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ロボサムライ駆ける■第19回 主水は、近畿新平野を見渡し大阪湾に異様な物を発見する。それは新ゲルマン帝国のロセンデール卿の空母ライオンである。

2021年05月28日 | ロボサムライ駆ける
RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
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ロボサムライ駆ける■第19回 主水は、近畿新平野を見渡し大阪湾に異様な物を発見する。それは新ゲルマン帝国のロセンデール卿の空母ライオンである。
 

ロボサムライ駆ける■第19回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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■第3章(7)

「レイモン様、ようやく峠を越えましたぞ」

 関所から同道しているロボ侍、主水は、最初に駆け上がり、近畿新平野を見渡した。

 

 ここは暗がり峠であった。

霊戦争でわずかに残っていた台地である。 

「なんと」

 

 思わず主水は叫ぶ。壮観である。

 

 近畿新平野は霊戦争により、様変わりしていた。

 

大阪・京都・奈良・和歌山の山脈は消滅し、平野となっている。

 

 

宇宙衛星ボルテックスによるレザー攻撃でここにあった全日本軍の要塞が潰滅していた。

 

 が、主水は驚いたのはそのことではない。

 

大阪湾に異様な物を発見したからだ。

 

 

 主水の眼が二十倍ズームの態になり、大阪湾上をアップにしていた。

 

ロセンデールの空母ライオンから周囲十キロメートルにわたって

電磁バイヤーが張り巡らされている。

 

まるで大阪湾に張り巡らされた『蜘蛛の巣』のようにみえた。

 

「ロセンデールめ。すでに大阪湾を支配下においたとみえる」

 

 レイモンが主水のそばにきて、主水の見たる光景を霊力で盗み見していた。

 

「レイモン様、いったいあやつは……何を狙っているのでありましょうや」

 

「ロセンデールめ、あせっているものとみえる。

ライオンの艦橋部分が霊波を送る中心塔なのだ。その霊波探査能力を倍増するために、大阪湾岸の高い建物のすべてに網を張り巡らせたのだ」

 

「西日本都市連合会議も市政庁も、何もクレームをつけないのでしょうか」

 

「恐らくロセンデールのことだ。巧妙な語り口で市政庁をあざむいておるのであろう」

 

「しかし、それでは、我々は飛んで火にいる夏の虫ではありますまいか」

 

「主水よ、それに対する古いことわざがあろうが」

 

「はっ、それは」

 

「わからぬのか、虎穴にいらずんば虎子をえずという奴じゃ。しかしながら、この虎子は大きいぞ。世界の歴史をひっくりかえすほどにな。ほっほっほ」

 

 落合レイモンはゆったりと笑い飛ばしている。

(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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