アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー第25回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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「くそ、どういう、武器をつかったんだ、隊長トポール大佐を
殺していまい、、」
ミラー伍長が怒りに任せ、トリニティの体を荒々しくつかむ。
そして、リンゴに手をのばす。が、一瞬早く、リンゴは、トリニティの体に流れ込む。
「教えてやろう」
トリニティの姿が、膨張し、急に寂寥王に変化する。
「うわっこいつは…」
ミラー伍長の頭が、装甲服ごとつかみあげられていた。
「ミラーとやら、死の一瞬、見たであろう。過去宇宙のすべてをな。
私が創造者だ。そしてまた古代世界の破壊者である」
寂寥王の姿をしたトリニティは、ミラーの首をつかみ上げ、死の恐怖を宿したミラーの眼に向かい言った。
残った装甲兵が寂寥王にむかつていく。
が、寂寥王はころがっている戦闘16面体のヤリを、自分であやつる。
全員、装甲服ごと串刺しにされた。装甲兵死んだものから、体の腐敗が、急に始まる。
どろりと、装甲服の中から、腐敗した死体の肉片が、ゆっくりと流れ出る。
■
「ぐわっ、とポール大佐も、ミラーもやられた。全滅だ」
地下羊宮チャクラを占領していた独立装甲兵団の1人が、隊員の自己映像モニターを見て、叫んだ。
「くそっ、地下羊宮チャクラを破壊しろ」
「やめてくれ、ワシを破壊しても、いまさら何の役にもたたないぞ」
装甲兵は、地下羊宮全体に電磁砲をぶっぱなそうとする。
もう一人が止める。そして言った。
「待て、作戦は失敗だ。我々だけでも脱出しょう。すぐ、監視衛星フライトデッキのラム中尉に連絡しよう」
「ラム中尉、今回の作戦は失敗の模様。機械城とは連絡が途絶えました」
「禁断の実はあったのか」
ラム中尉は冷たく言い放つ。
ラム中尉にとって、大事なのは禁断の実だった。
「ありました、が、トポール大佐はそれに食われました」
「何、食われただと、お前たち、神経は大丈夫か」
「本当です。ミラー伍長もやられました。恐らく、攻撃隊の全員10名が死亡したと考えられます」
しばらく言葉が途切れた。ラム中尉は考えている。
「君たちで、そこを確保し、禁断の実を手に入れる可能性は」
「ゼロです。唯一の利点は、地下羊宮チャクラをまだ我々が押さえている点です」
「早晩、ここ地下羊宮を攻撃に来るでしょう」
「よし、そこを確保しろ、私は、ラフラタ中尉を、連れてそこに降下する」
ラム中尉はあくまでも強気だった。
「ラム中尉、この作戦はもう中止したほうが」
「いや、考えてみろ。まだ、我々には切り札がある。地下羊宮チャクラから情報を聞き出せ」
突然、ラム中尉からの通信が途絶えた。
「おい、大丈夫か」
「しかたがない、攻撃船タイコンデロガは、監視衛星フライトデッキに残ったままだ」
「すくなくとも、ラム中尉がここに降りてくるのを待とう。それから判断しょう」
「というと」
「ラム中尉が説得に応じない場合、ラム中尉を殺して、我々だけでも脱出しょう」
「早く、この気持ちの悪い腐敗惑星から脱出しょう」
「まてまて、お前たち、逃げ出す方法は、あるのじゃ」
地下羊宮チャクラが横から口をだした。
「そうだ。地下羊宮チャクラから情報をきこう」
「それはじゃな……」
チャクラの地下壁面を、突きやぶる何物かが、あった。
機械片で、側にいた装甲兵がなぎ倒される。
「助けにきたよ、チャクラ、恩を売ってあげるわ」
出現したのは、15メートルのゴーストトレインだった。
地下羊宮チャクラの機械壁を突き抜けたおかげで、ゴーストトレインの体は、傷だらけだった。
「ゴーストトレインよ。どうやら、昔のように、合体すべき時かもしれんのを」
チャクラが言った。
「チヤクラ、あなたの地下羊宮各所に分散している液体神経中枢を早く集めるんだよ」
「なぜじゃ」
「きまってるでしょう。あなたを連れてここから逃げるのよ」
「逃げるじゃと。敵に後ろをみせるのか」
「いきがるんじゃないよ。年寄りの冷や水。こやつらは電磁砲をもっているからね。
早くしないと、あなたの電源である水羊宮も破壊されてしまうよ。こやつらは、あなたの脳がこの水羊宮だと知っているわ。早く早く、水脳子を収斂して。流動脳粒子を凝縮するのよ」
「それなら、ゴーストトレイン、装甲兵から電磁砲を奪うのじゃ」
「なぜなの」
「お前の体では、機械城に行けまいて、この電磁砲を利用して、機械城に入りトリニテイを助けるのじゃ」
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー
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