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夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第25回■

2017年12月03日 | 夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー

夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第25回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
■第25回■

 舞台の上では、ジェイとビブラフォーンことアイラの演奏は{ハルフ
ォードの稲妻}の最終楽章にはいっていた。

観客はすべて感覚の世界に没入していた。

「気づいただろう、君と仏以外の人間はすへて恍惚状態にはいって
る。すなわち我々の竟識のみが実在する、いや実在していた人間の
それなのだ」

実在世界の名前は「スプローギン大佐」ある導師デルガは、道化師マリクに言う。

道化師マリクの実在世界の名前は「ドクター・シュッカ」である。


 この時、すでにジェイ・ポラードはビブラフォーンとの意識が同調し、
一つの共生息識になっていた。

「ジェイ、私がわかるわね」

「そう、払は、今になってやっとわかった。許しておくれ、アイラ」

「私達はやっと一つになったわ」

「そうだ。そして我々は、我々だけの世界を作れる」

「いけないわ、ジェイ、曲の人々にも喜びをあたえてあげて」

「何だって、どうするんだ」

「ジェイP359をすべての人々に与えるのよ。各々の人々が、自身の夢世界を
持てるのよ」

 ジェイは、実世界の過去を、思い出し始めていた。、、、




研究室のドアを荒々しく開け、二人の制服の男がはいってくるのが、ジェイの目に映った。

制服から見ると、国家安全局の人間らしい。ベルトには銃が装着されている。

「ジェイ=ポラードだね」

背の高い方の男が言った。片ほほがビクビク動いている。

 「そうです。私がジェイ=ボラードです。あなた方はすぐさまこの研究室

からでていっていただきたい。私はソネ将軍から全権を委任されている」

男はにやりと冷笑し、冷たく言った。


「その、君のいう、ご本人ソネ将軍からの命令だ」

もう一人の細面の男がいう。

二人は、同時にボラードの両わきを押さえた。

「ジェイボラード、君を、国家に対する反逆罪で逮捕する」

「逮捕だと?国家に対する反逆罪だと?何かの間違い、、ではないのか」

「それは、お前白身の胸に聞いてみることだな」

「まさか、プロジェクト・JP359の件ではないだろうな」

「そうだ。プロジェクト・JP359の件だ」

プロジェクト・JP359は、世界を破滅させかねない麻薬医薬生産計画だった。

 ボラードは、世界が足もとから崩れるような気がした。

(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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