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ザ・ゲーム第1回一九七九年の事だ。 私立探偵業の俺が、 高校のクラスメイトの洋子に出会う。今や 南条財閥の奥方だ。この出会いは意外な展開へと俺を導く。

2020年09月17日 | ザ・ゲーム(1979年作品)
ザ・ゲーム(1979年作品)話は、Y市で私立探偵業の俺が、ある女と出会ったことから 始まる。
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ザ・ゲーム第1回一九七九年の事だ。 私立探偵業の俺が、 高校のクラスメイトの洋子に出会う。今や 南条財閥の奥方だ。この出会いは意外な展開へと俺を導く。
 

ザ・ゲーム(1979年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

 南太平洋上。静かな波の音に混って楽団の

音が聞こえてくる。

 

大型クルーザー「リーマン三世号」が岸上を

航行していた。。カナダのフリーゲートを買

い取り、個人用として改造した船だ。

 

 少し離れた海面上に潜望鏡があがっていた。

 

 船の上で、気持ち良く酔った男が二人、舷

側に出て潮の香リをかいでいた。

 

手の中のグ

ラスにはまだ酒が残っている。二人共白のフ

ォーマルスーツを着ていた。 

 

 「ふーつ、酔ったよ」

 「いや、まだまだ、パーティはこれからさ。

これからおもしろくなるところさ」

 

「ところで、君、あのリーマン候爵の側にい

た東洋人の女性は誰なんだ」

 

「何だ。君、知らなかったのか。彼女が有名

なヨーコ・南条だよ」

 

 「彼女が、ヨーロッパ社交界の新星か]

 

 「そう、そして日本の大財閥の継承者だ」

 

 「リーマン候も彼女の金に目がくらんだか」

 

 「先妻が死んでだいぶたつしね。それに確か

に彼女は美人だしな」  

 

 

 衝撃か船を襲った。

 

 

潜水艦から発射された魚雷が爆発したのだ

 

閃光と轟音。振動か船全体を揺がした。

 

 ブザーがなり、パーティは中止された。

 

船員が重機関銃をセットしてサーチライトが海

 

上を照らす

 

 「何だ、あれは」

 

 クルーザーの右舷に.潜水艦が孚上した.ク

ルー.ヂLがら重機が、火を吹い.た。

か射程外だつた。

 

逆に潜水艦から砲撃される。通信アンテナ

が吹き飛ばされた。連絡が不可能となった。

 潜水艦から拡声器を通じて声が聞こえてき

た。

 

 

『無駄な抵抗はやめたまえ。無益な殺生を我

々はしたくない。我々はミセス南条に用事が

あるのだ。我々のポートが、そちらの船へ接

舷する。いいか無益な攻撃はするな。魚雷の

照準はそちらに合わせてある』

 

 「どこの国の潜水艦だ」

 

 「わからん。国籍はわがらんが、どうやらソ

連製らしい」

 

 ハッチが開き、やがてモーター付ゴムボー

トがひっぱり出され、クルーザーの方へやっ

てくる。

 

ゴムポートをあやつっているのは屈

強な男たちだ。

 

 ブリッヂには一人の女が待っていた。まわ

りに武装した船員がとり囲んでいる。彼女は

美人だった。船に近づく男たちを見ていた。

 

 男のはボートから身ごなし軽く船のタラップ

をあがる。男は船員に見張られながら、プリ

「’ツジ一人あがってきた。女は驚いたようだった。

まるで死人を見たかのようだった。男が口を

開いた。

 

 「ひさしぶりだな。ヨーコ。いい御身分じゃ

ないか。世界中をだいぷ探したぜ」

 

 

 

■ 彼女に出会ったのはわずか1ヵ月前の事だ

った。

 

俺は、ホテル=ミナトヘ行こうとして

いた。わずかばかり俺のポケットはふくらん

でいた。

 

久しぶりのうまい食事にあり・つこう

としていた。

 

ボロ車をホテルの駐車場へ入れ込もうとしていた。

 

中で悲鳴が聞こえた。そ

の声の方へ車をころがした。

 

女が無理やり車へっれこまれようとしている。

 

こんなシーンでは当然俺の役目は決まっているのだ。

 

 俺は後から一人の男につかみかかる。

 

 「やめろ。大の大人が三人もかかってする事

じ?ないだろう。女性をいじめるのはやめな」

-

 

俺はカッコをつけていった。もちろんナイト

のつもりだった。

 

 レイ=バンサングラスをつけ、ブルックスブラザ

ーズのスーツをすきまなく着こなした男達は

どう見ても正業についている男達には見えな

い。

 

いわゆるインテリ=ヤクザつて手合いだろう。

見なりは俺よりかなりいい。が上着の下か

らわずかに拳銃がのぞいていた。

 

 「うるさい。関係ない奴はひっ込んでいろ。

ケガをしたくなけれぱな」

 すごみがあった。

 

 

 俺としてはここで引きさがるわけにはいか

ない、手刀で右横の芳の首すじをなぐりつけ

左側の男の金的をけり上げていた。

 

同時に、左側の男から拳銃を抜き取り、

その拳銃の安全装置をはずしていた。

 

 俺はそれを運転席の男の頭に突きつけてい

た。

 

 「いいか、消え去るのはお前達の方だ」

 

 我ながら手際がよかった。

 

車は七の女と俺それから男からうばった拳銃を

残して走り去った

 俺は自分が助けた女の顔を見た。どこかで

見た顔だった。どこか記憶にひっかかる所が

ある。俺はじっと自分の顔をみつめかえして

いる女に尋ねた。

 

 「ひょっとして、、あんたは」

 

続く

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 



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