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アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー★第14回

2015年09月10日 | アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産

アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー★第14回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー
「マンガ家になる塾」
山田企画事務所
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「チャクラったら、本当にこんな不細工なかっこうで外へ出ていけというの」

今トリニティが着ている外出用の服は、学習機で学んだ古代の重い潜水服にそっくりだった。
「イヤよ、こんな装備。レディのかっこうじゃないわよ。チャクラってフアッションのセンスはゼロじゃない」
「いいじゃないか、お前のフアッションセンスの方がおかしい。これは非常に安全なのじゃ。実用的なのじゃ。お前の成人式のため特別にあつらえたのじゃぞ」
「重たい装備!なんで、ここにずっーといちゃいけないの」
「トリニティ、ききわけのない子だな。子供はいつか巣立つものなのじゃ」

「いいのよ、あたしは巣立たなくても」
「わがままを言ってはいかん。これは運命なのじゃ」

 運命。その言葉を聞いた時、トリニティは『君に命を預けにきた』と言った男を急に想い出していた。
あれは誰だったのか?。
想いが一瞬、トリニティの頭をかすめた。

「あーあ、あたしって不幸な女だわ」
「トリニティ、不幸かどうか、お前の年令でわかるものじゃないぞ」
「わかるわよ。いやという程、この世界のことを学習機で勉強したんだから」
「学習機の授業など、過去の遺産にすぎん。現実はもっと厳しいぞ」

トリニティは今まで通ったことのない通路をあるかされていた。
「何、この通路」
「外へでるための通路じゃ。そこにエレベーターがあるじゃろ。それに乗り、表へでるのじゃ」

エレベーターにトリニティが乗ると静かにしまった。
 内線電話でトリニティがしゃべる。
「悪いが、トリニティ、わしは表へいけないからの。お前一人でがんばるんじゃ」
「それで、チャクラ、いつ帰ればいい?」
「何をいっとるのじゃ、ここへは2度と帰れん。それは産道エレベーターじゃ。お前がでると自動的に破壊される。一方通行だ」

 チャクラは恐ろしい事を平然と言う。
「そんなのないわよ、チャクラ」


(続く)20130428改定
作●腐敗惑星● 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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