライング・キャッスルから飛び降りた。
小屋の横に袋に包まれている人間樹があった。ビッグはそれを示した。
「これた。これがグレイさんだ」
ヘルムは人間樹の透明な袋を破き、やや灰色がかったグレイの顔を確かめる。テレパシーで呼びかけるか、返事はない。写真データでヘルムは確認する。
「どうやら、グレイのようだな。しかし心は閉じられている」
「よしヽさっそく、フラインダ・キャッスルヘもどろう
しかしフライング・キャッスルはもう彼らの自由にはならなかった。
領主の意識が蘇ったのだ。それは三人を押しつぶそうとして急速に落下してきた。大地が震える。フライング・キャッスルルのために小屋は粉粉にたたきつぶされた。さらに有翼人も飛来してきた。
『地虫たち、スキャッグ、助けてくれ。ここまで地下トンネルを掘ってくれ』
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第10回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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