ロボサムライ駆ける■第43回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikku.com/
■第五章 機械城(6)
「ともかく、一隊は大天守閣へ向かうのじゃ」
天守の城眼から、数百の弓矢が放たれた。力士ロボットたちが、
その銃眼を目指し、城壁を欠き砕き、石を投げ付ける。
「我々にとって必要なものを手に入れておかねはなりませんな」
主水がいった。
「生命液と洗浄液でござるよ」
「そうじゃ、それを忘れておった。おーいい、知恵」
「何だい、山本様」
「お前、城内ののこと、ある程度わかつていよう」
「そうだよ」
「生命液タンクは、そして生命液製造工場はどこにある」
「小天守閣の地下に埋め込まれているさ」
しかし、知恵はあとをつづけた。
「でも、気をつけなきやね」
「何ゆえに」
「ロボ忍たちがいるよ。それにどうも、城のあちこちに仕掛けが
あるような気がしてね」
主水たちは、抵抗する城の護衛ロボットを倒しながら、小天守閣
の下にある牢獄にたどり着いていた。
何ごとが起こったのか、不審に思っている閉じ込められていたロ
ボットたちが、こちらの様子を見ていた。
「皆々様、お助けに参りましたぞ」獄内に歓声が上がる。
「お前さん方は」一人が尋ねる。
「我々は反乱ロボットの群れ。都市連合に対して反乱を起こしまし
た」
「おお、そうか。外からの騒ぎは聞こえできていたのだが、何か起
こったのかわからずにいた」
「牢獄を解き放ちますので、皆様どうぞご助力のほどをに
「おお、わかり申した」
「どなたか、生命液のタンクの場所をご存じないか」
「生命液のタンクヘの、秘密の入り口がわからないのでござる」
主水が言葉を継いだ。
「おっ、しっとるぞ」ひとりの老人が手をあげていた。
「助かりました。それでは後、お願い申す」
すぐさま、激戦のため、生水と山本は上にあがる。
「ご老人、ご案内お願い申す」残ったロボットが頼んだ。
工場の天井から、大きなガラス球が数限りなく続いてぶら下がっ
ている。まるで葡萄の房だった。
「これだけあれば、我々は大分長い間人間と戦えるぞ」
数十人の反乱ロボットたちは、上を見回しながら、工場の中へ
入って行く。
「ふふっ、お主たちの命が続けばな」
牢獄から案内してきた男がつぶやいた。
「何だと」
「ふふっ、冥土への土産に見ておけ」
「貴様」
「言わずと知れたロボ忍よ。草として牢獄に入っておったわ」
瞬間、その男は隠されていたスイッチを押した。あたりは一瞬
真っ暗になる、
同時に、生命球がすべて反乱ロボットへ落下した。生命液工
場は壊滅した。
地下は生命液で水浸しとなる。
小天守から大天守り回廊へ入った一団は、回廊に閉じ込められて
いた。
いくつかの節点でシャッターが落下してきたのだ。袋の鼠となっ
ていた。
腕自慢のロボットたちでも、少しもその扉を勣かすことが
できないでいた。まるで石の壁であるかのように、びくともしない
のだ。石の壁はやがて彼の方へ勤いてくる。
「くそっ、奴ら、我々の力をあわ廿、奴らに眼にものを見せてくれ
ん」
「それはどうかのう」ロボ忍だった。
「おまえたちが壁にてつぶれるのをUUろ待ち致そう」
「何くそ」
ばりばりと反乱ロボヅトたちの体は解体した。
一方、大天守閣の吹き抜けに入ったロボットたちは、拍子抜けした。
何もないのだ。
機械城大天守閣を飾っていた大仏は、先刻の主水との戦いで敗れ
ていた。
ただ、フロアの中央から直径三メーートルほどの球形の棒が突
出していた。棒は七色に輝いている。
「これはI体なんだ」
ロボットたちは、それに近づいて行く。
「ふふう、よく来たのう。反乱軍の諸君」
三階のデッキからロボ忍の一人が見下ろしていた。
「貴様、何者だ」
「お前もロボットなら、なぜ我らの味方をせぬ」
「申し遅れた。我輩は花村一去。ロボ忍の頭目だ」
「ここで何しでおる」
「皆様に挨拶しておこうど思ってな。ただし、冥土の挨拶だよ」
「何だと」
花村一去は、素早く背後のドアに隠れた。
球形のボールから放電される。吹き抜けの空洞自体が電気の放電
ボックス化していた。
城門よりも高出力の10万ボルトの電気が放電されていた。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■第五章 機械城(6)
「ともかく、一隊は大天守閣へ向かうのじゃ」
天守の城眼から、数百の弓矢が放たれた。力士ロボットたちが、
その銃眼を目指し、城壁を欠き砕き、石を投げ付ける。
「我々にとって必要なものを手に入れておかねはなりませんな」
主水がいった。
「生命液と洗浄液でござるよ」
「そうじゃ、それを忘れておった。おーいい、知恵」
「何だい、山本様」
「お前、城内ののこと、ある程度わかつていよう」
「そうだよ」
「生命液タンクは、そして生命液製造工場はどこにある」
「小天守閣の地下に埋め込まれているさ」
しかし、知恵はあとをつづけた。
「でも、気をつけなきやね」
「何ゆえに」
「ロボ忍たちがいるよ。それにどうも、城のあちこちに仕掛けが
あるような気がしてね」
主水たちは、抵抗する城の護衛ロボットを倒しながら、小天守閣
の下にある牢獄にたどり着いていた。
何ごとが起こったのか、不審に思っている閉じ込められていたロ
ボットたちが、こちらの様子を見ていた。
「皆々様、お助けに参りましたぞ」獄内に歓声が上がる。
「お前さん方は」一人が尋ねる。
「我々は反乱ロボットの群れ。都市連合に対して反乱を起こしまし
た」
「おお、そうか。外からの騒ぎは聞こえできていたのだが、何か起
こったのかわからずにいた」
「牢獄を解き放ちますので、皆様どうぞご助力のほどをに
「おお、わかり申した」
「どなたか、生命液のタンクの場所をご存じないか」
「生命液のタンクヘの、秘密の入り口がわからないのでござる」
主水が言葉を継いだ。
「おっ、しっとるぞ」ひとりの老人が手をあげていた。
「助かりました。それでは後、お願い申す」
すぐさま、激戦のため、生水と山本は上にあがる。
「ご老人、ご案内お願い申す」残ったロボットが頼んだ。
工場の天井から、大きなガラス球が数限りなく続いてぶら下がっ
ている。まるで葡萄の房だった。
「これだけあれば、我々は大分長い間人間と戦えるぞ」
数十人の反乱ロボットたちは、上を見回しながら、工場の中へ
入って行く。
「ふふっ、お主たちの命が続けばな」
牢獄から案内してきた男がつぶやいた。
「何だと」
「ふふっ、冥土への土産に見ておけ」
「貴様」
「言わずと知れたロボ忍よ。草として牢獄に入っておったわ」
瞬間、その男は隠されていたスイッチを押した。あたりは一瞬
真っ暗になる、
同時に、生命球がすべて反乱ロボットへ落下した。生命液工
場は壊滅した。
地下は生命液で水浸しとなる。
小天守から大天守り回廊へ入った一団は、回廊に閉じ込められて
いた。
いくつかの節点でシャッターが落下してきたのだ。袋の鼠となっ
ていた。
腕自慢のロボットたちでも、少しもその扉を勣かすことが
できないでいた。まるで石の壁であるかのように、びくともしない
のだ。石の壁はやがて彼の方へ勤いてくる。
「くそっ、奴ら、我々の力をあわ廿、奴らに眼にものを見せてくれ
ん」
「それはどうかのう」ロボ忍だった。
「おまえたちが壁にてつぶれるのをUUろ待ち致そう」
「何くそ」
ばりばりと反乱ロボヅトたちの体は解体した。
一方、大天守閣の吹き抜けに入ったロボットたちは、拍子抜けした。
何もないのだ。
機械城大天守閣を飾っていた大仏は、先刻の主水との戦いで敗れ
ていた。
ただ、フロアの中央から直径三メーートルほどの球形の棒が突
出していた。棒は七色に輝いている。
「これはI体なんだ」
ロボットたちは、それに近づいて行く。
「ふふう、よく来たのう。反乱軍の諸君」
三階のデッキからロボ忍の一人が見下ろしていた。
「貴様、何者だ」
「お前もロボットなら、なぜ我らの味方をせぬ」
「申し遅れた。我輩は花村一去。ロボ忍の頭目だ」
「ここで何しでおる」
「皆様に挨拶しておこうど思ってな。ただし、冥土の挨拶だよ」
「何だと」
花村一去は、素早く背後のドアに隠れた。
球形のボールから放電される。吹き抜けの空洞自体が電気の放電
ボックス化していた。
城門よりも高出力の10万ボルトの電気が放電されていた。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikku.com/