石の民「君は星星の船」第17回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
「どうやら、このお客人は俺たちに、喧嘩をうっているようだぜ。どうするハーマン」
「それならば、歓待しないってほうはないな、ローレル」
「あとで泣いてもだめだぜ」二人ハーマンとローレルは男にとびかかっていく。
数秒後、二人ハーマンとローレルの方が大地にころがっていた。
「光二、起きろ」光二の意識が戻ってきた。
「うん、いったい、あんたは」
が光二はこの男の顔を見て驚いた。光二の夢に出てくる男だったのだ。光二は倒れてい
る二人をみる。
「どうやら、俺を助けてくれたらしいな。礼を言う」光二は大地にころがっているVグル
ープの2人をける。
男は言った。「私がだれだかしらなくてもいい。それより、光二、聖砲をわたしてくれ。
私にとって重要なものなのだ」
「聖砲だと」やはり、夢と同じ事をいいやがる。
「そうだ。私は聖砲を持っている男を探して、いろんな世界を渡ってきたのだ。君がどの
世界にいるのかわからなかったのでな」
光二は一瞬、時間が泊まっているような気がした。
今、この男のいったことは何なのだ。まったく意味がわからない。今度は光二が質問をす
る番だ。
「一度あんたに現実に会えたら、きこうと思っていたんだ。あんたは最近俺の夢に頻繁に
でてくる。あんたは、夢の中でも聖砲をさがしている。それはわかった。が俺は聖砲なぞ
もっちゃいないぞ」
男はにやっと笑う。「君は知らないだけさ。君の指にある」
「指だって」おもわず光二は左手で、右の指輪を押さえていた。
「まさかこの指輪が聖砲というのではないだろうな」
「それだ」男は冷淡に言う。
「あんた、いったい、誰なんだ。それにいったい、聖砲って」
「光二、君はこの事件にかかわるべきではない。これは我々の世界の事件なのだ」
「そういう一方的な言い方はないだろう」
「君は聞いても、理解できないだろう」
「あんたが聖砲という、この指輪は、姉のかたみなんだ。みずしらずのあんたに渡すわけ
にはいかん。あんたは何者なんだ」
「宗教の街ジュリに住んでいた石の壁の祭司だ」
「ジュリ、いしのかべ、さいし。どういう意味だ」
「だから行っただろう。この事件は君の想像力をはるかにこえている」
「お前さんねえ 」光二は少し考えている。
「私の名前はアルクだ」
「アルク、事情をはなしちゃくれないか。それもできるだけわかりやすく。あんたは俺の
命の恩人というわけだ。お礼をしなきゃいけない。俺は人に借りをつくるのがきらいなん
だ」
「この写真を見てくれ」
アルクは光二に写真を差し出す。
石の民第17回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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