源義経黄金伝説■第1回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
Manga Agency山田企画事務所
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京都市上京区今出川通り飛鳥井に京都市上京区に白峯神宮はある。
祭神は崇徳上皇(すとくじょうこう)。日本の大魔王といわれている。
幼き帝の手を外祖父、中山忠能がかしづき、新しく出来た神社に詣でている。
「さあ。御君(おんきみ)、ご先祖帝さまにお願い申し上げてくだされ。
これからの、御帝さまを中心とされる新しき政府に、崇徳様の怨霊がたたらぬ
よ うに、あたらしき政治をお守りくだるようにお願いつかまつれ。
代々、我が家、藤原本家に伝わりし、西行法師(さいぎょうほうし)殿との
約束を使え下させ」
幼き帝は、手を合わせ、御願いを、なされた。
「崇徳上皇様、お許しくだされ。我が王朝が武士から世辞を取り戻すに700年
かかってしまいました。今にいたり、源頼朝、大江広元の子孫たる二家、薩摩島津。長州毛利両家をもって、武士どもの町、江戸と政庁江戸幕府を倒し、武士どもを根こそぎ退治いたします。この長き屈折したりし日々をお許しくだされ。
そして、陰都でございます。平泉王国は、いにしえに滅びました、それゆえ、
代わ りに江戸を陰都といたします。平将門を祭る神田明神を持って、陰都の
守神といた します。
が、本来は、崇徳上皇様が祭神でございます。どうぞ、我が王朝が、江戸城をもっ て皇居といたす事をおゆるしくだされ」
御年十六歳の帝は、深く頭をさげた。白峰稜前にある白峰寺木像(白峰大権現)が 讃岐(さぬきー香川県)から運ばれて来ていた。先帝孝明帝が望み、できなかった事をなしとがている 。
「今、奥州東北の各藩が、列藩同盟とか申し、昔の蝦夷どものように反乱を
起こそ うとしております。我が王朝の若い貴族を持って先頭に立ち、荒恵比寿
どもをたいらげます」
帝は、再び深々と、頭を垂れた。
崇徳上皇は、保元の乱(ほうげんのらん)の首謀者の一人である、後白河に
敗れ、讃岐に流され、そのちでなくなり、白峰山(しらみねさん)に葬られた。
讃岐は京都の南西の方角、つまり裏鬼門であり、平泉は、京都から見て鬼門
にあたる丑寅の方角である。
空から、崇徳上皇の独白が落ちてきて響き渡る。
「西行法師よ、長くかかったのう。いつまで朕をまたせたことやら。
がしかし、その陰都もいつまでも、安穏とするかや。
所詮は、東京幕府、所詮は、荒夷ども街じゃ。
朕が情念は、いつしか吹くだすやもしれぬ。
見ておれ」
この日、元号が明治と改元された。
(続)2010版改稿
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「さあ。御君(おんきみ)、ご先祖帝さまにお願い申し上げてくだされ。
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「崇徳上皇様、お許しくだされ。我が王朝が武士から世辞を取り戻すに700年
かかってしまいました。今にいたり、源頼朝、大江広元の子孫たる二家、薩摩島津。長州毛利両家をもって、武士どもの町、江戸と政庁江戸幕府を倒し、武士どもを根こそぎ退治いたします。この長き屈折したりし日々をお許しくだされ。
そして、陰都でございます。平泉王国は、いにしえに滅びました、それゆえ、
代わ りに江戸を陰都といたします。平将門を祭る神田明神を持って、陰都の
守神といた します。
が、本来は、崇徳上皇様が祭神でございます。どうぞ、我が王朝が、江戸城をもっ て皇居といたす事をおゆるしくだされ」
御年十六歳の帝は、深く頭をさげた。白峰稜前にある白峰寺木像(白峰大権現)が 讃岐(さぬきー香川県)から運ばれて来ていた。先帝孝明帝が望み、できなかった事をなしとがている 。
「今、奥州東北の各藩が、列藩同盟とか申し、昔の蝦夷どものように反乱を
起こそ うとしております。我が王朝の若い貴族を持って先頭に立ち、荒恵比寿
どもをたいらげます」
帝は、再び深々と、頭を垂れた。
崇徳上皇は、保元の乱(ほうげんのらん)の首謀者の一人である、後白河に
敗れ、讃岐に流され、そのちでなくなり、白峰山(しらみねさん)に葬られた。
讃岐は京都の南西の方角、つまり裏鬼門であり、平泉は、京都から見て鬼門
にあたる丑寅の方角である。
空から、崇徳上皇の独白が落ちてきて響き渡る。
「西行法師よ、長くかかったのう。いつまで朕をまたせたことやら。
がしかし、その陰都もいつまでも、安穏とするかや。
所詮は、東京幕府、所詮は、荒夷ども街じゃ。
朕が情念は、いつしか吹くだすやもしれぬ。
見ておれ」
この日、元号が明治と改元された。
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