遙かなる絆-ランナー第17回●
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
マコトの体は、レーザーの光を受けた瞬間炎に包まれた。
それは速度を増し、アムラーピラミッドヘ激突した。
とみる間に、その炎はアムラーピラミッドの中に吸い込まれていく。
ついに聖火は、月のアムラーピラミッドに届いたのであった。
サムナーはまだ生きていた。
一部始終を見た彼は、すべてを理解した。
聖火はマコトだったのだ。
そして聖火ランナーはヘルムというわけだ。
サムナーの体を高速レーザー砲の光条が貫いた。
「どうやら聖火が届いたようだ」
マニが告げた。
アムラーピラミッド玄室内空間に、大きな映像が浮かび上がってきた。
映像として、地球が浮かび上がっている。
小さな爆発が地球のあちこちで、ゆっくりと起こり始めていた。
「ムニ、貴様、何を自分の部下「フイダイ」たちににさせた」
「おわかりの通り、核爆発だ。私の手の中にあるフイダイを使って特攻させた。
世界中にあるすべての核兵器を、爆発させた。すべての人類はね。自分の手で滅ぶんだ。
いやもうほろんでるかも知れんと言っていいかもしれない」
「いやはや、まだわかっていただけないのかね」
「私は、地球を始原の状態に戻している。地球と月が一体化した。大いなる昔にね」
「地球を「リセット」した。つまり地球を滅ぼして、新しい星と生物を生む」
オットーは、滅びつつある地球人類の中覚醒した人たちは、
自分たち生物の昔の記憶がよみがえる。
のみならず理解していた。
遠くからの恒星から来た星人が、一つの星を二つに分けた。
一つは地球となり、一つは月となった。
もともとが、地球と月は、一つの惑星なのだった。
地球の上で人類が進化し、宇宙へ乗り出そうとした創造者であった生命体は、
その地球の人類の姿を哀れんだ。
●ロードランナー、ヘルムリッカートの意識は、「星間戦争」を思い起こしていた。
そのなかで彼が被弾し、生き残るのった誰のおかげだったのだろうか。
そして地球のロードランナーとしての能力が足り与えられたのか、
リッカートという自分は、何かのパーツであり、使命を与えられた者であった意識が芽生え始めていた。
ロードランナーとして、初めて地球から月へムーンウェイも自分の力で走りきった。
その栄光は何のためだったのだろうか。
防衛組織を作った地球人類。それが消滅しようとしていた。
●マコトの意識は、2017年のエジプトカイロにおける「フイダイの襲撃」を思い出していた。
うす汚れた民族服を着た二人の人間たちがの方たちをはじめとする。
EDOのエスパー部隊達のいる研究所に、爆弾を投げつけた。
●サムナーの意識もまた。炎の中で、自分の役割を思った。
何故にサムナーはマコトと、ヘルムにカートと、解決しなければならなかったのか、
他に更に何故に、長官オットーは。何のために、自分を送り込んだのか、
ついには、スペースシャトルが攻撃一つ使われたのか、
そもそも、月のピラミッド、アムラーピラミッドは何だったのか、
65億の地球人類の意識は、滅び行く中で、自分たち人類の未来をそれぞれに理解した。
この新しい、いわば「新地球」の上で、新たな生命として転生することを期待した。
その瞬間は、地球のすべての宗教が持つ「煉獄と地獄」として、最終的には、「天国」
を思わせるものであり、生命体としての滅亡の不安を解消しょうとしていた。
アムラーピラミッドとは、「意識の時間装置」だったのだ。
「マコト」という生命体が、「聖火」として地球から届いたとき、生成装置が発火したのだ。
その方法は地球人類の聖者と呼ばれる人々が、存在した。
イスラム教指導者のマニは、1956年から、フイダイを作り上げていた。
一方、地球をこのまま形式で保存しょうとする生命体がいた。
彼らは、自分たちの地球人類の生命を守る組織を作り上げた。地球防衛機構EDOである
「オットー、君にも私の立場は分かるはずだ。ただ君は先住民といたからだ。
私は、
私の名は時の旅人。
君たちの人類、中国に諺がある。「邯鄲の夢」というものだ。
それとは一瞬の時になる。、君たち人類の長い歴史も、
全宇宙の流れる中で、くらべてみれば。それは一瞬にすぎないのだ」
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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