夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第23回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■第23回■
超能力者のプレイヤー、ハーンが死んでほっと胸をなでおろした人間がいる。
道化師マリクだ。
ジェイに『ハルフォードの稲妻」の曲をビブラフォーンを演奏してもらわないと秘合が悪いのだで
マリクはジェイの出番を心待ちにしていた。
いよいよジェイの番だった。
司会者はジェイをビブラフォーンのプロプレィヤーと紹介すろ。
拍手がおこる。
ジェイはビブラフォーンの前に立っていた。
何かなつかしい人と再会できた。ジェイはそんな気がした。
四肢をビブラフォーンの四肢にそれぞれ同じようにつなげる。
そして頭をビブラフォーンの真中の穴につっこむ。
ジェイのすべての感覚は、この瞬間にビ、生物楽器ビブラフォーンがにぎったのだ。
「ジェイ」
どこからか声が、どこなのだ。 ビブラフォーンが呼んでいるのだ。女の声だった。
「払よ、ジェイ。やっと会えたわ」またビブラフォーンが言う。
「だれだジェイは心の声で叫んでいた。
「記憶がもどっていないのね、いいわ、演奏すれば思い出すわ」
ジェイの指は演奏し始めた。
伝説の曲『ハルフォードの稲妻』を、ジェイの左手は段々、熱をおびはじめた。
指は常人を越えた恐るべき動きをした。ビブラフォーンもそれにあわせて動いている。
先刻のハーンの演奏の時の味に、霧が出てきた。あたりが暗くなってくる。
天候が急変する。雨が降り始め、それが暴風雨となり、松妻が光
る。すでに第3楽章にはいっていた。もう演奏は30分も続いているのだ。
ジェイは体力を消耗するどころか、演奏するのにのっていた。叫奮状態となっていた。
(続く)20200424改訂
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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