私の中の彼へー青き騎士ー第16回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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体のすみずみから、こまかい粒子が飛び立っていく。
私の体がピンク色の霞に包まれている。
よく見ると、私の血や肉の砕片が、引きずりだされているのだ。
「アイス」の前で、やがて、その血と肉は、ごそごそともりあがっていく。
そやつは、翔の姿をしている。
血みどろの死体だった。
邪感な目を私に向けている。
翔の目ではない。
私は血が凛リつきそうだった。
「沙織よ」
どこからか呼びかける声がした。
「誰!」私は叫んでいた。
その間にも、鋭い剣の切っ先が、翔の姿をしたモノから送りこまれる。
私は、いかに死休であろうとも
この翔の姿をしたモノを殺す事をためらっている。
「沙織よ、思いだせ、翔はお前の心と共にある。お前がアイスを倒せば
、翔の心も体も救済される、目の前にいるそやつは、もはや、翔ではない」
地球意志からの声だった。
「でも、地球意志、私にはできない、
あいつは翔の姿よ。翔よ」
許して!
私は大声で叫び、身もだえし、体を崩れ落としている。
許して!、
「ここで、私は翔の剣で倒れるかもしれない」
だめよ
だめなのよ!
「沙織、お前がたおれば、翔も悲しむ。
沙織、おまえの体は、すでにお前の体ではない。
お前の体は全人類を象徴している。「アイス」の場所まで
たどり着いた人類は、、、お前だけなのだ」
私が、人類の、、
翔の剣の攻撃を何とか逃れつつ、私は、その声を聞いていた。
「沙織よ」
また、別の声かした。
翔の体から発せられている声。
うちなるこえなのだ。
「沙織よ。俺の体を滅ぼせ」
「翔!」
私は、どうすれば、、
「この体はもう、私ではない、俺は死んだ。が、
俺の心は、君、沙織と共にある。
俺は君の青き騎士なのだ。君のために死ねる。
いや、死んだのだ。
私の残留意思は、君のためにある。
今から、俺が、沙織に力をあたえる、
君の剣で俺の体を貫け」
急に目にみえぬカが、私にみなぎった。
私の想いとは異なり、殺人者としての私の体は反応していた。
そう、その時、私の体が、反応するのだ。
私は、私の能力を恨んでいたかもしれない。
翔の体を、、
私の剣SBは、、貫いている。
まっすぐに、
血が滴り落ちておいた。美しく鮮やかにいつもその血の色は
私の記憶によみがえってくるのだ。
「翔」
私は声をかぎりにさけんだ。
「これでいいのだ、沙織、、」
私は、翔の体を抱きかかえていた。
わけのわからない感情が
私の休を押しつつみ、唐突にアイスの前につきすすんていた。
「私達、アイスプレッドのうらみを、、そして翔の想いを、、」
私の剣は、
アイスの体、中心部にある小さな結晶体を貫いていた。
一瞬、白光が私の眼をいる、
体が解けさるように熱くなった。
体細胞の一つ一つが燃えあがるようだった。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所20090701改訂
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