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日本人の日序章 第7回 ケンアサガに対してブキャナンは我々INS、情報ネットワークサービスのスパイ行動を助けることを強要する。切り札として生きていた、恋人ジュンの映像をしめす。

2021年01月01日 | 日本人の日序章(1980年)

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 

日本人の日 序章■ある財閥が世界の経済と政治状況における一国の役割を分析。その一人の男は その国が存在しないと仮定し、世界分析を行う。結果は、男の推論どおりである。その国の名は。

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日本人の日序章 第7回 ケンアサガに対してブキャナンは我々INS、情報ネットワークサービスのスパイ行動を助けることを強要する。切り札として生きていた、恋人ジュンの映像をしめす。

 

日本人の日序章 第7回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

「どういう事だ、これは」

 ケンは画面をくいいるように見つめる。彼は宇宙ステーションゼウスに情報

サイボーグに囲まれて話している。

 

 「どうだね、本日をきして、世界各地で日本人抹殺プランがいよい

よ始動したんだ」INS、情報ネットワークサービスの男である

ブキャナンが淡々という。

 

 「なぜなんだ。ブキャナン。これは悪い冗談だろう。こんな事あり

えるわけがない」

 

 「残念ながら、事実だ。まあ事実をうけいれるまで時間がかかるだ

ろうだがね」

 ケンは頭をかかえ、肩をいからせて、画面をみつめつづけている。

 

 「いいかね。アサガ。我々のプロポーザルを続ける。この日本人抹

殺までは時間がかかるだろう。そして何人かは逃げる奴らがでてく

る。さらにJVO「日本消滅組織」に対するテロ活動を行なう奴らもでてくるだろう。

いいかそいつらを見つけだす要員を我々は、現在確保しておきたい

のだ。

 抹殺プランが終了すれば、君に手術を施し、白色人種にみえるよ

うにしてやろう」

 

 ブキャナンは、広い肩はば、おそらくはアメリカンフットボールを学生時代にや

っていただろう、そんな体つきをしたブキャナンはケンの肩に手を

おき、ケンの顔をのぞき込む。

 

 「いいかね。このスパイの候補者は何人もいる。それに我々情報ネ

ットワークサービスに泣きすがり、どうにか助けてくれと言ってく

る奴もいるだろう」

 

 涙ぐみながら、ケンはブキャナンに叫ぶ。

 「なぜだ。なぜ、俺を選んだ」

 

 それは君のポテンシャルをコンピューターがはじきだしたのだ。

最優秀だとね」

 「くそっ、こんな事、国連がゆるすものか」

 

 「ふふ、国連にもJVOは暗黙の了解を得ているよ。それに国連の

バックアップを、我々情報ネットワークサービスが受けているとす

れば、どうするね」

 

 ケンは答えるべき言葉もない。

 

 「それに、裏の国連と呼ばれる「世界犯罪連合」もGOサインを出して

いるのだ。彼らも日本ヤクザの海外流出をよく思ってはいないので

ね。つまり、世界の権力機構の意見は一致しているんだ。日本人を

抹殺せよ」

 ブキャナンは深いマリンブルーの眼でケンを見ていた。

 

 「ショックの連続で酷だね。少しは希望を与えてやろう。おい」

 

ブキャナンは情報サイボーグを呼んだ。情報サイボーグは右手の

手のひらをひろげる。そこは急に液晶のモニターとなる。

 このモニターにジュンの顔がうつっていた。

「ケン。私がわかる。ジュンよ」

「ジュンー」

 

 ケンは情報サイボーグの手のひらにむかって叫んでいた。

「君は死んだはずじゃなかったのか」

「いえ、爆発の直前、情報サイボーグに助けられたの」

「今、どこにいるんだ」

 

「わからないわ、ケン助けて」

「くそっ、博士はどうしたんだ」

「わからないの」

 

 「くそっ、君たち、ジュンを解放しろ。それにバルボア博士をどう

したんだ」ケンは叫ぶ

 

日本人の日序章 第7回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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