ロボサムライ駆ける■第13回 ★https://ncode.syosetu.com/n2492db/
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
http://visitjapan.info
youtube yamadakikaku2009
http://9vae.com
第三章 霊能師(2)
出発日がやって来た。
主水は落合レイモンの屋敷に旅装で出向く。予備の品をいれた旅装バックパックである。門前が騒がしい。
「何だ、この行列は」
「おお、よいところへ来られた、主水殿。我が行列に加わられい」
ざわめく人々の群から夜叉丸が現れ、挨拶する。
「夜叉丸様、この行列は」
「我がレイモン様の御行列じゃ。このまま復旧しつつある東海道高速道路をくだる」
「が、この行列、まるで大名行列ではござらぬか」
というよりもチンドンヤかと、思いが頭をかすめた。
「よいか主水殿。今度のこの落合レイモンの西下りは、東日本都市連合の力を見せることにもあるのじゃ。またまた落合レイモンの霊能師としての力を見せつけなければならぬ。その威光を見せつける行列でじゃ。装飾の一部と思ってくれ」
金属でできた機械籠が四つ。加えてそれを抱えて進むカーゴ型送行ロボットが数機。
先触れを伝えるスピーカーロボットが四機。
レイモンの旗持ちロボット十機。
東日本都市連合の各市の旗を持つ旗ロボット二百機。生命液、潤滑油、洗浄液などを運ぶタンク型ロボット二十台。
警備隊ロボット三百機などなど。
おまけは振袖チアガールズだった。振袖でありながら、下位置はミニスカートになつている和洋折衷のコスチュームをきた妙齢の三十名の女性群。まるで色物の世界である。
主水はくらくらと、倒れそうだった。さすがにロボットなので倒れはしなかったが。
「これでは、私など必要ないのではございませんか」
嫌みを言う。
「そうはいかぬ。よいか、主水殿は護衛ロボットとはいえ、徳川公の使い番でもあらせられる。従って、カゴ形バンを用意しておる。どうぞお使い下されい」
夜叉丸は行列の後ろにある、行列よりもっと悪趣味なバンを示した。ゴテゴテした装飾がバンのスタイルをくずしている。
「うむ」
主水は逃げ腰になった。ひらめいた。よーしこれでいこう。断りの文句は。
「夜叉丸どの、私はこの籠の回りを警戒いたしましょう」
「と、いわれると」
「遊軍でござる」
「主水どの、まさか、我が行列をあざ笑っているのではあるまいな」
「いえさようなことはございませぬ」
おぬしよく分かってるのじゃないと思う主水であった。
続く090901改訂
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
http://visitjapan.info
youtube yamadakikaku2009
http://9vae.com
最新の画像[もっと見る]
-
東京地下道1949第2回■アメリカ軍占領軍情報部(OSS)乾公介は窓下、東京分断壁を見ている。彼にMGB(在日占領軍ソ連保安省)のエージェントからの地図入手失敗の報告が。 3年前
-
消滅の光景 第9回地球に向かう調査船エクスの中で、情報省のチヒロや超能力少女ラミーに守られて、カド博士は、地球での行方不明者の共通因子を探ろうとするが、祖先霊が邪魔をする。 3年前
-
東京地下道1949■第1回1949年 日本は敗戦、分割占領。トウキョウ市アメリカ軍占領地区。浮浪児が、男たちの争いをみる。少年はカバンとトカレフ挙銃を手に入れ。「竜」のアジトヘ向かう。 3年前
-
源義経黄金伝説■第72回■最終回★源義経の存在が日本の統一を可能とした。 源頼朝は日本全国に守護地頭を置く。律法の世、貴族の世である日本を、革命においこんだ。 3年前
-
源義経黄金伝説■第71回京都神護寺にて 西行の宿敵、文覚は巨木に向かう。 「天下落居(てんからっきょ)」の時。師匠の彫像を、弟子の夢見、今は「明恵(みょうえ)」は微笑んで眺めている。 3年前
-
「支配者たち」短編(ハーモナイザーBIGIN)世界樹ハーモナイザーが支配する宇宙、2人の宇宙飛行士の物語。 3年前
-
源義経黄金伝説■第70回鎌倉、大江広元の前に静の母親、磯禅師が現れて、秘密を打ちあける。その秘密とは、源義経の遺児は。 3年前
-
封印惑星)第12回■最終回 地球意志は大球(地球)と結ぶ小球(月)に、星の武器を集め自爆にアーヘブンを 巻きこむ。アーヘブンは新地球の創造をユニコーン、北の詩人、ゴーストトレインが実体化。 3年前
-
封印惑星)第11回アーヘブンは、「天宮」と対峙。「天宮」は、ハーモナイザーと同化を拒み、地球・思想本図書館とイメージコーダーの合成体が 破壊された。地球思想書が、粉々に吹き飛ぶ。 3年前
-
源義経黄金伝説■第69回鬼一方眼との死闘のため、頭や顔は朱に染まり、足取りもおぼつかぬ文覚は、大江広元屋敷の元を訪れている。 3年前