遙かなる絆-ランナー第18回ー(1986年作品)●
地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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「マコト、君の長い間の眠りは、どうだった」
導師マニは、マコトの意識にたづねる。
「マニ導師、あなたは私の夢に現われました」
「そうだ。君を、この世界、地球人類のメモリーにしょうとした。
長い地球の歴史の記憶脳として使おうとした」
「私が、全人類の歴史をどのように滅んだのかを見届けるのですか」
「いや、君には、新しい人類の誕生を見てほしい。それから、あちらの世界へ
「ジャンプ」してほしい」
マニは、続けた。
「そこでにリッカート、サムナー両君たちにも役目を与える。マコトを守って、同じような同じよう
にジャンプをしてほしいのだ」
「君達が聖灯マコトを、ここに運んでくれたのは、予想外の健闘であった。
君たちにも「ジャンプ」してほしい」
「ジャンプ先かね。そこは、人類が長くに夢見た「天国」というところだ」
アムラーピラミッドが大きく膨脹したように見えた。
さらにピラミッドの地下から振動が始まり、やがて振動は月全体に拡がり大地震となった。
アムラービラミッドは大きな光条を放ち始め、その光は月全体を被った。月は光球となった。
月と地球が相互に引き合っていた。ムーン=ウェイが、まるできずなのように見えた。
月と地球が互いに近づいていく。
地球の上にも、原爆爆発以外の大変動か起こり始めていた。
火山は噴火を始めている。海の水は沸き上がる。
大地は振動し始める。建物は倒壊し、人々は逃げ感う。
地球は、まるで天地創造の時のようであった。あるいはこれが『審判の日』なのであろうか。
EDO長官オットーであった者は、自らの分析の甘さを恥じていた。
この判断の甘さが、人類の滅亡を招いたのだ。
地球と月の表面は最後には接触した。
が爆発は起こらない。静かに融合し始めた。まるでお互いが溶け、交じりあうようであった。
数日後、宇宙空間に新しい星が、生まれていた。
その星は何と呼ばれるであろうか。それに答える旧人類はもう生息していない。
「聖なる火が、二つの世界を焼きつくし、やがて、二つの世界は一つになる。
これは元々、一つの世界であり、新しき一つの世界では、平和は満ちあふれるであろう』
爆発の瞬間、バラバラに吹きとんだヘルムの片腕の金属はくるくると回りながら、この新しい星の
成分へと同化していく。
火の中にいる生物らしきものが、その金属を指さした。
その瞬間それは、情報がつまった新しい金属片となり、タイムジャンプした。
その金属片は2026年の宇宙空間を漂っていた。
月のピラミッドと一体化したマコトの魂は、この新しい世界の中で浮遊していた。
この魂を再び火の中にいる生物が指さした。
マコトという魂を持った子供となって、2026年にタイムジャンプした。
それと同時に 植民船の残骸も2026年に送り込まれた。
マコトであった者は、ムーンウェイ内でのシャトルトレイン爆発事故が、自らの超能力がおこした
ものであったとは最後まで気づいていなかった。
この火の中で、盛んに蠢く新生物、新人類は、昔の旧人類の進化した姿であった。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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