夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第27回■
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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ワルシャワ条約軍、ポーランド国軍ソネ将軍は、慌てる。
「何だって、それはどういう意味だ」
[すでにJP359は、小型ミサイルに、核の替りに積み込まれていますよ」
「だれがそんな指令を出したのだ」
「それはあなたですよ。あたなの命令で国軍が動いたのですよ」
部屋に同席する聴聞官たちも、今度は顔色を変えた。
「ポラード、私に薬を便ったな」
「さっしがよろしいですね。その通りです」
「貴様、、」
「それに、敵陣営のミサイルもJP359のミサイルとなっているはずですよ。
私の仲間、「夢結社」の働きでね」
「やはり、君だったんだな。国家に対する反逆者は。敵がJP359
と同じ成分の薬を作りあげたという情報がはいったのだ。誰がその
裏切り者か我々は調査していた。君の処刑はこれで決定だな」
ソネ将軍は、急いで軍司令部へ電話をかけようとした。
「ソネ将軍」
ジェイ=ポラードが呼びかける。
将軍がボラードの方を見た。
ソネ将軍の顔へに、また聴聞官たちもへも、ボラードの顔から何かが飛んだ。
将軍たちは例れた。
ポラードの歯すべて入れ歯でその歯の1本1本が、神経剤の入った超小型ミサイルだった。
しばらくして、ポラードは命令する。
「将軍、私の言う通り電話でしゃべれ」
将軍はうなづく。ジェイポラードのあやつり入形となっていた。
「ボラードにかけられていた疑惑ははれた。彼を研究所に帰してい
い、そういうんだ」
ソネ将軍は電話に向かってそうくりかえした。
ポラードは机の下にセットされていたテープからテープを抜き取り、新しいテー
プにさし変えた。
そのテープにはポラードと将軍の会話がはいっている。
が、ポラードの疑いが晴れた形の内容になっている。ボラードが将
軍との過去から現在までの会話を総て録音し、編集しなおしたのだ。
国家安全局からおもてへ出る。
国家安全局前の通りを渡り、角を曲る。
助手であり、妻であるアイラが、フィアット車に乗って侍っていた。
「ポラード、大丈夫だった」アイラはだきついてきた。
「ああ、何とか脱出できたが、すぐ私のトリックに気づくだろう。
早く、あそこへ辿り看かなければな」
「わかったわ。すぐ車を出します」
「いいか、国家安全局の尾行に気をつけろ」
アイラはフィアットを勁かした。バックミラーで見るが、それら
しい車は見つからない。
「尾行車はいないようね」
「わからん。奴らはプロだからな」
「ポラード、これからどうなるの」
「いいか、アイラ、よく聞いてくれ、俺はこの世界を滅ぼすことに決めた。
この腐り切った世界をな。新しい世界をきずくのだ」
「でも、ポラード」
「いい、アイラ、君のいいたい事はわかっている。でも何度もいっ
た様に、各々の人間が自分自身の想い通り、人間らしく暮せるのだぞ。
最初の一発のミサイルでそれは始まるのだ」
ポラードの眼はまっ赤に燃え あがっているようだった。
(続く)20210323改訂
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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