夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第18回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■第18回■
地面にころかっている若者達は、まぷしさをこらえ、薄目をあけるブ
光球の中でジェイはすっくと立っていた。
ジエイの服はバラバラに吹き飛んでいた。
ジェイの表情も変っていて、手を上に高くさしあげていた。
「あ、あれは」 ハーンが声をあげる。
光が、ジェイの左手に収斂していた。
「神の手だ」ブラスが叫ぶ。
三人共、驚きで、全員が体を回着させていて、ジェイの左手をみっめ
ている。
ジェイは夢遊病者の様に歩き出し.ハーン達もジェイのあとについて行
く。
伝説の『神の手』、ジェイボラードの伝説。
それを彼らハーン達は、今まさに目の前にしているのだ。それは
新世界の誕生を意味していた。道化師に知らせなけれはならない事
など忘れていた。
彼らは、ジェイの後を追う道化師の存在に、気づいていなかった。
その道化師は、虫に変貌していたのだ。
道化師は、この世界に存在する
何に荷でも化ける事ができる。それがこのゴルゴダシテイのある世界の
ルールだった。
この虫「道化師」は、アリソンに連絡をとった。
アリソンはプレイヤー狩りに精を出していたので、話を、マリクに連絡をつないだ。
「わかった。アリソン、私が出むこう」
マリクは、「オブザーバー」を使い、ジェイの位置を、確かめさした。
「オブザーバー」は、透視能力が極単に発注している男である.
ジェイの位置に、マリクはジャンプした。
マリクは、空間移動能力を持っていた。
ジェイと三人の若者の前に、突如、男が出現した。
「誰だ」三人が叫ぶ
「俺の事を知らんのか。道化師マリクだ」
「それじゃ、あんたが、俺たちのスボンサーってわけか」
ブラスが言った。
「そういう事だ。だが、お前達は仕事を果していない。神の手を持
つ男が現われた場合、すぐさま、我々、道化師に連絡するはずだろう
が」
三人は顔を見あわせた。とりあえずハーンがしゃべる。
「そ、それはわかっていたよ。でも、こいつが本当に神の手かどう
か調べていたんだ」
「言いのがれはやめろ。まあ、いい、どうせ、もうお前たちには用が
ない。どこにでも消えろ。私が用があるのは、その男ジェイだけだ」
「何だと」三人は同時に叫んだ。
「我々の力を見くびっているな、マリク」
三人の力が、マリクの体に集中する。
しかし、急にマリクの体が消える。
「くそっ、どこへ消えた」
代りに、胴体を「チューブ」でかこんだ人間が十人程、彼らの目の前
に出現した。
「何だ、こいつらは」ブラスが叫ぶ。
「気をつけろ、こいつらはモーターだ」
ハーンが、どなっていた。
三人の力が、各々の目の前のモーターに集中する。
ムスカの前のモーターは、心臓をにぎりつぶされていた。
ブラスの前のモータ-は、体がばらぱらに吹き飛んでいた。
残りのでモーター達の体はぐるぐる廻っていた。赤ら顔のハーンの力だった。
数分波、モーター達は、すぺて地面に倒れている。
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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