宇宙から還りし王(山稜王改題)第16回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
キーンはネフターの肩に手をおき、
「リゲル産の酒だよ、どうだね」
「キーン、その酒は」
「わかっているよ、ジェームス、この酒が特殊なのはわかっている。さあネフター君、この酒を飲みたまえ」
「いや、それは」
ネフターは三人の背広姿の男達に押さえつけら
れている自分を発見する。口を開けさせられ、無理やりにリゲル酒
が流し込まれる。
「窓を開ろ」
ネレトバが男達に命令する。地上45階の窓は三重窓に
なっていた。ようやく全開される。
「いいか、ジェームズ、こ奴は、事故で死ぬ。リゲル酒を飲みすぎ
て、頭がおかしくなり、窓から飛び降りたのだ。ジェームズ、わか
っているな」
「わかった。キーン、君にまかせる。君の好きなようにしろ」
スターリングは自室を出ていこうとして、ドアの所でふりかえる。
「いいかね、キーン。こんな事は、今度からは君の部屋でやってく
れ」スターリングはドアを閉めた。
ネフターは背広姿の三人の大男にさからっていたが、勢いをつけ、
窓の外へ放りなげられた。
「うわっ」
ネフターの目の前で、空港の光や街の光がくるくると廻
る。風が急激にネフターの体をおそう。
落下しているネフターは気を失ないそうになる。
その瞬間、ネフターは上から肩をつかまれた。
落下がとまる。
ネフターはゆっくり上を見上げた。そこには見知ら
ぬ男の顔があった。が下は鳥の姿なのだ。
ありえない。これは悪夢だ。ネフターは気を失なった。
下の階へのストリップエレベータ-に乗っていたスターリングは
叫び声をあげていた。
「リーファーー」
■ケインはまたもや、意識がスリップしている事に気づく。初めは
ネフターで、あとはリーフアーの意識だ。
(続く)宇宙から還りし王(山稜王改題)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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キーンはネフターの肩に手をおき、
「リゲル産の酒だよ、どうだね」
「キーン、その酒は」
「わかっているよ、ジェームス、この酒が特殊なのはわかっている。さあネフター君、この酒を飲みたまえ」
「いや、それは」
ネフターは三人の背広姿の男達に押さえつけら
れている自分を発見する。口を開けさせられ、無理やりにリゲル酒
が流し込まれる。
「窓を開ろ」
ネレトバが男達に命令する。地上45階の窓は三重窓に
なっていた。ようやく全開される。
「いいか、ジェームズ、こ奴は、事故で死ぬ。リゲル酒を飲みすぎ
て、頭がおかしくなり、窓から飛び降りたのだ。ジェームズ、わか
っているな」
「わかった。キーン、君にまかせる。君の好きなようにしろ」
スターリングは自室を出ていこうとして、ドアの所でふりかえる。
「いいかね、キーン。こんな事は、今度からは君の部屋でやってく
れ」スターリングはドアを閉めた。
ネフターは背広姿の三人の大男にさからっていたが、勢いをつけ、
窓の外へ放りなげられた。
「うわっ」
ネフターの目の前で、空港の光や街の光がくるくると廻
る。風が急激にネフターの体をおそう。
落下しているネフターは気を失ないそうになる。
その瞬間、ネフターは上から肩をつかまれた。
落下がとまる。
ネフターはゆっくり上を見上げた。そこには見知ら
ぬ男の顔があった。が下は鳥の姿なのだ。
ありえない。これは悪夢だ。ネフターは気を失なった。
下の階へのストリップエレベータ-に乗っていたスターリングは
叫び声をあげていた。
「リーファーー」
■ケインはまたもや、意識がスリップしている事に気づく。初めは
ネフターで、あとはリーフアーの意識だ。
(続く)宇宙から還りし王(山稜王改題)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/